人生ブンダバー

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6/25 第66回東西四大学合唱演奏会(四連)(長文)

2017-07-03 05:00:00 | 音楽

6月25日(日)、CANTUS ANIMAEの演奏会からすみだトリフォニ
ーの東西四大学合唱演奏会(四連)へ回る。15時30分の開演だが、
15時過ぎには現地に着いた。

ロビーでは過去の演奏会のCDなどを販売している。ワグネルが『ふ
なたび』を初演した4年前の四連LIVEが2枚組500円という破格の
値段で販売されていたので買ってしまった(--発売時は3000円
はしたのではないかしらん)。

私の座席は、S席 1階22列12番--「希望」どおりの通路側、招
待席の横だ。通路側の席なので、内側が埋まるまでロビーで過ごし、
5分前に着席する。

会場は、男女の学生、保護者、OBなどで満席だ。開演前はザワザ
ワと独特の雰囲気。

東西四連は依然として、一流の指揮者による、トップクラスの若々し
い大学男声合唱を聴ける機会、と言えるかしらん。


<プログラム>
エール交歓
1.関学グリー 草野心平作詩、多田武彦作曲『富士山』
   指揮;広瀬康夫
2.早稲田(大学)グリー 『北東欧アラカルトステージ~若人と海』
   指揮;松原千振
3.同志社グリー Josquin Des Prez作曲、Eliot Forbes編曲
  『Missa Mater Patris』
  指揮;伊東恵司
4.慶應ワグネル 高野喜久雄作詩、髙田三郎作曲『ひたすらな道』
  指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則
5.合同ステージ 三善晃編曲『唱歌の四季』
  指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則、細見真理子


以下、いつもながら、つたない感想お許しの程

最初にプログラムに記載されたメンバーの人数を書いておこう。( )
内は1年生の内訳。
関学;71(6)
早稲田;53(0)
同志社;44(3)
ワグネル;53(8)

エール交歓
15時30分ジャストに暗転、「大変長らく・・・・・・」というアナウンスと同
時に左右から各校が入場してきた。ステージにぎっしり、200人以上
はいるだろう。山台は8段だ。

最後に各校の学生指揮者が登場し、ステージが明るくなり、大きな拍
手に包まれる。

関学;最前列は8人と大人数。学生指揮者は広瀬先生同様の左利き
の指揮。関学らしい、ややノン・ヴィブラート系の明るい発声だ。

早稲田;最前列は6人。ややゆっくり目の演奏。Topはなかなかのス
ピントでよかった。

同志社;最前列は5人。こちらはやや速めの演奏。Topは人数が多
いが、やや頑張り気味。

ワグネル;最前列は7人。気持ちゆっくり目。発声もいいが、アンサ
ンブルにも心を配った「塾歌」だった。

今年の四連は、日本語の曲と外国語の曲が2曲ずつである(合同曲
は日本語)。

1.関学グリー 草野心平作詩、多田武彦作曲『富士山』
   指揮;広瀬康夫
(1)多田作品でも大曲に属する『富士山』。ベース系の「空5度」で始
まる1曲目は、ステージ上での音取りもなく始まった。テンポ感は遅
からず速からず、これしかないと言えるテンポ。発声はエール同様、
「a」と「e」が明るめだ。広瀬先生は、自家薬籠中、暗譜の指揮。私に
はなぜかやや虚無感を感じた。あえていえば、「富士の祭典」の「n」
のタイミングはやはり遅い方がいいのではとちょっと思った(--こ
の調子で細かいことを書いて行くと、関学だけで終わってしまいそう
だが・・・・・・)。
(2)attaccaでつなげる。ここでも、自信を持った、いいテンポ感。か
なり歌いこんでいる印象を受ける。
(3)わりとすぐ3曲目へ。「メドレー」ではないが、どんどんつながる。
全体で大きな一曲のようだ。初めて聴く人は本当に一曲と思うかも
しれない。スケール感もタップリだが、後半のTopの高音はきびしか
った?会場でバシャッとプログラムとチラシを落す人あり。

(4)すぐに4曲目へ。この曲ではパートの受け渡しが関学らしく見事
だ。テンポはややゆっくり目か、スケール感が漂う。ここでも「天の楽
音」の「n」のタイミングが早いのが、個人的には気になった。
(5)ここもすぐに5曲目へ(--「すぐ」の方が調性感覚が出やすい
こともあるかも)。俗に「Top殺し」と言われる『富士山』もいよいよ「8
合目」?山登り同様、この曲のTopはペース配分が難しい。フェル
マータもさることながら、かなりアゴーギクのある、魅力的な演奏だ
が、終盤はやや力不足(息切れ?)だったかしらん。
最後の「大驟雨(だいしゅうう)」では、渾身のfから大きくクレッシェ
ンド&フェルマータ--広瀬先生はここで何歩か前へ進みながら
(合唱団に近づきながら--ここで会場の拍手が始まる。)終曲を
切った。


2.早稲田(大学)グリー 『北東欧アラカルトステージ~若人と海』
   指揮;松原千振
松原先生は、私とほぼ同年代。北欧、とくに長くフィンランドで「修行」
された方だ。以前もたしか生演奏を聴いたかしらんと調べてみたら、
早稲田グリー100周年記念演奏会などで聴いたことがあった。

1曲目「古代の海の歌」は、今年1月に亡くなった、エストニアの作曲
家V.トルミスの作品。早稲田グリーはやや横広に3段に並んだ。テ
ナー系が前、ベース系が後ろの変則フォーメーションだったかしらん。
松原先生は、グレーのズボンに、紺のブレザー、大きな譜面を持っ
て登場。最初は神秘的なヴォーカリーズ開始。途中、掛け声があっ
たり、鳴き声(カモメやアザラシらしい。)が出てきたりとおもしろい曲。
Topのソロが入る--やや小柄ながら明るい、いい声だ。合唱の最
後は徐々にきれいにdim.して消えた。
2曲目「海の歌」はスメタナ作曲。繰り返されるf(フォルテ)の「ハロー
!ハロー!」が印象的だ。一転して、softに歌うところも上手かった。
アイマスクをして聴いたらワセグリとは分からない?


