かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

浄土の光・兵どもが夢の跡~2020平泉ぶらり途中下車の旅

2020-11-13 19:34:49 | 日記

南昌山の帰り、平泉で下車し、荷物をコインロッカーにに預け、もう人生で5,6回とはなるが定番のぶらり散策コース、駅~無量光院跡~高館義経堂~中尊寺~毛越寺~駅をD750君をお供に歩いた。前は、中尊寺と毛越寺の間に平泉温泉悠久の湯も立ち寄ったが、今回はカットし、代わりに蕎麦屋で美味しいそばをいただいて午後の駅に戻った。

 

      

真っ盛りの紅葉を楽しもうと中尊寺には大勢の参拝客、修学旅行生が歩いていた。駐車場には大型貸し切りバスがひしめいていた。

オイラを含め、どうして日本人は、こうも踊らされ上手なんだろうと、みなやることが一緒の民族だと思いつつ歩いた。あの、緊急事態宣言発出時より悪い兆候が出始めているというのに、政府のGOTOなにがしかに「先導」され、欲がたかって、短くも長い自粛期間に我慢という言葉を忘れ、観光地、飲食店、土産物店に、多くが出歩いているのである。東北の田舎の中尊寺界隈であれかくのごとしであるのだから、日本全国津々浦、おってしるべし(推して知るべし)。

 

 

       

結果は然り。全国津々浦々、感染者は日々増え続けている。このあとの、おそらく年内の緊急事態宣言発出まで、オイラと同じように、(皆、内心わかってはいるが)、うたかたのサチをかみしめているのだろう。

仏教伝来以来、寺院は、不幸で不条理な死を遂げたものを寺に祀り、はかなくも今日を生きる者たちへの救済を行おうと、浄土(あの世)や山川草木悉皆仏(さとり)の教えを諸仏により授けてきた。多くの人の死は、いくさや飢餓や感染症なのだろう。

まさに秋の絢爛は浄土世界そのものなのであろう。大和をはじめとする古寺の古色蒼然とした色彩美は、中世以来の日本美、いわばワビサビの象徴のようにも受け取られているが、あにはからんや、奈良・平安の仏教世界はこの秋の紅葉のように豪華絢爛の極彩色、ワレワレがやがて行く浄土とはかくあるべき世界。

だから、ながいこと秋の紅葉にワレワレはワレを忘れて、やがて訪れようとしているあの世の極彩色の世界見たさに我慢しきれず出かけるのではないだろうか。

 

 

     

  無量光院跡の池に初冬の大日が輝く。夏草が枯草となり、やがて白色の世界へと移り行くであろう。

 

     

豪華絢爛の色彩世界がモノトーンに移り行く季節。陽の輝きだけは永遠に続くようだ。

 

 

 

    

かつて浄土世界を模して構築した寺院の基礎になった石や庭園のモニュメントの岩が、いまは草に埋もれて土に還ろうとしている。夢、幻だったのだ。信じていたものが。・・・ヒトの生死と季節の循環だけが真実なのに。

 

 

    

 あの世の美ではなく。この世の美をいとおしいと感じよう。2020年の浄土世界もやがて色を失いつつある。

 

 

 

平泉の十数枚をスライドショーにしてみた

 

 

ウラッハのクラリネットでモーツァルトを聴きながら行く秋をしのぼう(今宵miura hiroさんのyoutubeで)

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