木曜日、前日泉ヶ岳の初冠雪の報道があったので、麓の紅葉とのコラボ目当てに早朝の地下鉄に乗った。
仙台市地下鉄泉中央駅からバスに乗り換え、日本300名山に選定されている仙台市民の山・泉ヶ岳(1171.9m)の登山口にたどり着くのは午前8時10分頃。
50代までの元気なころは、ここから泉ヶ岳にまず登って、お隣の北泉ヶ岳(1253m)を経て、鬱蒼としたブナの森の長倉尾根のその名のとおり長い尾根道をたどって森林限界を超えた三峰山(1417.5m)に出て、展望の尾根筋をルンルン気分で目標の後白髭山(1422.4m)に午後1時ころまでには到着し、再び深いブナの森を下って、午後4時前には、定義如来の定義山に到着し、五重塔、本堂、如来を参拝し、缶ビール・ワンカップを購入してから「お目当て」の三角油揚屋さんに入り、揚げたての三角油揚げ2枚を外のテーブルでいただいたあと、大倉川に架かる定義橋から後白髭と五重塔の絶景を写真に収めてから、午後4時半前のバスで仙台市内に帰るのを、「お気に入り8時間労働の山歩きコース」としていた。
「ブナの森」、「母ちゃんの山・後白髭」、「定義山参拝」、「ビール・日本酒でいただくアブラゲ2枚」というお気に入りが8時間労働で適うのであるから、50代前半までの仙台在住時は、初夏と秋の年2回程度は歩く恒例行事としていた。標準コースタイム12時間のところを8時間程度で歩けたんだ、そのころは。
すこし体力の落ちてきた50代後半からは、泉ヶ岳の麓から「ふるさと緑の道」という県か市が管理する「立派な」自然歩道が定義山に通じていることを知って、泉ヶ岳・北泉ヶ岳を登った後、この自然歩道をたどって定義山に向かい、「参拝、ビール・ワンカップ・アブラゲ、後白髭展望」で締めて帰る方が多くなってきた。ゆっくり気味の歩きで約8時間。余裕をもって4時台のバスに乗って帰った。
そして、60代後半に属する身となってしまい、体力も相当に落ち込んできたのだから、この木曜日は、北泉ヶ岳までの往復を省略し、朝8時から泉ヶ岳に登り、「ふるさと緑の道」をへて定義山までのコースを選択した。それでも、定義山にたどり着いたのは、午後4時10分前。橋からの後白髭展望、ビール・ワンカップ・アブラゲ(今回は1枚・ワンカップはバスでこっそり)」というお目当ては急ぎ足で果たせたものの、如来さまと五重塔のご参拝は省略せざるを得ないという不届き行動で、4時18分のバスに乗った。この日も、約8時間労働であった。
10年ほど前には、「立派な」自然歩道で泉ヶ岳トレランのコースの一部にもなっていてよく整備されていた「ふるさと緑の道」だったのだが、その廃れように隔世の感がある。昨年の台風によるものか、山道の一部崩壊、倒木、あずまや、標識の倒壊に加え、管理者が予算を付けないのか、刈り払いも含めたその後の整備がなおざり状態になっていて、このままだと、あと5年で廃道状態になるのではないかと危惧する。ちょと大げさだが、無常観がただよっている。
そんなこともあって、オイラの泉ヶ岳スタートの定義山参り?の8時間労働コースは、そろそろ終焉のとき迎えようとしてしているみたいだ。せめて、来年ぐらいまでは同じコースを歩いてみよう。青葉と紅葉の頃に。
初冠雪の泉ヶ岳と北泉ヶ岳分岐の三叉路。以前は北も往復していたんだが、水神へ下る。
水神からの緩やかなくだりも秋色
泉ヶ岳山麓が秋たけなわ
ふるさと緑の道入り口の標識は、倒れて草にかくれていた。
唯一立派な標識がイタヤカエデの下にたっていた。倒れないでね。
崩壊したあずまや残骸。もう建ててくれないだろうな。
定義山の橋から望む後白髭山と五重塔
この風景が大好きなので・・