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3/12 コバケンが振る稲門グリークラブ演奏会 vol.2(長文ご容赦)

2023-03-17 05:00:00 | 音楽

3月12日(日)、「コバケンが振る稲門グリークラブ演奏会 vol.2
~早稲田大学グリークラブOB会 創立70周年記念」という長い
名前の演奏会を聴いた(於サントリーホール)。


昨令和4(2022)年、早稲田大学グリークラブOB会は創立70周年
を迎えた。10年ぶりに当演奏会の開催を迎え、まことにご同慶の
至りだ。

開演前に、Y村さん、T橋さんとバッタリ、談笑する。


「創立70周年」ということもあり、聴衆の多くは早稲田関係者だ

が、中にはワグネルOBも散見された。会場にも自然に高揚感が
あふれている。

プログラムp12~13には「コバケンとワセグリ」の歴史が綴られ
ていた。


p19のオンステメンバーはのべ136人。ざっと見たところ、平均
卒年は昭和56~57年くらいかしらん(最高齢は昭和27年卒)。

客席は、2階のP席には入れず、LA、LB席もわずかの使用。それ
以外はほぼ満席だ。家族連れも目立つ。


ちなみに今回のステージ入場は、整列入場ではなく、やや三々五
々の左右から「所定の位置」へ(退場もその逆)。


<プログラム>
1.「月光とピエロ」(作詩:堀口大學、作曲:清水脩)
2.「さすらう若人の歌」(作詩、作曲:G.マーラー、編曲:福
永陽一郎)

--休憩--
3.「水のいのち」(作詩:高野喜久雄、作曲:髙田三郎)
指揮:小林研一郎

ピアノ:大室晃子


いずれも有名曲で、かつ個人的には、3曲とも現役時代に徹底的
に練習し、歌ったことがあり、卒業後もまた演奏会で歌ったこ
とがある。今でもまずまず暗譜で歌えるだろう。

それだけに、そういう曲を聴くときは感想が辛くなりがちで注意しなければい
けない(笑)。

もっとも合唱が好きな人は、自分のステージの「率直な」意見を聴くのが好き
な場合もあるのだが。

合唱演奏会に対する「コメント」は、発声、アンサンブル、音楽
性(指揮者のテンポ感や解釈、語感、音色など)という観点が中
心になるのかしら
ん。

それぞれのステージに一人ずつ練習指揮者(演奏後、先生より紹
介あり。)がいたが、演奏は練習
指揮者とコバケン先生との「合
作」だ(むろん最終仕上げは先生
だが)。

いずれにしても、現役時代と違い、OBとして二つや三つ、暗譜
でオ
ンステするのもさることながら(立っているだけでも大変な
もの。
よく覚えられる。)、お一人で合唱を3ステージ振られる
コバケ
ン先生もすごい。


というわけで、以下まことにつたないコメントにご容赦のほど。

1.「月光とピエロ」(作詩:堀口大學、作曲:清水脩)
ステージ上はざっと23~25人×4列+P席Bass3人。全員が暗譜(各

ステージとも)。
コバケン先生は小走りに登場(若々しい!)。マスク姿で登場し
た団員は、先生の指示で一斉にマスクをはずす。先生は指揮棒な
しの指揮ぶり(全ステージとも)。
音採りは、下手側に置かれたピアノで、大きめに最初の和音を弾
く。
総じて、まことにロマン的な演奏だった。

(1)月夜
テンポが速い(清水脩盤のTimingを「参考までに」記す)。「声」
は十分でまとまっており、すべて力で押すところもない。


ただ、サントリーホールの合唱は、どのステージとも、どちらか
というとややボワーっと聴こえる。合唱はもう少し「分離」する
響き方がいいが、これはサントリーホールの特性だ(オンステし
ている人にとって、歌いやすさ、歌いにくさはどうなのかしらん)。
(概算演奏時間:2′50″[3′21″])


(2)秋のピエロ
「間」のある演奏というか、休符が長い。Topの最高音のfがま
ことにすばらしい。
(同:2′50″[3′05″])


(3)ピエロ
ここでもまことに快足な熱い演奏だ。途中、ザッツがわずかに乱
れた(LIVEに小さなミスは付き物だが)。
(同:2′10″[2′41″])


(4)ピエロの嘆き
ゆっくりした三拍子。前半で曲に「酔い」過ぎたか?音を伸ばし
た後に何人もが一拍早く入り(振り間違い?)、ウッとなったが、
すぐに元へ戻った(ぐちゃぐちゃになるかと心配したが)。
(同:3′00″[3′15″])


(5)月光とピエロとピエレットの唐草模様
コバケン先生らしく、大きなテンポ変化がある演奏で、大変おも
しろかった。
ここでもTopの最高音はフォームよろしく、声のまとまりも申し分
なかった。
(同:1′55″[1′58″])

[ ]内は清水脩/東混・二期会(男声)盤


2.「さすらう若人の歌」(作詩、作曲:G.マーラー、編曲:福
永陽一郎)
人数規模は前ステージ同様。演奏前に、10分ほどコバケン先生よ

り曲の解説というか、プレトークがあった。--曲の「出だし」
など少しく演奏しながら。
ちなみにピアノ伴奏大室さんのご主人
はオンステしているOBだ
とか。

福永陽一郎編曲をやや改編した演奏。

ドイツ語はほとんどよかったが、ややカタカナ的で、細部(「o」
の長母音、「au」の発音など)は「いま一歩」だったか
しらん
(気づきベースで例を挙げれば、以下の箇所になる)。


