「音楽」は耳に入るとともに消えて行く。「絵画」のように「そこ」
に残る物ではない。聴いた「音楽」について書くことは、それだけに
難しい。
小林秀雄が、たしか、ベルリン・オペラか何かを聴いて感想文を求め
られた時に、「書こうと思って聴いたが、(感動で)何も書けなかっ
た」とどこかに書いていた(いかにも小林秀雄?)。
閑話休題。
青葉区老連の機関誌『あおば』の編集会議(4月から編集委員を仰せ
つかった。)に出席後、3月新国立劇場オペラ『ウェルテル』最終日
を聴く。「3月の音楽会評」第7弾。
今シーズンの新国立劇場オペラは、独語、仏語、伊語と一つずつ選ん
でいる(日本語はなし)。今回は仏語のオペラだ。
『ウェルテル』といえば、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』だ。私
は読んでいないが、なんとなく、常識程度にあらすじは知っている
(--ゲーテで読んだのは唯一『イタリア紀行』だ)。
Cast
ウェルテル;サイミール・ピルグ(Ten.)
シャルロット;藤村実穂子(Mez.)
アルベール;黒田 博(Bari.)
ソフィー;幸田浩子(Sop.)
大法官;伊藤貴之(Bass)
シュミット;糸賀修平(Ten.)
ジョアン;駒田敏章(Bari.)
ブリューマン;寺田宗永(Ten.)
ケッチェン;肥沼涼子(Sop.)
指揮;ポール・ダニエル(英)
管弦楽;東京交響楽団(コンサートマスター;水谷晃)
合唱;新国立劇場合唱団
児童合唱;多摩ファミリーシンガーズ
サイミール・ピルグは、忘れていたが、以前『愛の妙薬』で聴いてい
た。
今回のウェルテル、思い入れたっぷりの歌い方ではなく、むしろザッ
ハリッヒというか、端正な歌唱がかえって心に響いた。高音のファル
セット気味の弱声がすばらしい。
余談だが、畑中先生から、「オペラはどんどん先へ進んでいくもので、
こんなにたっぷり歌うものではない」とワグネルの『タンホイザー』
の時に教わったが、そのことをふと思い出した。
もう一つ、ピルグの「先生」、パヴァロッティが歌う「春風よ、なぜ
私をめざめさせるのか」は思い入れたっぷりの歌唱だ(パヴァロッティ
はこのオペラは演じていないという)。
藤村さんは、バイロイトでの活躍が有名だ。シャルロッテは、どんな
ものかしらんと期待して聴いたが、はたして見事なメゾ・ソプラノの
音色ですばらしかった。
第3幕、シャルロッテの手紙の場面。感情を抑えた歌唱がすばらしい。
歌い終わると拍手が沸き起こったが、私は真に拍手するのを忘れ、惹
きつけられた。
アルベールの黒田さんは、さまざまな機会で聴いているが、今や文字
どおり「先生」だ。師事した先生も佐々木成子、中山悌一、原田茂生
等々。悪かろうハズがない。
幸田さんも黒田さんと同じ世代。やはり今や「先生」(准教授)だ。
いつ聴いても安定している。
表舞台の合唱の多摩ファミリーシンガーズも熱演、まことにほほえま
しかった(せっかくだからプログラムに団の紹介があってもよかった
かも)。
余談(??)だが、ジョアンの駒田さんは、平成26(2014)年第83
回日本音楽コンクール第1位。これからが楽しみだ。
指揮のP.ダニエルは指揮棒を持たない指揮ぶり。テンポがおさまり、
いい演奏だった。
東響は、3/19、21、24、26が『ウェルテル』。その間に、23、25が
ウルバンスキ指揮の定期。木管等のメンバーは重なっていない。--
ティンパニの清水さんは両方に出演していたが。
12:29 あざみ野
12:54
12:58 井の頭線急行に
13:09 明大前
13:12 笹塚
13:18 初台
13:20
13:21
13:22
13:23
13:24
13:26 プログラムは1,100円
13:33
13:41
13:42
13:43 2階左サイドの席
13:43 2階L8列へ
13:44
14:46
14:48 ブランはモンブランのブラン
14:50
15:05 和服姿の外国人
15:45
15:54
15:52
16:03
17:12 3時間ほどでお開き
17:14
17:21
17:30
17:44
18:10
最新の画像[もっと見る]
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
- 12/8 東響第98回川崎定期 J.ノット 14時間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます