2月10日、家内がたまたま「ラジオ深夜便」を聴き、天満敦子さん
のリサイタルが「3月11日」に紀尾井ホールで開催されることを知
った。
すぐさま紀尾井ホールに申し込んだ。
しばらくして天満さんからじきじきにチケットが送られてきた
(ビックリ!)。
3月11日(木)、夫婦で天満敦子・岡田博美デュオ・リサイタル
(午後2時開演。於紀尾井ホール)を聴く。
ヴァイオリン・リサイタルはもしかすると初めてかしらん。
高齢のファンが多い。全員マスク姿だ。
定員800人に対して、700人は入っているのではないかしらん。
ステージ上方に「25 KIOI HALL」の文字が浮かび上がる。
ステージ中央にグランドピアノが光る。
<プログラム>
1.グノー:アヴェ・マリア
2.フォーレ:夢のあとに
3.ポルムベスク:望郷のバラード
4.シューベルト:[ヴァイオリンとピアノのための]幻想曲
--休憩--
5.カザルス編曲:鳥の歌(カタロニア民謡)
6.和田薫:
ヴァイオリンとハープと弦楽オーケストラのための雅俗二譚
(ピアノリダクション版)
7.ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「スプリング」
8.ホルスト:ジュピター
以下、いつもながらつたないコメントを・・・・・・
1.グノー:アヴェ・マリア
1859年、グノーがJ.S.バッハの『平均律クラヴィーア曲集第1巻』
第1番前奏曲を伴奏として歌曲にしたものだ。
出だしの4小節の、岡田さんの前奏が、それはそれは美しく、そ
こだけでゾクゾクっとしてしまう。
一方、天満さんのヴァイオリンは神経質にならない音楽で、なぜ
か岡田さんの伴奏とマッチする。
会場からはしわぶき一つ聴こえない。
2.フォーレ:夢のあとに
天満さんは大きな音楽。入魂の演奏に、会場からは早くもすすり
泣きが聞こえる。CDでは味わえない生演奏の魅力!
途中で、一瞬だけテンポを落とし、ハッとした。
3.ポルムベスク:望郷のバラード
おなじみ「望郷のバラード」。低弦のエレジーに惹きつけられる。
すっかり「天満敦子の世界」である。
これだけいいホールで聴くと、CDはやはり「缶詰」と言えるか
しらん(笑)。
4.シューベルト:[ヴァイオリンとピアノのための]幻想曲
ピアノ伴奏の難曲。これも岡田さんの前奏からシューベルトの世
界に引き込まれる。
途中、ボヘミア風というかハンガリー風という音楽も現れる。天
満さんは時として左足を軽くアップ。
後半はシューベルトの明るさが感じられる。
25分前後の長い曲だが、少しも長さを感じさせない、息がピッタ
リの熱演だった。
名手同士でなければお目にかかれない演奏だろう。
いい曲を教えていただいた。
休憩を前にして、天満さんから
「ちょうど、『あの時』の時間になりました。皆さんと黙祷をさ
さげたいと思います」
会場が暗転し、全員で長い黙祷。
途中から天満さんによる「見上げてごらん夜の星を」から「月の
砂漠」へ。芸術的、音楽的な、涙の「月の砂漠」だった。
--休憩--
5.カザルス編曲:鳥の歌(カタロニア民謡)
ピアノ前奏からア・カペラへ。天満さんの大きな「芸風」にピッ
タリといっていい「鳥の歌」。
余談:「芸風」という言葉を私を木下保先生から教わった。
6.和田薫:
ヴァイオリンとハープと弦楽オーケストラのための雅俗二譚
(ピアノリダクション版)
初めて聴く曲。日本的な曲を感じさせる--琴を連想させる伴奏
だ。後半は、大変なコンセントレーションから激しい音楽を弾き
きった。
演奏後、天満さんから招待席の和田さんが紹介された。
7.ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「スプリング」
この曲を全曲聴くのは初めてではないかしらん。ベートーヴェン
は、さすがに天才ベートーヴェンだ(トートロジー?)。
第1楽章は、文字どおり明るいヘ長調に、春の訪れを感じる。
岡田さんのピアノは決して主張しすぎないが、後半第4楽章ではピ
アノがリードする感じだった。
8.ホルスト:ジュピター
リリックではない、思い入れたっぷりの「太い」演奏だ。すっか
り手の内に入れた演奏。ステージの天満さんが大きく見えた。
マイクを持って、
「昨年5月の演奏会は中止になりましたが、ちょうどこの日に紀尾
井ホールが空いていました。これも何かのサインだったのかもし
れません。では、岡田さんのお声をお聴きください」
「あれから10年経ったのか。まだ10年なのでしょうか・・・・・・。今
日は有難うございました」
「最後に岡田さんからのプレゼントがあります・・・・・・」
(アンコール)
1.岡田博美 ベートーヴェン 「エリーゼのために」
これは何というのかしらん。聴き飽きたような曲だが、初めて聴
くかのような、新鮮な「エリーゼのために」だった。真に生きた
音楽!--この印象は一生忘れない?とくに左手がすばらしかっ
た。録音がほしい(笑)。
岡田さんは、表情一つ変えず、大人しそうに大拍手に応える。お
~、シャイ!?
最後はお二人による
2.モンティ 「チャールダッシュ」
緩急自在、息ピッタリで、とくに後半は楽譜がまったく見えない
演奏。よりパッショネートな演奏に会場からため息があがった。
「今日は出口ではなく、ここでお別れします」
と大きく手を振っての退場だった。
プログラム
「(この1年)”生の音楽”をお届け出来ない事が、こんなにも苦し
く寂しい事とは思いませんでした。本来であれば今日の紀尾井も
中止か延期が正しいのかもしれません。ただ、私としては、あの
震災からちょうど10年となる今日を、身勝手ですが、たとえわず
かなお客様であってもご一緒に祈りたいと考えてきました」
--天満さんの「思い」が伝わってくる。
チラシ
12:37 あざみ野
13:14
13:20 丸の内線へ
13:24 四ツ谷
13:25
13:26
13:26
13:27 ソフィア通り
13:27
13:28
13:28
13:29
13:33 昔の福田家が・・・・・・
13:33
13:33
13:34
13:35
13:35
13:38
13:39
13:40
13:43 1階左サイドの席(1F-BL1-12)-から
家内の席は1F-BL2-12--私と前後。
15:01
15:02 作曲者和田薫さんのお姿も
15:08
16:17
16:18
16:19
16:19
16:20 要人(元首相。ファンのお一人?)が来られていた。
16:21
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いつもながら、素晴らしい詳細な解説に
感服致しております。
私などは、ただピアノを弾き続けたいという
一素人のようでお恥ずかしいです。
「本当に演奏が聴こえてくるようだ」なんて
陳腐なコメントですが
生の演奏でしか体感できない瞬間が
ほんとにありますよね〜^ - ^
絵画と違って、音が消えていく音楽の感想は難しいですね~。
私は、小学生の音楽鑑賞で、いつも「聞いているうちに、すごく気持ちよくなって、眠くなりました」と書いていました(笑)。