7月11日(土)午後2時、新日本フィル第622回定期(於すみだトリ
フォニー)を聴く。
新日本フィルにとっては2月29日以来の「7月定期」、私にとっては
1月17日以来の定期演奏会「トパーズ」だ(→こちら)。
チケットはいったん回収後、あらためて指定されたものが送られて
きた。「当日聴きに行く人」ということで、住所、氏名、電話番号
も提出済みだ。
今やセミ長髪の業界人スタイル(または茂木健一郎?)なので、ど
こかの音楽評論家と間違われるのではないかしらん。
この日の開場はいつもの開演45分前と違い、1時間前だ。
会場前には、「マスクの着用をお願いします」という案内を掲げた
ガードマンさんが立つ。
入口で2人の係員が消毒液で入場者の手にシュッシュ。その後は
「チケットを拝見します」。自分でチケットをモギってボックス
へ。そしてプログラムを各自でピックアップ。
先日のミューザ川崎(東響)と同じような流れだ。
掲示案内を読む--「終演後は混雑緩和のため、お帰りの順番をア
ナウンスさせていただきます」。
1階座席を確認。「こちらにはお座りにならないでください」とい
う案内が一つ置きに置かれており、見事な「市松模様」だ。
開演までたっぷりあるので、2階席ロビーでプログラムを読む。
オーボエ古部賢一、第2ヴァイオリン吉村和子、篠原英和各氏の退
団のお知らせが載っている。古部さんは3月末で東京音楽大学准教
授に就任したが、今後は客員首席として参加するという。
この日のプログラム自体の変更はなく、演奏者は、当初のラルス・
フォークト(ピアノ・指揮)から尾高忠明・清水和音に変更になっ
た。
<プログラム>
1.ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73「皇帝」*
--休憩--
2.ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 op.68
指揮:尾高忠明
ピアノ:清水和音*
コンサートマスター:西江辰郎
以下、いつもながらつたないコメントを・・・・・・
1.ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73「皇帝」
ベートーヴェン最後のピアノ協奏曲。作曲されたのはウィーンがナ
ポレオンに占領された頃である。「運命」はベートーヴェン自身の
命名ではない(楽譜の出版にあたって付けられたもの)。
2時過ぎ、温かい拍手に迎えられて、オケ・メンバーが入場。その
場で、立ってコンマスを待つ。コンマス西江さんの登場に拍手が大
きくなり、全員そろってのおじぎに拍手がクレッシェンド。
清水さん、尾高さんの登場にさらに盛り上がる。
先日の田部さんも初めてだったが、清水さんを聴くのは初めてだ。
とくにステージ上の皆さんはマスクをしていない。
(1)アレグロ
尾高さんは指揮棒を持たない指揮。弦楽五部は、1st10~コントラ
バス4の10型だ。木管センターは、オーボエ岡、フルート野津、ク
ラリネット重松、ファゴット坪井の各氏。
最初の、ベートーヴェンの和音がすばらしい。すぐにピアノの力強
いタッチ。
やはり生オケ、生演奏にはグッとくるものがあり、ステージがにじ
んでくる。
清水さんはほとんど粘らないというか前へ前へという音楽だ(少し
バックハウスを彷彿とさせる?)。
尾高さんは決してオーバーな指揮ではないが、テンポが決まり、が
っしりした音楽だ。背中というか中心線を動かさない、ピアノの方
をまったくといっていいほど振り向かない指揮ぶりだ。
(2)アダージョ・ウン・ポコ・モッソ
出だしの弦楽合奏がすばらしい。ピアノは変にやり過ぎない。右手
の音に惹きつけられる。終盤のフルート、クラリネットとファゴッ
トも心に迫る。
(3)ロンド:アレグロ
清水さんは強い打鍵。ピアノと指揮、オケ三位一体の音楽に会場が
静まり返る。
最後は、終わりそうで終わらない音楽。終わると大きな拍手がどっ
と来た。
清水さんは、尾高さん、西江さんと、触れない握手、肘タッチ。尾
高さんは指揮台上で清水さんに拍手。カーテンコールが繰り返され
る。お二人の最敬礼がすばらしい(ステージマナーは大切だ)。
最後は、清水さんが両手を胸の前で組んで、拍手に応えた。アンコ
ールはなし。
--休憩--
休憩時間に、半年ぶりにワグネル&ゼミの古谷野先輩とお互いの無
事を喜びつつ(オーバーかな?)、懇談。
2.ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 op.68
ブラ1を生で聴くのは何回目かしらん。最初は学生時代、中山冨士
