日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

橋下知事の方針に賛成

2008年05月25日 | インポート
大阪府職員の給与削減案が提示された。

最終的には大阪府議会で承認されなければ成立しないが、各自治体が抱えている財政再建策の象徴的な提案であり、高く評価できる。

政治家や官僚は「痛みを分け合ってもらわなければならない」と、庶民の負担が増える案件に対する理解を得るための説得文言として常用する。

ところが、自分たちが保有している権益(既得権益)に関しては、痛みを分け合うような方針を決して示さない。

官僚の天下りや公務員・政治家の給料に関しては論じることをしない。

要するに自分たちが得ている物は「特別枠」であり、痛みを分け合うべき範疇外との認識なのだろう。

今回の橋下大阪府知事が提示した方針は、従来からのそのようなぬるま湯の中に浸かっているような発想を根本から払拭する、私たち庶民から見れば当たり前のことを言っているのだが、今までにそのような事を表明した首長がいなかっただけに画期的なことの様に感じてしまう。

民間企業であれば、その企業の財政状況が悪化すれば、まず諸経費の節約を行なうだろう。

水道光熱費の節約であり、各自治体役所の中でもこの事は実践しているようだ。

次に、人件費の削減となるのだが、役所職員の場合にはこの事は暗黙の了解事項の如く、議論すらしないようにしているのが実態だろう。

せいぜいが、合併後の職員数の削減案ぐらいだろう。
数を減らすのではなく、一人当りの給料を減額することに言及する事をしない。

就職先の少ない地方にとっては、市役所職員という職業は貴重な就職先の一つである。

一人当りの給料の減額と昇給率の抑制によって、職員の総数を減らさなくとも、市役所職員の人件費の削減は可能なはずだ。

合併に乗じて、地方の人にとっては貴重な就職口を減らすという愚かな選択を自らしてしまっている。


財政再建団体となって国の管理下におかれている北海道の夕張市職員の給料は、30パーセント減額されたそうだが、それでもその地域での給料としては優遇されている部類にはいる方ではなかろうか。

もしも、30パーセント削減された給料で、その地域において生活が出来ないのであれば、夕張市職員のほとんどが退職してしまっているはずであろう。

そうでないのはなぜか。

退職して、次の就職先を見つけるにしても、地方の産業構造の中では、給料、年齢、資格、実務経験、保有技術などから、役所の中途退職者に対する一般民間企業の就職門戸は限りなく狭いはずだ。

退職しないで、市役所職員として在職している事が、賢明な選択だと思う。
地方では数少ない安定した職場の一つであるのだから。

役所の職員の方々に、インターネットでハローワークの求人情報を是非とも一度閲覧して頂きたい。(ここをクリックすると閲覧できます)

果たして、今ご自身が得ているような給料での求人があるのかどうかを確かめて頂きたい。
ご自身の給料が、いかに恵まれているものかを実感できると思う。


夕張市の高給を貰っていた部長級職員は、財政再建団体となった直後に全員退職してしまったそうだが、それまで貰っていた額の給料で雇い入れてくれるような民間企業はほとんど無いだろう。


大阪府議会議員の大半や大阪府の職員組合は、橋下知事の大阪府職員給料削減案に徹底的に反対するだろう。

職員の生活がある、給料を減らされたのでは生活が成り立たないなどという意見が噴出することだろう。

また、職員給料を削減すれば次は府議会議員の報酬の削減まで波及する事を視野に入れて、府議会議員の大半は反対論者になるはずだ。


しかし、私たち一般の庶民の大方は、公務員や政治家の報酬が高すぎるのではないかと考えている。


住民の代表であるあるはずの政治家や公僕と言われる公務員は、そのような考えを真しに受けとめ、自分たちの報酬の削減案に耳を傾けるべきだろう。


「痛みを分け合う」という事を具体化できなければ、国家的規模の財政再建は望めないどころか、「国賊」という言葉が、自らの既得権益を手放そうとしない公の人たちの事では無かろうかとも思えてしまう。


橋下知事の大阪府職員給料削減案に全面的に賛成であり、全国の自治体でも同様の事が行われる事を望む。


豊田かずき