前日の公開リハーサルに続き、6月17日(金)、新日本フィル
(以下NJP)すみだクラシックの扉を聴く(於すみだトリフォニ
ーホール)。
このシリーズは、S席(&シルバー席)が3,500円。
今回は3,000円のクーポン券を使ったので、実質500円という破格
の値段となった。
K.イシイさんは、世界的に活躍。日本国内では、既にN響、都響、
読響なども振っている。
<プログラム>
1.ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61*
--休憩--
2.吉松隆 鳥は静かに・・・ op.72
3.吉松隆 交響曲第6番「鳥と天使たち」 op.113
指揮:キンボー・イシイ
ヴァイオリン:周防亮介*
コンサートマスター:伝田正秀
以下、まことにつたないながらコメントを少々・・・・・・
1.ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
周防さんは整った長髪、長身。K.イシイさんは上下黒、やや細身
のスーツで登場。
弦楽五部は10型(10-8-6-8-5)かしらん。クラリネットのTopに
は都響の勝山さんが客演だ。
(1)出だしのオケ提示部は低弦の響きがいい。周防のヴァイオリン
は、はたして達者でスケールの大きな演奏だ。
K.イシイは、自身のパフォーマンスなく、音を紡ぎ出そうとする
指揮ぶり。NJP弦の弱音に惹きつけられる。
ソロのカデンツァ部分は、周防の大変なconcentrationに伴い、客
席も集中、微動だにしない。(概算演奏時間24分20秒)
(2)ここもNJPの弦がいい。ソロは自在に動く。静かな所で、客席
からバチャッ(チラシの束を落としたようだ)。(10分15秒)
(3)attaccaで3楽章へ。冒頭はヴァイオリンソロ。ティンパニも加
わったtuttiがすばらしい。K.イシイは長い音を左手でピシッと切
る、分かりやすい指揮だ。周防の終盤の超絶技巧に時を忘れる。
(10分15秒)
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を生で聴くのは、久しぶり
だった(チャイコフスキーは、この10年間で何回か聴いているの
だが。)が、次々に変化する音楽に酔いしれた。
今更ながら、ベートーヴェンは天才だ。
アンコールは、はたしてバッハの無伴奏曲。
--休憩--
喫茶コーナー再開はうれしい。日本経済活性化のため、コーヒー
を注文。
吉松さんを知ったのは、平成20(2008)年10月の慶應ワグネル特
別演奏会だ。塾高から慶應工学部中退。「現代音楽撲滅運動」を
提唱している。
余談だが、作曲界も1980年代から「現代音楽」から脱却する傾向が始まったのか
もしれない。
2.吉松隆 鳥は静かに・・・ op.72
14型の弦楽合奏だ(14-12-8-10-6)。K.イシイのやや揺れながら
の指揮に、音楽も揺れる。先日のデュトワの時とは違い、打点と
同時に音が出る。「大自然」の映像が目の前に浮かんだ。
(7分40秒)
3.吉松隆 交響曲第6番「鳥と天使たち」 op.113
ピアノやハープ、管楽器、パーカッションなどが加わる。
ピアノに合わせてチューニング。
K.イシイは、若々しく、やや駆け足で登場。
パーカッションは、1タンバリン、2カスタネット、3シストラム、
4バードコール、5スライドホイッスル、6マラカス、7カバサ、8
ウッドブロック、9ラトル、10鳴子(貝殻)、11アンティークシ
ンバル、12リン、13ウインドベル、14ブラスウインドチャイム、
15ボンゴ、16小太鼓、17トムトム、18大太鼓、19タムタム、20
ハイハットシンバル、21トライアングル、22吊しシンバル、23
マリンバ、24ヴィブラフォン。
これだけの楽器を3人で取り扱うのだから超人的だ。いつも思う
が、パート譜はどうなっているのかしらん。
(1)右方の鳥
K.イシイはスコアに目をやりながらも、前日のリハーサルよりも
ややアクションが大きく、やや膝も使って、確信的に振っていく。
表現に対する「思い入れ」が大きい。10分もするとジャズ的「喧
噪」に、K.イシイは左を向いたり右を向いたりの「本番モード」
(本番なのだが)。リハーサルよりさらに生き生きとした音楽だ。
(概算演奏時間13分55秒)
(2)忘れっぽい天使たち
静かな森に鳥(オカリナ)がピヨピヨピヨと登場。ピアノとマリ
ンバがキーになる。チャイコフスキーの「悲愴」も断片的に現れ
て消える。
(8分10秒)
(3)左方の鳥
やや速い楽章。K.イシイは目立ってほしいパートを向き、その一
方で目立ってほしくないパートを抑える、忙しい動き。ここでも
マリンバが活躍。ドラムス、トランペットはジャズ的な音を奏で
る。コントラバスは速いピッツィカート。ベートーヴェンの「田
園」も現れる。
「音楽の歓び」が伝わってくる。--NJPは終始見事なアンサン
ブルを聴かせてくれた。
(7分35秒)
K.イシイは、終わると、真っ先にピアノ(高橋ドレミさん。本名)
を立たせる。
逆光の中、客席を見渡すと、1階席中央の吉松さんが立ち上がり、
一層の拍手。
続いて、パーカッション、トロンボーン、トランペット、ホルン、
木管、ハープ、そして再びピアノを立たせる。
K.イシイは、譜面台からスコアを手に取り、大きく掲げて、吉松
氏にエールを送った(拍手)。
前日のブログにも書いたが、NJPは、珍しい曲にもかかわらず、
「譜読み」はバッチリで、K.イシイに応えたすばらしい「仕上が
り」となった。
繰り返しになるが、プロのNJPはさすがプロ。アマオケからすれ
ば、カミワザのレベルと言ってもいいのかもしれない。
ちなみに本公演は7/2までライブ配信がある(→こちら)。
18日(土)には降り番の崔さんも聴きに行かれたようだ。
K.イシイはNJPに限らず、機会があればまた聴きに行きたい。
プログラム(表紙)
10:21
11:54 あざみ野
12:50
12:57
13:00
13:02
13:03 当日預かり・当日精算へ
13:05
13:06
13:09 扉は内側に開く。
13:10
13:15
13:16
13:16 石丸寛さんの作品
13:16
13:18 これよりチラシの分別
13:30
13:31 不要なチラシを廃棄。
13:44
14:56
14:56
14:57
15:05
15:07
15:09
15:10
16:02 お開き
16:06
16:07
16:09
16:11
16:12
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キンボー・イシイさんは、初めて聴きましたが、よかったです。
キンボー・イシイさん、一度聴いてみたいです。
原田慶太楼さんは、来年4月横浜でこのシンフォニーを演奏するので、彼にとっては”江戸の仇を長崎で討つ”の心境でしょうか?