人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」

2008-06-07 08:40:36 | 音楽
私が社会人となったのは昭和50年代である。新入社員時代の上司にY部長代理がい
た。Yさんはクラシックレコードの収集家であった。
仕事の暇を見つけては大阪弁のイントネーションで「最近何聴いてますか?」と尋
ねて来られた。約25歳年上のYさんと私が同じ職場だったのは2年ほどだったが、ク
ラシック[音楽]の話を通じて友達のような関係になった。

YさんにはLPを何枚も貸していただいた。最初にお借りしたのが、メンゲルベル
ク指揮チャイコフスキーの「悲愴」である。演奏はアムステルダム・コンセルトヘ
ボウ管弦楽団。モノラル録音だった。宇野功芳がライナー・ノートに歌舞伎の大見
得をきるような演奏と書いていた。

「ミレドラソミソドーラソー」と歌うあの有名な第1楽章第2主題は、悲しくも甘美
そのもの、目に浮かぶはモノクロ映画の世界で、全身がとろけてしまいそうにロマ
ンチックだった。
第1楽章の展開部(中間部といえばいいのかしら。)とか第3楽章のマーチは、ムラ
ヴィンスキー/レニングラードに勝るとも劣らない、一糸乱れぬ演奏!生で聴いた
らどんなに素晴らしかったことだろう。今でもこの曲の演奏ベスト3に入ると言っ
ては言いすぎだろうか。

メンゲルベルクはトスカニーニの4歳年下、ワルターの5歳年上、したがってフルト
ヴェングラーの15歳年長であった。真の巨匠時代だったのである。







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