昔--昭和40年代前半だろうか、『世界大百科事典』というものが流行(はや)っ
たことがあった。今や「ウィキペディア」などオンライン百科事典の時代である。
全面的に信用することはできないかもしれないが、ちょっとしたことは「ウィキペ
ディア」を調べれば分かるので便利である。
「ウィキペディア」によれば、山下 奉文(やました ともゆき、明治18年(1885
年)11月8日 - 昭和21年(1946年)2月23日)は、「日本の陸軍軍人。第二次世界
大戦当時の陸軍大将である。官位は陸軍大将従三位勲一等功三級」であるが、なぜ
かしらん昔から山下奉文に関するノンフィクションを読んでいる。(以下4冊)
山下奉文が「昭和史」に登場するのは、二・二六事件、マレー上陸・シンガポール
攻略作戦、フィリピン防衛戦である。
比較的早くに山下奉文をとりあげたのは今日出海『悲劇の将軍 山下奉文・本間雅
晴』(中公文庫)ではなかったろうか。(昭和27(1952)年文芸春秋新社刊)
私が最初に山下奉文のことを読んだのは、児島襄(のぼる)『史説 山下奉文』
(文春文庫)だった。かの「歩兵第三連隊長」(--二・二六事件の安藤大尉の
隊。安藤大尉は仲間に説得されて参加した。事件の時、山下は軍事調査部長だっ
た。)時代からフィリピンにおける絞首刑までを描いている。少し古い(昭和44
(1969)年刊)が見事なノンフィクションである。(評価;★★★★★)
右から『史説 山下奉文』、『山下奉文 昭和の悲劇』、『山下奉文正伝』
福田和也『山下奉文 昭和の悲劇(文春文庫)は平成16(2004)年に単行本が発行
され、昨平成20(2008)年文庫化された。昭和35(1960)年生まれの著者による、
平成時代に書かれた山下奉文である。山下奉文その人に限らず、関連事件を幅広
く、そして「トピックス」的に考察している。山下はフィリピンで戦犯として処刑
されるが、山下に対するアメリカ人弁護士の評価は高かったようだ。感動的な話も
紹介されている。(評価;★★★★)
(注)弁護にあたったフランク・リール大尉が本を残している。
最後の安岡正隆『山下奉文正伝』(光人社文庫)は、山下と同郷高知県の高校教
諭・校長にして歌人が今から30年ほど前に書き上げた大作(文庫にして600ページ
を超える。しかも第一部で終わっている。)である。義妹勝子(山下奉文の妻久子
の妹)から見た山下の話が収められている。著者からは「本書を山下奉文と永山勝
子に捧ぐ」とある。
単行本として光人社から発行されたのは、著者没後の平成12(2000)年で、当時ち
ょっとした話題となった。これも平成20(2008)年に文庫化されている。(個人的
な感想としては大変おもしろいが、やや雑然としており、もう少し整理してもよか
ったのではと思う。)(評価;★★★★)
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