雄さん指揮のワグネル・オケだった。
たしか若杉/N響の特別演奏会では会場の新宿厚生年金会館を東京
文化会館と間違え、慌てて駆けつけたら、ブラ1の序奏が始まった
時だった(涙)。
ブラームスは、ベートーヴェンを意識しすぎて(?)、交響曲第1番
を仕上げるのに20年もかかってしまった。
閑話休題。
弦楽五部は12型に。コントラバスは5丁。ホルンも4人になる。
(1)ウン・ポコ・ソステヌート~アレグロ
堂々と、気力充実の序奏がブンダバー。アレグロに入ってもスキの
ない音楽。尾高さんは左手を柔らかく使ったり、硬く使ったり。要
所ではほどよいタメも。木管などパートからパートへの移ろいにも
惹きつけられる。
(2)アンダンテ・ソステヌート
弦主体の演奏に乗って、やや悲しげなオーボエ、それを追ってクラ
リネットが現れる。終盤は西江さんのソロに会場がシ~ンとなる。
(3)ウン・ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ
出だしにクラリネットソロのある、牧歌的に流れる、5分ほどの音
楽だ。ABAの三部形式。ティンパニもお休みで、どちらかという
と柔らかな楽章かしらん。
(4) アダージョ~ピウ・アンダンテ~アレグロ・ノン・トロッポ、
マ・コン・ブリオ
第3楽章から一瞬の間で第4楽章へ。テンポが3段階にアップする。
「耳タコ」となっているメロディーが次々に登場。「ミーーレドソ
ーー レーーミードーー」のホルンからフルートへ(このあたりま
でが序奏だ)。
弦による「ソードーシドラーソー」の第1主題。
終盤のコラールというかトロンボーン等によるファンファーレもこ
れぞと手を叩きたいもの。
最後まで「ウン?」となるところのない--まったくスキのない演
奏であった。
会場からは、お約束どおりブラボーなしの大きな拍手。
一つ空いたお隣がおざなりの拍手をしていたので、こちらは、手を
高く、意地になって大きな拍手を送り続けた。
カーテンコールでは、真っ先にコンマス西江さんが立たされ、それ
にホルン(上間さん)、フルート(野津さん)、オーボエ(岡さん)、
クラリネット(重松さん)・・・・・・と続いた。
尾高さんは、オケに敬意を表してか(?)、肩をすぼめて入退場を
繰り返し、最後に小型のハンドマイクを持って登場。
「え~、ありがとうございます。トリフォニーに戻ってまいりまし
た(拍手)。
僕たち音楽家は毎日楽器に触っていますが、オケは一体となって演
奏できないことにはどうにもなりません。
今日のフォーメーションはお互いの距離を取っているので、いつも
より遠くてやりにくいのですが、さすが新日本フィル、わずか2日
間の練習でこの日を迎えることができました(お茶の子さいさい?
大拍手)。
温かい皆さまの拍手は僕たちのカテです。生の音に勝るものはあり
ません。
ソニーの盛田さんに東フィルのスポンサーになっていただいたお礼
に盛田さんお一人をお呼びして演奏しました。聴き終わって、涙を
流しておられ、『ソニーのアンプは作られた音しかしない』。
この空間に身を置いて下さった方々に感謝申し上げます。皆さん、
頑張りましょう」(拍手)
お開き後もコントラバス、ティンパニの退場まで拍手が続く。
最後の最後は、尾高さんと西江さんが再登場、大きな拍手を受けた。
尾高さんは、13年前にN響定期でブル8を聴いている。
今回もまた(いい意味で)ひとかどの人物(somebody)という印
象を得た。
客席の退場は、2階席と1階3列~19列から。1階20列以降と3階席が
最後に退場となった。
一番左が尾高忠明さん
再指定チケット
すみだトリフォニーホール お願い
11:32 曇り
11:33
11:39 昔、米穀店があったビルを建て替え
11:43 あざみ野2丁目
11:43 旧カボス書店 セブンイレブンが進出?
11:50 東急田園都市線あざみ野駅前
11:53 あざみ野より
13:03 乗り換えなしで錦糸町へ
13:07 アルカイーストビル
13:08 トイレが新しくなっていた。
13:10
13:11 北斎通り
13:12
13:14
13:15
13:16
13:17 すみだトリフォニー 大ホール
13:18
13:19
13:19
13:21
13:22
13:23
16:10
16:12 皆さん家路へ
16:13
16:15
16:16
16:17 キオスクでくず餅を買う。
16:23
16:33 錦糸町 中央林間行急行に
17:29 あざみ野に戻る。
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