お彼岸も過ぎたのに寒い日が幾日かあった。「寒の戻り」である。
3月29日(日)東京オペラシティへ出掛けた。久しぶりの東響である。
この日の指揮は東響音楽監督のユベール・スダーン。今年は音楽監督就任6年目を
迎える。大変評判がいい。2008年のシューベルトチクルスは2008ベストコンサート
に選ばれた。
(プログラム)
1.武満徹 弦楽のためのレクイエム
2.ブルックナー 交響曲第7番
ユベール・スダーンは今年63歳。オランダ出身なので長身かと思ったが、177cm
くらいだろうか。それよりコンサート・マスターのグレブ・ニキティンは大きかっ
た。2m近かったのではないだろうか。スダーンは2ステージを通じて指揮棒を持
たずに指揮をしていた。
1.の「弦楽のためのレクイエム」は昭和32(1957)年、東京交響楽団(指揮;上田
仁)による初演である。解説によると、武満徹初のオーケストラ作品初演の評価は
今ひとつであったが、その2年後、来日したストラヴィンスキーに絶賛され、評価
が一変した。(日本人はまず他人の顔色を見る。自分だけが真っ先に褒めたり、け
なしたりすることを恐れるのである。とくに褒めることにためらう。日本人の悪い
ところだ。)
この曲を聴くのは2回目か3回目か。なぜかしらん、いつもモノクロの映画と原爆の
「黒い雨」を思い出す。
2. ブルックナーという人は、ブラームス、チャイコフスキーと同様生涯独身だっ
た。生涯独身といってもそれぞれ状況が違っている。ブルックナーは敬虔なクリス
チャンだったが、そのせいで独身だったというわけではない。彼は若い女性に求婚
してふられてばかりいた。50歳を過ぎても、70歳近くなっても、多くの20歳前の女
性に求婚していたのである。
さて、ブルックナーの交響曲は、「ブルックナー開始」といわれる ppp によ
る始まり、「ブルックナー休止」という突然の全停止、何度もの改訂が特色であ
る。(今回の7番はノヴァーク版で演奏された。)
当日の演奏は、第1楽章20分、第2楽章21分、第3楽章10分、第4楽章13分合わせて
67分程度。ブルックナーは長くて退屈というイメージがあるが、ベートーヴェンの
第9(これは70分を超える。)より短くて、しかも退屈というわけではなかった。
演奏終了とともにとくに3階席からブラボーが3回、4回と繰り返された。「カーテ
ン・コール」が5分以上続き、3時45分、スダーンの深々としたおじぎにより終演と
なった。
pppから fffまで、ブルックナーは生に限る!?
スダーン、秋山、大友、飯森と東響の指揮者団は充実している。今後も楽しみであ
る。
3月29日(日)東京オペラシティへ出掛けた。久しぶりの東響である。
この日の指揮は東響音楽監督のユベール・スダーン。今年は音楽監督就任6年目を
迎える。大変評判がいい。2008年のシューベルトチクルスは2008ベストコンサート
に選ばれた。
(プログラム)
1.武満徹 弦楽のためのレクイエム
2.ブルックナー 交響曲第7番
ユベール・スダーンは今年63歳。オランダ出身なので長身かと思ったが、177cm
くらいだろうか。それよりコンサート・マスターのグレブ・ニキティンは大きかっ
た。2m近かったのではないだろうか。スダーンは2ステージを通じて指揮棒を持
たずに指揮をしていた。
1.の「弦楽のためのレクイエム」は昭和32(1957)年、東京交響楽団(指揮;上田
仁)による初演である。解説によると、武満徹初のオーケストラ作品初演の評価は
今ひとつであったが、その2年後、来日したストラヴィンスキーに絶賛され、評価
が一変した。(日本人はまず他人の顔色を見る。自分だけが真っ先に褒めたり、け
なしたりすることを恐れるのである。とくに褒めることにためらう。日本人の悪い
ところだ。)
この曲を聴くのは2回目か3回目か。なぜかしらん、いつもモノクロの映画と原爆の
「黒い雨」を思い出す。
2. ブルックナーという人は、ブラームス、チャイコフスキーと同様生涯独身だっ
た。生涯独身といってもそれぞれ状況が違っている。ブルックナーは敬虔なクリス
チャンだったが、そのせいで独身だったというわけではない。彼は若い女性に求婚
してふられてばかりいた。50歳を過ぎても、70歳近くなっても、多くの20歳前の女
性に求婚していたのである。
さて、ブルックナーの交響曲は、「ブルックナー開始」といわれる ppp によ
る始まり、「ブルックナー休止」という突然の全停止、何度もの改訂が特色であ
る。(今回の7番はノヴァーク版で演奏された。)
当日の演奏は、第1楽章20分、第2楽章21分、第3楽章10分、第4楽章13分合わせて
67分程度。ブルックナーは長くて退屈というイメージがあるが、ベートーヴェンの
第9(これは70分を超える。)より短くて、しかも退屈というわけではなかった。
演奏終了とともにとくに3階席からブラボーが3回、4回と繰り返された。「カーテ
ン・コール」が5分以上続き、3時45分、スダーンの深々としたおじぎにより終演と
なった。
pppから fffまで、ブルックナーは生に限る!?
スダーン、秋山、大友、飯森と東響の指揮者団は充実している。今後も楽しみであ
る。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます