人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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1/25 『椿姫 ラ・トラヴィアータ』(長文)

2019-01-28 05:00:00 | 音楽

1月25日(金)、都民芸術フェスティバル2019の一つ、藤原歌劇団
『椿姫』を観る(於東京文化会館)。
本公演は、三日連続、珍しいトリプル・キャスト!初日を訪れた。

原作は、作家デュマ・フィスが関係した高級娼婦(マリー・デュプレ
シ)の思い出を小説化したものだ。
この娼婦の下に通った一人がフランツ・リストである(--團[伊玖
磨]さんに教えてもらった)。

オペラ『椿姫』もヴィオレッタが高級娼婦であることをキッチリ理解
していないと、ピンボケになってしまう。--全然恥ずかしながら、
初めてキッチリと理解した(笑)。

開演前、ホワイエで『こうもり』(→こちら)をPR中の長身小川里
美さん(Sop.)を発見。
「ワグネルOBです。その節はお世話になりました」
(--ずうずうしく[?]ワグネルの代表になりかわり[笑]。これ
も一つの「コミュニケーション」?)
「あ、いえ、こちらこそ。あっ、(佐藤)正浩さんですネッ」
「そ、そうなんです。みんなで・・・・・・」


聴衆も、1階から5階までムラなく、まずまずの入り。
(余談)
お隣の女子高校生(?)は、20分の休憩時間中(2回)、受験勉強か、
一生懸命練習問題を解いていた(こういう人には負ける?)。
後ろの席は音大の女子学生らしく、「行々子(よしきり)」、「北秋
の」という曲名を話していた(日本歌曲の試験があるらしい)。


以前にも書いたかしらん、オペラは曲と場面の積み重ねだ。『椿姫』
は(約)20曲からなっている。

オーケストラの演奏会では、2、3日の練習で仕上げるというが、オペ
ラの場合は最終的な「合わせ」には何日間かかるのだろう。

Cast
ヴィオレッタ(Sop.)砂川涼子
アルフレード(Ten.)西村 悟
ジェルモン(Bari.)牧野正人 
フローラ(Mez.)丹呉由利子
ガストン(Ten.)松浦 健
ドゥフォール(Bari.)東原貞彦
ドビニー(B-Bari.)田島達也
グランヴィル(Bari.)坂本伸司
アンニーナ(Mez.)牧野真由美
ジュゼッペ(Ten.)有本康人
使者(Bari.)相沢 創
召使(Bari.)市川宥一郎
合唱 藤原歌劇団合唱部
バレエ 竹内奈那子 渡邊峻郁

指揮 佐藤正浩
演出 粟國 淳
総監督 折江忠道


第1幕 ヴィオレッタの館の広間
「花から花へ」(ヴィオレッタ)
(休憩)
第2幕
第1場 パリ郊外の別荘
「燃える心を」(アルフレード)
「プロヴァンスの海と陸」(ジェルモン)
第2場 パリのフローラの館の広間 
(休憩)
第3幕 ヴィオレッタの寝室
「さようなら、過ぎ去った日の美しく楽しい夢よ」(ヴィオレッタ)

西村アルフレードはスケールの大きな長身。一方、砂川ヴィオレッタ
は意外と小柄ながら、響きの素晴らしい立派な声だ。ほとんど出ずっ
ぱりで、いろいろな声も求められる大変な役だ。
ちなみにお二人とも五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞している(--
過去の受賞者には、大活躍の、そうそうたる歌手が並んでいる)。(*)

ベテランの牧野ジェルモン父さんはさすがにキッチリと決め、拍手も
多かった。ジェルモン父さんの気持ちはこの歳になると分かる?

演出については、個人的にはそれを楽しむレベルではないが、ともか
く現代演出ではなくて、よかった。

ラストシーンは、みんながヴィオレッタを囲み嘆き悲しむ形ではなく、
「アルフレードの愛のメロディーに誘われて立ち上がり、『ああ、嬉
しい』と」叫んで舞台奥へ消えて行く演出になっており、これはなか
なかよかった・・・・・・のではないか。


佐藤先生の指揮と東フィルは、ppの緊張感にせよ、緊迫感あるクレッ
シェンドにせよ、歌手、合唱ときわめて「一体」となった音楽。
いつ始まったか分からないほどの第1幕前奏曲もさることながらが、
(アリアは別とすれば)とくに第2幕第2場の初め、ジプシー女と闘牛
士の場面に惹きつけられた。

すべてにテンポ感が速からず遅からず、よかったのではないかしらん。
カーテンコールでいっさいドヤ顔をしない佐藤先生にもボラボーが飛ん
でいた。




*余談だが、日本で、一流の、オペラ歌手、プロ棋士、プロゴルファ
 ーになるのに、どれが一番難しいかしらん。
 いずれも、「一流」となると「志望者」の上位0.1%なんてものでは
 ないかもしれない。

 その昔、ワグネルの某先輩が、練習休憩中、畑中先生に
 「芸大の声楽科を受けたいのですが」
 と相談したことがあった。先生の即答は、
 「芸大に入れたとして、入った途端、実力が自分より上の人がいくら
 でもいることを知ることになり、まったくいやになるの」
 「・・・・・・」
 ちなみに中山悌一さんは、木下保先生に「キミ、(師範科ではなく)
 声楽科を受けないか」と言われたとか。



チラシ


プログラム



16:36 足場解体中


16:41 あざみ野2丁目


16:42 旧カリタス女子短大 引き続き工事中


16:53 あざみ野


17:27 表参道


17:56


18:00 パンダ橋


18:02


18:04 東京文化会館


18:09


18:10


18:13 出演者のサイン入りポスター


19:06 1回目の休憩


19:09


19:18 ワグネルOB数人も談笑中

休憩中、ワグネルOBの先輩Yさんに
「失礼ですが、『椿姫』は何回目ですか」
「う~ん、数え切れない(笑)。ザルツブルクのネトレプコはよかった
ね~」
私はたしか2、3回目ではないかしらん。
初めて観たのは、平成14(2002)年1月12日(土)の藤原歌劇団公演。
ヴィオレッタ大岩千穂、アルフレード市原多朗、オーチャードホールだ
った。
市原多朗を聴きに行ったが、大岩千穂が大変よかった(→こちら)。



19:22 実際には5分遅れで


21:40 お開き


21:43


21:44


21:45 楽屋出入口 「出待ち」のファン


21:54 上野


22:04 半蔵門線へ


22:05 三越前


22:51 あざみ野に戻る。


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