(1)彼女の婚礼の日には
短い前奏のテンポが速い(解釈、趣味の世界だが)。「traurigen
Tag!」(悲しい日)の「traurigen」をfとするところはいかにも
!(個人的にはむしろそこを抑えた演奏が「好み」なのだが)。
Topは発声もまとまり、五線から上もすばらしい。

ごくごく細部をあえて言えば(以下同様)、
出だし「Wenn mein Schatz Hochzeit macht」の「w」はすばらし
いが、「sch」の発音が「いま一つ」で、「Hochzeit」の「o」が
短すぎる。(1)では、その他、語尾の子音が不揃いの箇所がある。
音楽の「造型」にはさほど影響ないが。
(概算演奏時間:3′52″[4′16″])


(2)朝の野原を歩けば
総じてテンポの速い演奏(参考までにフルトヴェングラー盤の
Timingを記す)。
「Nein! Nein!」に大きな「思い入れ」がこもる。すべて外声がす
ばらしい。
(同:3′43″[4′49″])


(3)燃えるような短剣を持って
Topの五線の上を筆頭にf(ff)がすばらしい(ffの全奏で
はピアノが負けているほど)。
「Nicht bei Tag, nicht bei Nacht, wenn ich schlief」は、早口言葉
が聴こえにくい(どの団体が歌ってもその傾きはあるのだが。
そもそも一人ひとりが喋れているかという問題はある?)。
(同:3′05″[3′30″])

(4)彼女の青い眼が
legato唱法が人数に支えられ、音楽的だ。最後のフェルマータは
大変長かった。
歌詩の2行目、「die haben mich in die ・・・」の「mich」の母音が
(明らかに)短すぎる。ここでも語尾の「s」がやや不揃いだった。
(同:5′15″[5′44″])

[ ]内はフルトヴェングラー/F=ディースカウ盤


3.「水のいのち」(作詩:高野喜久雄、作曲:髙田三郎)
この曲は合唱をする人であれば、一度は歌ったことがあるほど、

全国的に流行(今もしている?)。ドヴォルザークの「新世界」
のように聴きなれたもので、それだけに演奏は難しい?
人数は23~25人×4列+P席8人。

(1)雨
前奏から速いテンポにビックリ!--「前奏曲」としての位置づ
けが高まる(前軽後重型?)。デュナーミクは大きく、遅いとこ
ろはより遅い。
(概算演奏時間:2′30″[3′08″])

(2)水たまり
ここでもコバケン先生流の大きなデュナーミクとアゴーギク。
「間」のある演奏だ。
(同:3′50″[3′27″])

(3)川
「なぜっ」は大いに強調。クレッシェンドから長く伸ばす箇所で
は、コバケン先生が左手を上げ、ほとんど客席を向く。
(同:3′45″[3′37″])

(4)海
ここでも「たけりくるうことも」(ff)はまことに遅めで、激
しい表現。
(同:3′35″[3′12″])

(5)海よ
はたしてゆっくりとしたスケールの大きな演奏。「空の高みへの
 始まりなのだ」の後の休符が長い。coda最後の「おお~」は
Topが満を持して、立派な声を長めに出した。
歌舞伎のように、大きな「見得」のある演奏だった。
(同:7分02″[6′14″])
[ ]内は髙田三郎/神戸中央盤

演奏後、コバケン先生が挨拶。
「大きな大きなお力をいただきまして有難うございます。練習に
もひたむきな姿勢に感動でした。・・・・・・」

その後、OB会長柿沼さんのトーク&挨拶。P席も活用し、25人
ほどオンステが増える。
「校歌」
1、2番斉唱(2番は初めて聴いた)。3番合唱。すばらしい!
「遥かな友に」
Topソロは若々しい、やや明るめの声。(ちょっと歌いグセがあ
ったかな[笑])。
最後は徐々に暗転していった。

お開き後は、「よかったわね~」と、退場するOBにいつまでも
温かい拍手が続いていた。



プログラム(表紙)


12:48


12:58 一服


13:23 お客様が続々と


13:24


13:29


13:32


13:35


13:40


14:56


14:58 休憩時間、Y住さんと談笑す。S口夫人にご挨拶。


15:55 お開き


15:56


15:59 出待ちの人々?

溜池山王の手前で、聴きに来ておられたN添さんとバッタリ。同
じ電車で帰る。


16:10


17:07 あざみ野に戻る。


17:09


17:21


17:25


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2 コメント

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コバケン先生 (sho)
2023-03-20 19:01:36
素晴らしい演奏会だったようですね。我々の現役時代の指揮者がまだご健在ということは喜ばしい限りです。その3曲はグランフォニックでも指揮をしていただきました。マーラーと「水のいのち」は先生自らピアノを弾かれて指導されました。生涯の思い出となったシーンです。ありがとうございました。
返信する
Unknown (katsura1125)
2023-03-20 20:33:43
shoさま、久々のコメント有難うございました。
六連や四連の合同演奏を振っていただいたことも懐かしいですね~。コバケン先生の本は2冊とも持っています(自慢することでもないけど)。
返信する

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