昨年暮れに出版されたいとうみくさまの中学年もの。
子どもの自分に戻れた気がした。
四年生の睦月には、コマリとガッコという親友がいる。
何をするにも一緒で、同じ物を持ったりしていたのに。
移動教室の班決めで、睦月だけ除けられてしまった。
ふたりとも話してもくれない。
どうして?
欠席した睦月のプリントを持って来たコマリに電話して聞いた。
なのに。
「言わなきゃわからないの?」
「自分で考えなよ」
コマリにもガッコにも、いやなことした覚えなんてないのに……。
パパが単身赴任していて、仕事ばかりのママ。
犬がいいっていったのに、代わりに飼うことになった亀のケンゾー。
気づかずに言った言葉がコマリとガッコを傷つけていたことがわかり「おわった」とつぶやく睦月。
その言葉を苔オタクの石丸さんが聞きつけ、
「あたし、まちがっちゃったみたい」と言うと、
大人の苔友がたくさんいる石丸さんが、睦月の目を見て話し出す。
「おばあちゃんがね、子どもはいっぱい失敗して、いっぱいまちがっていいって。それははずかしいことじゃなく、子どもの特権なんだって」
さらにそれを聞きつけた帰国子女の白江さんが、
「マチガイ、イイ、ホントウニ?」と。
あらすじだけじゃ、いとうみくさまの良さがわからないのがもどかしい。
読み出すと、すっと主人公の気持ちになってしまい、昔の自分、今の自分に思いを馳せてしまう。
いとうみくさまの文章は、とってもやさしいのに、おそろしく切れがいい。
それは大人ものでも、幼年ものでもいっしょ。
と、またまたみくさまの文章を音読し、なぞって入力し研究するけれど、また次の作品では知らないみくさまがいるという。
なんていう作家さんなんでしょ。
いとうみくさま、さらなる高みを目ざしてくださいますよう!
昨日はみくさまの本のおかげでいっぱい書けた。
本の力ってすごいな。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)