日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

ゆすら梅の季節

2008年05月28日 | インポート
庭の端のゆすら梅(桜桃)の実が、真っ赤に熟している。(ここをクリックするとゆすら梅の詳細が分かります)直径が1cmほどの熟した実を口に含むと甘酸っぱい。

周りの田んぼのあちこちで作られていたじゃが掘りもほとんど終わり、田植え前ののどかな静寂が辺りの農地に広がっている。

しかし、この事務所の周りの見慣れた風景も数年のうちに変えられてしまう。

自動車専用道路の建設によって、のどかな広がりが分断されてしまうことになっている。

従来からの地元民にとっては生活道路である2本の市道を分断して、造られようとしている。

児童・生徒の通学路としての道路でもあるのに。

従来からの道路の機能を無くしてまで造る必要もあるまいにと思ってしまう。

諫早までのわずかばかりの所要時間の短縮が、地元にもたらすメリットはほとんど無かろうにとも思う。

聞く所によれば、一反当り500万円程度の土地買収額が提示されているようだが、国道より東側の農地は宅地化も容易であり、現に周辺では徐々に宅地が増えている。

宅地となれば一反あたり1000万円を下ることは無いはずの土地なのだが、その半値程度の提示額だと私は思う。

諫早地区の道路用地買収のために多くの金額をつぎ込んだために、そのしわ寄せで低い買収額に抑えられているのではなかろうかと思ってしまう。

諫早市の小野地区の国道脇の宅地は、1坪当り20万円程度での買収額だったと聞いている。
一反の額にすれば6000万円になる。

それからすれば、愛野地区の地権者はずいぶん安くみられたものだなと思う。

現道の拡幅・改修であれば必要だとは思うが、この地域には国道もあり、広域農道もあるので新設道路の必要性は低い。

道路としての機能よりも、工事を欲しがっている業者や、その力を誇示しようとする政治家のために計画された道路のような気がする。

雲仙岳が中央にある島原半島という地理的な条件は、道路建設においても、その地形のために島原市側と愛野地区を直線的に繋ぐ事は不可能である。

そのために島原半島を周回するような路線形状の広域農道が建設されて、有効活用がされている現状であり、新たな道路は必要ないと私は思う。

はっきり言って、税金の無駄使いだろう。


ゆすら梅の実を口に含み、自動車専用道路の計画区域を眺めながら思った。


豊田かずき