人生ブンダバー

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東響 東京オペラシティシリーズ第47回

2009-02-08 09:42:54 | 音楽
昨年音楽評論家が『音楽の友』誌上で世界の優秀なオーケストラを選ぶ投票を行っ
たら、少ない票数ながら東響が日本のオーケストラで最上位にランクされていた。

それほどに今の東響は充実している。その東響を40年以上にわたって指揮している
のが秋山和慶である。
7日(土)は秋山の指揮の下、ナージャが出演するので期待感がいっぱいだった。

(プログラム)
1.ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」
2.ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番(*)
3.ブラームス 交響曲第1番
 指揮;秋山和慶、(*)ヴァイオリン;ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ



1.10分弱の曲であるが、fの出だしTutti全奏からひきつけられた!きっちりした
棒から熱い演奏があふれでた。秋山氏はお顔を見ると大学教授のようであり、派手
なパフォーマンスもないが、内側から熱いものが出てくる。こういう演奏を聴くと
秋山さんの演奏はどれも聴いてみたくなる。


2.当日の目玉、女流ヴァオイリニストのナージャである。ナンジャではない。フル
ネームはナージャ・サレルノ=ソネンバーグ、ウィキペディアによれば1961年1月
ローマの生まれである。情熱的な演奏をすることで知られている。

6時16分、拍手に迎えられ、ナージャが登場。黒のキャミソールに縞(しま)のス
ラックスといういでたちである。さて演奏は、これぞロマン派、 pp から ff
まで起伏が大きく、なるほど情熱的、自由奔放といっていいものだった。演奏中の
ナージャは右足で足踏みしたり、ソロが休みのときはオケを振り向いて体をゆすっ
たり、やりたい放題。

終わった時には思いっきり両手を握り締め(手を挙げないガッツポーズ)、また秋
山にも抱きついたりとじゃじゃ馬の如しであった。盛大な拍手とボラボーに「オケ
も立たせてヨ」というジャスチャーを見せた。秋山さんもオケもナージャに拍手だ
った。

アンコールはラフマニノフのヴォカリーズ。オーボエ、クラリネットとからむ甘美
なメロディーだった。


3.ブラームスの1番を生で聴くのは何回目だろう。その昔、中山先生指揮するワグ
ネルのオケを聴いたのが最初である。その後、記憶にあるのはマゼール、若杉弘、
マズア、アツモン、アルミンクなどである。マゼール/クリーヴランドの演奏では
終わったとたん、拍手もせず背の高い人が一人外へ飛び出していった。大いなる不
満足の表明だったのだろう。よく見たら福永陽一郎先生だった。

さて秋山のブラームスはフルトヴェングラーやミュンシュなどのように最初からホ
ットなものではなく、いかにもブラームスらしいきっちりとして、熱さを内に秘め
た、渋みのある演奏だった。そして最後の3分間になって、一部の冷静さを残しつ
つ一気に燃えたフィナーレとなった。これもまたブラームスらしくて名演奏だっ
た!ブラームスが聴いたら喜んだのではないかしらん。下手に外来のオーケストラ
を聴くよりもよかった。ホルン、フルート、コンマス、オーボエ、クラリネットが
順にスタンディングとなった。

なお秋山さん、ブラームスの譜面は1ページ目のままで、最後まで譜めくりはしな
いままだった。
(*)小澤征爾の場合は、表紙もめくらず譜面を閉じたままのことが多い。

ブラームスの演奏開始7時15分、終了は8時3分。

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