「ハエミダノハマ」と読めて、その場所をピンとひらめくヒトは、西表島通。
沖縄では、地域によりやや異なるが、南のことを「ハエ・パイ・フェー」、北のことを「ニシ」、東のことを「アガリ」、西のこと
を「イリ」と呼ぶ。
だから、西表は「イリオモテ」で南風は「パイカジ」などと呼ぶ。
なので、南風見田は「パイカジミダ」となるのだろうが、つまって「ハエミダ」となったのかしら。よく分らん。
島の人にとって南風は、漁に出る合図か。海が穏やかになる吉報だったのだろう。
西表島に渡る高速船も、北風が強く吹くと海が荒れて西部の上原行きはよく欠航となる。
島民は、南の浜に出て、風を正面から受けると「あっ南風だ、今日は漁に出れるぞ!」と喜んだことだろう。
そんな縁起のいい南風見田の浜に一晩キャンプしてきた。
この年末から年明けにかけて、朝方に現れる「南十字座」撮影の予行演習を兼ねている。
南の海に、波照間島の遠い明かりが見えるだけで人工照明がほとんどないので、絶好の撮影スポットである。
その波照間島の南海岸は、もっと暗いのだろうが、何せ冬場は欠航が多くリスクが高い。だから、オイラハは、この浜
が、八重山でのベストスポットと考えてきたが、これまで実践をしてこなかった。
八重山生活最後の季節となる今シーズン、この浜には何度か御世話になるのだろう。
浜にキャンプした前夜は、お月様と火星が雲に隠されて行き、何度も目覚めた夜中は、空を見上げるたびに星が見え
ないので、あきらめて酒飲んで寝込んでしまった。
ところが、朝5時半過ぎに目覚めると、星が輝いていたので、あわてて浜に駆け込んで20分程度は撮影できたたが
まもなく、明るくなった。その日太陽は拝めず、曇りから大雨へと推移したのでこの20分は幸いであった。
ほんのひと時、神様と観音様がプレゼントしてくれたのだろう。
きっと、あと1か月と少し先、最後の「南十字座」、輝いてくれることだろう。信じたい。
南風見田の山の上に輝く、オリオン、カペラのいて座、アルデバラン・すばるのおうし座など
水平線に波照間島の明かりとシリウスのおおいぬ座、オリオンが輝く浜
夜明け前の東空に、大きく輝く金星とおとめ座のスピカがデュエット、スピカの恋人アルクトールスも