昭和歌謡の歌手といえば、藤山一郎(1911-1993)も渡辺はま
子(1910-1999)も美空ひばり(1937-1989)も上手いが、伊
藤久男(1910-1983)はそれらに劣らずうまい。
戦前~戦後に活躍した歌手ではベスト3に入るだろう。
NHKの朝ドラ『エール』では、山崎育三郎さんが演じる「佐藤久
志」という役名で出てくる。
現在、『エール』では、昭和22年『夜更けの街』(菊田一夫作詩、
古関裕而作曲)を歌っている。
朝ドラ『エール』に刺激され、『伊藤久男全曲集』を聴く。
その中からいくつかの曲に、つたないコメントを・・・・・・。
〇暁に祈る(S15.野村俊夫作詞、古関裕而作曲)
「あゝあの顔で あの声で 手柄頼むと 妻や子が」
野村、古関、伊藤--福島トリオによる傑作。とくに1番はジ~ンと来る。
〇高原の旅愁(S15.関沢潤一郎作詞、八洲秀章作曲)
「むかしの夢の なつかしく 訪ね来たりし 信濃路の」
伊藤久男30歳。わずかに「前へ前へ」という歌唱がすばらしい。言葉に応じた、
微妙なdim.に惹きつけられる。
〇お島千太郎旅唄(S15.西條八十作詞、奥山貞吉作曲・編曲)
「春のあらしに 散りゆく花か 風にまかせた 身は旅役者」
二葉あき子とのデュエット。ゆっくりしたテンポに乗って、息がピッタリだ。
〇シベリア・エレジー(S23.野村俊夫作詞、古賀政男作曲)
「赤い夕陽が 野末に燃える ここはシベリア 北の国」
戦後、シベリア抑留者の歌。歌唱の訴えになぜか泣けてくる。
〇栄冠は君に輝く(S24.加賀大介作詞、古関裕而作曲)
「雲は湧き 光あふれて 天高く 純白の球今日ぞ飛ぶ」
古関お得意のマーチ。伊藤もレガートとマルカートを駆使した歌唱で見事に応
えている。言うまでもなく、高校野球甲子園大会の歌。
〇イヨマンテの夜(S24.菊田一夫作詞、古関裕而作曲・編曲)
「アーホイヨー・・・・・・ イヨマンテ 燃えろ かがり火」
とくに出だしは音符を感じさせない歌唱。全体的に微妙な抑揚(cresc.、dim.)
が見事だ。
〇あざみの歌(S26.横井弘作詞、八洲秀章作曲)
「山には山の 憂いあり 海には海の かなしみや」
本録音は意外とリリックな歌唱。「憂い」や「かなしみ」がせつせつと伝わっ
てくる。
伊藤久男は、テレビでもたびたび視たが、結婚について訊かれ、
「私らの時代は、結婚式を挙げるとか挙げないという以前に、子
供ができていましたから、ワッハッハ」
と言っていた。--繊細にして豪快な人だった。
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<時事放談>
〇昨10/29の朝日新聞によれば、国会初日、立民枝野代表の代表
質問32分50秒の内、学術会議任命問題に費やした時間は1分31秒
であり、そのウェイトは4.6%である。
しかるに朝日新聞は、この問題を一面トップで報じている。
学術会議任命問題はせいぜい5%程度の問題だ。
完全に党派的な「しんぶん赤旗」はいざ知らず、報道するメディ
アにもバランス感覚が必要--ではないか?
外交・防衛問題は大丈夫?
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