3.同志社グリー  Josquin Des Prez作曲、Eliot Forbes編曲
  『Missa Mater Patris』  指揮;伊東恵司
この曲は、今年卒寿を迎えられた皆川達夫先生の編曲で何回か聴
いている。ジョスカン・デ・プレは15、6世紀、ルネサンス時代の作曲
家だ。
1回目の休憩が終わり、暗転になると、同志社グリーがかなりの早
足で登場した。2列横隊だ。伊東先生は膝も使った大きな指揮。デュ
ナーミクもかなり大きく、そういってはおかしいかもしれないが、ロマ
ン(派)的な音楽だ。ノン・ヴィブラート系の発声、子音はさすがにピ
ッタリそろっている。曲が進むうち、「Credo」、「Benedictus」では
Topがいかにも苦しそう。


4.慶應ワグネル 高野喜久雄作詩、髙田三郎作曲『ひたすらな道』
  指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則
紹介アナウンスの前、後ろの学生が「ワグネルってリヒャルト・ワーグ
ナーのことなんだよ」と友人に説明している。
グレーのブレザーが3列(3段)に並んだ。ピアノは上蓋が取り外され
ている。佐藤先生は黒の上下。指揮棒を使った指揮だ。

高野喜久雄と髙田三郎の世界--「語る」日本語を音楽にしたもの
だ。fの部分でも「能天気」に気持ちよく、明るく放射することよりも、内
面的でかつ劇的なものが求められるといってよく、あえて言葉でいえ
ば、発声的に一人ひとりに響きのある母音と言葉に応じた子音が求
められるといえばいいかしらん。要は、いかに日本語のディクション
というか発語を、一語一語、日本語らしく歌うかがポイント・・・・・・だろ
うか。

1曲目、短い前奏から「むかし そむかれて 狂った姫は・・・・・・」から
ひきつけられる(ひきつけられるか、そうでないかは一瞬で決まるか
ら不思議だ)。
はっきりと分かる「言葉」というか、「美しい日本語」の合唱が前田先
生のリリシズムあふれるピアノ伴奏と一体になって心に迫る演奏に
背中が離れる。

とくに個人的には2曲目の「白鳥」における、子音母音がそろい、心
からの歌とアンサンブルを追求した、一人ひとりの入魂の演奏にス
テージがにじんだ。天国の髙田先生(--髙田先生はクリスチャン
だった。)もさぞやご満悦ではないかしらん。

演奏が終わると、私は低い声で小さくブラボーと叫んだが、会場は、
感動で声も出ず(?)、大拍手でざわついた。


なお、演奏に、順位を付けるものではないだろうが、「あえて」、極力
「公平に」付けるとしたら、
1.ワグネル
2.早稲田
3.関学 (ただし、2と3は僅差)
4.同志社
・・・・・・かしらん?
(健康食品ではないが、あくまで「個人的な感想」、かな?)


5.合同ステージ 三善晃編曲『唱歌の四季』
  指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則、細見真理子
200人以上の大合唱。全員暗譜だ。やや小柄な細見さんは碧いドレス。
(1)「朧月夜」2台ピアノの伴奏に乗ったlegatoの大きな音楽。佐藤
先生は指揮棒による暗譜の指揮。
(2)「茶摘」<格調高い>大人の合唱。
(3)「紅葉」あらためて聴くと伴奏が魅力的だ。三善先生は伴奏が書
きたかった?
(4)「雪」各校選抜ダブルカルテットも前へ進む。
(5)「夕焼小焼」ステージ全体へ広がっての、200人以上ならではの
スケールの大きな合唱。

「最近はアンコールにこっておりまして」(佐藤先生)--鈴木輝昭
『満天の感情』より「忘却」。ピアノ2台では初演だという。


客席の手拍子中に、各校別に並び直した、ステージストームは、
関学;「ウ・ボイ」
早稲田;「斎太郎節」
同志社;「Soon Ah Will be done」
と、ここまでは各校のレパートリー。何回やっても同じ演奏?
ワグネル;ドイツ語の曲--題名不明。アンサンブルもよかったか
しらん。



プログラム



14:57 東京メトロ錦糸町改札


15:01 北斎通り


15:06 すみだトリフォニー大ホール前


15:06 開演前のロビー


15:11


15:17 花束受付は大賑わい


16:29 休憩中


16:34 TopのH先輩に何十年ぶりかでバッタリ


18:41


18:47 錦糸町47分発中央林間行急行に間に合った。


19:39 あざみ野着


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2 コメント

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ありがとうございます。 (畠山紳一郎)
2017-07-03 09:27:16
いつも丁寧なご感想、ありがとうございます。
毎回楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いします!
返信する
Re;ありがとうございます。 (katsura1125)
2017-07-03 10:09:18
畠山紳一郎さま、初コメント(?)有難うございます。

シロウトのつたない感想ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
返信する

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