人生ブンダバー

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二期会ゴールデンコンサート春 澤畑恵美

2008-05-12 05:58:07 | 音楽

5月11日(日)千駄ヶ谷の津田ホールにて「歌姫たちの四季春 ソプラノ澤畑恵
美」演奏会。(ピアノ;谷池重紬子)
澤畑恵美は埼玉の秩父高校から国立音大卒業。同大学院修了。文化庁オペラ研修
所修了。平成元(1989)年日本音楽コンクール第1位。一躍脚光を浴びた。現在、
40台前半。今、脂の乗っている人である。

プログラムは、
1.「この道」
2.「ゆりかご」
3.「びいでびいで」
4.「祭りもどり」
5.「お菓子と娘」
6.「宵待ち草」
7.「はな緒」
8.「さくら横ちょう」
9.「たんぽぽ」
10.「ゆく春」
--休憩--
オペラ「夕鶴」より
つう    澤畑恵美
与ひょう  大槻孝志(テノール)


開演(16:00)5分前にはほぼ満員になった。今日は日本の歌(--その演奏会は
意外に少ない。)だからか、音大の学生と思われる若い人の姿も多い。

定刻丁度にお二人(澤畑さん、谷池さん)が登場。澤畑さんはオレンジ色のドレ
ス、身長は160cmちょっと?体格がいい。

1曲目、「この道」が始まった。思ったより強く、少しばかり太い声だ。終わりは
しっかりとブレスに支えられている。

拍手の後で自身マイクを取った。「今日はあいにくの雨でというご挨拶を昨日は
考えていたのですが、さいわいにも雨が晴れまして・・・」とおしゃべり、曲目
を紹介しながら進められた。(気取らない、むしろ庶民的なお人柄です。)

「2曲目『ゆりかご』は赤ちゃんをおこさないように歌います」
情緒があり、よかった。

「初恋」はややドラマチックに歌われた。オペラと歌曲では歌い方が異なるが、
澤畑さんの場合は、「初恋」に限らず、オペラが先で日本歌曲に近づいてきたよ
うに感じられた。神経質にならずに、歌うことに重きを置いた演奏というべきか
しら。

曲が進むと共に、しぐさが増え、「はな緒」などではかなり身体が動いてきた。

「オペラをやっておりますので、自然に身体が動きます。
後半は『夕鶴』です。團伊玖磨先生に指揮をしていただいたことがありました。
ラストの『さよなら~』では、酸素ボンベがいるほど伸ばすのですが、先生の棒
がなかなか降りてこないことがありました。さすがに苦しくて
『ちょっと長すぎませんでしたか?』
とお聞きしたら、
『ぼくはあなたが降りてくるのを待っているんですよ』
と言われ、笑ってしまいました」(大爆笑)

「さくら横ちょう」から3曲は中田喜直の作品。休憩前に、前半の山場を持って
きた、中田歌曲への思い入れたっぷりの歌唱だった。とくに「たんぽぽ」と「ゆく
春」はお好みの曲なのではなかったかしら。

休憩20分後、「夕鶴」ステージ。
澤畑さんは白のドレス。大槻さんは黒シャツに黒ズボン。動きも入れた、セミ演
奏会形式だった。

澤畑さんは、後半のオペラの方がより没入していた。役になりきるという意味で
は当然かもしれない。迫真の歌唱だった。澤畑さん1人になるところでは、他の
お客様の存在も忘れ、文字通り澤畑さんお一人しか目に入らなかった。

澤畑さんの日本語は、勉強されているのでしょう、よかった!(日本語は一番難
しい!)
若手の大槻さんはドイツに勉強に行かれた方。「つう~」の「u」がドイツ語だ
った。

演奏が終わり、盛大な拍手に3回出たり入ったり。3回目の出でアンコール「楽し
い歌を・・・」。やはり!中田喜直の「むこうむこう」だった。

精一杯の拍手の後、「最後にっ。母の日、お母さんの歌を・・・。私もお母さん
です」(ご主人は都響のコンサートマスター矢部達哉さんです。)
佐藤しのぶさんと同様、まさしく母性を感じさせる歌唱。

終演17:40、すてきな演奏会だった。(私にはこれくらいの長さがちょうどい
い。)


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