「昭和史」が細かい部分で「進化」している。新しい「事実」が発見
されるし、「問題意識」も多少変化するからかもしれない。
筒井清忠編『昭和史講義』3冊は、「最新の研究」を新書にまとめた
もので、まことに興味深い。
「最新研究」によって「定説」がくつがえることがある。
筒井先生によれば、石原莞爾は早くから(二・二六事件の)反乱軍鎮
圧に乗り出した」という説は今や過去の物だという(石原は終始反乱
軍に同情的だった)。
筒井先生は、「お手軽な昭和史本の氾濫」に警鐘を鳴らしている。
本書によって、昭和史の本格的な研究にいささか近づくことができる
と言えるかしらん。
とくに興味深かったものは・・・・・・
『昭和史講義』(H27[2015]刊)
○二・二六事件と昭和超国家主義運動(筒井清忠)
『昭和史講義2』(H28[2016]刊)
○日中戦争における和平工作--中国側から見た(岩谷將)
○原爆投下とソ連参戦(石井修)
『昭和史講義3』(H29[2017]刊)
○広田弘毅(渡邉公太)
○近衛文麿(庄司潤一郎)
この他に『軍人篇』(H30[2018]刊)、『戦前文化人篇』(R1[2019]
刊)が発売されている。
買うかどうかは別として、一度、有隣堂で手に取ってみよう。
筒井清忠編『昭和史講義』の3冊
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