大峰山の奥駆では、二蔵宿小屋と狼平小屋という無人小屋のお世話になったが、二蔵はひとりだった。
無人小屋の扉を開ける時、
誰もいないので、ほっとする人と、怖い人と、タイプが別れると思うが、オイラは、通常、前者のエゴイストなのであるが、さすがに、二蔵は、なんだか怖かった。
桧などの植林地帯にあり、暗かったこと、周りに不動明王の像や祠があって仏さまたちに監視されてある気配があったこと、やたら窓ガラスが大きく、外から覗かれるという邪智が働いたこと。
などなど、が絡んで、当初はびびったが、慣れてくると次第に恐怖心が鎮まり、ここは、修験
の人々の体を休めるありがたい宿なので、オイラは泊めていただく旅人にすぎない、ありがたや。と、安堵し、眠りについた。
小屋には、内鍵があり施錠できるのであるが、当初は怖いから掛けようという誘惑もあったが、旅人に開かれた万人の門戸、決して閉ざしてはならん、と言い聞かせた。
アルコールの世話にならずとも、達観して眠られる、そういう世代になりつつある。
年金登山家にとって、今後どれくらいの無人小屋のお世話になるのだろう!
南無神変大菩薩‼️(役行者さま)