人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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リチャード・マグレガー『中国共産党』 と 毛沢東『実践論・矛盾論』

2020-04-28 05:00:00 | 読書

昨年(5/22)、神田神保町の古書店で、リチャード・マグレガー
『中国共産党』を見つけた。

新品同様な、平成23(2011)年6月初版本、2300円+税が1000円で
入手できた。

本書は、
〇中国で仕事をしている人、中国を理解したい人の必読書(ビル・
エモット[元『エコノミスト』誌編集長)
〇中国共産党の最高幹部たちのモチベーション、ライバル関係、彼
らが抱く恐怖を明らかにする(ジェームズ・ファロウズ[米『アト
ランティック』誌記者)
〇共産党はいかにして中国を支配しているのか。秘密のベールを剥
がし、詳細に語る(エズラ・ヴォーゲル[ハーヴァード大学名誉教
授)
というものだ。

英国『エコノミスト』、『フィナンシャル・タイムズ』によるブッ
ク・オブ・ザ・イヤー2010に選ばれている。

10年前、中国を分析した本だがおもしろい。
著者は「英『フィナンシャル・タイムズ』誌記者、元北京支局長。
20年にわたって中国報道に携わる」とある。日本の新聞記者にこれ
ほど「具体的かつ詳細な」ものが書けるかしらん。

全8章目次ととくに興味深いパラグラフを列挙すると・・・・・・
( )内は私の補足。
第1章 赤い機械 党と国家
 ・生きている「レーニンのシステム」
第2章 中国株式会社 党とビジネス
 ・政治は厳しく、経済には甘く
第3章 個人情報を管理する者 党と人事
 ・黙っていても賄賂が届く
第4章 われわれはなぜ戦うのか 党と軍隊
 ・江沢民、胡錦濤のコンプレックス(二人の文民は人民解放軍に
 コンプレックスがある)
第5章 上海閥 党と腐敗
 ・胡錦濤、そっと証拠を集める(江は上海閥。胡は非上海閥)
第6章 皇帝は遠い 党と地方
 ・地方同士はみなライバル
第7章 社会主義を完成させた鄧小平 党と資本主義
 ・企業家は成功しても仲間はずれ
第8章 「墓碑」 党と歴史
 ・4000万人の「ホロコースト」を隠蔽(1958年から3年間、毛沢
 東「大躍進政策」の失敗で3500万人から4000万人が餓死した)








学生時代は毛沢東の文化大革命(「造反有利」)の時代だった。
友人の中には『毛沢東語録』を読んだ者もいたが、私は『実践論・
矛盾論』を読んだ記憶がある。
--整理するうち、たまたま私の本棚に見つけた。

『実践論・矛盾論』の訳者は、文化大革命を礼賛(らいさん)した
安藤彦太郎早大教授(当時)である。


毛沢東は、本書にある「人民内部の矛盾を正しく処理する問題につ
いて」の中で、
 非マルクス主義の思想にたいしては、どんな方針をとるべきであ
 るか。はっきりした反革命分子、社会主義事業を破壊する分子に
 ついては、話は簡単で、かれらの言論の自由を剥奪(はくだつ)
 すればよい。
とさらりと言っている。

では、少なくとも当時、三権分立の確立されていない中国にあって、
「はっきりした反革命分子」や「社会主義事業を破壊する分子」を
決めるのは誰なのかしらん。


こうした「考え方」は、今日、中国の、広い意味の「毛沢東の弟子
(または弟子の弟子)」たちにも受け継がれているのかな・・・・・・?


中国(や北朝鮮)では、「資本主義的な言論の自由はないが、社会
主義的な言論の自由はある」と言うのかもしれない。

そういう人がいれば、では「社会主義的な言論の自由」の中には、
一般に、普通の意味で「自由な社会」にあるような、<例えば>
「岸を倒せ、岸を殺せ」とか「毛沢東は虐殺の張本人だ」とか「習
近平は独裁者だ」と批判する自由やデモ行進する自由は含まれるの
か、含まれないのか、訊いてみたいと思っている。

新聞の北京駐在員は、中国でそんな質問はしないのかしらん。



毛沢東『実践論・矛盾論』(角川文庫)

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昨27日(月)午前、家内との、マスクをしての散歩から


10:51


10:53 新緑の林


10:54


10:59


11:03 駐車場のミラー越しに・・・・・・


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