オバマさんが民主党の大統領候補に決まったようです。ぼくは米国のことは何も知らないのですが、何となくよかったなーと感じています。60年代の公民権運動から40年余、アフリカ系の人が初めて大統領になるかも知れないのです。「読売」の記事を紹介します。
異彩を放つ経歴のオバマ氏、最大の弱みは経験不足
「父さんは黒人で、母さんは白人。半分インドネシア人の妹もいる。世界中の人を集めたような家族なんだ」。オバマ氏は、選挙集会で自分の出自をこんな風に紹介すると、決まって次のように続けた。「だから、肌の色や先入観で人を判断することは、決してない」
全員が白人の歴代42人の大統領と比べ、際だって異彩を放つ経歴のオバマ氏が大統領になれば、米政府が世界と自国民に向き合う姿勢は大きく変わることになりそうだ。
「白や黒、褐色のアメリカなどない。あるのは、ひとつになったアメリカ合衆国だけ」。人種や党派を超えた融和を唱え、「分断」が代名詞となったブッシュ政治からの決別を主張する。米政治権力の基盤であるロビー団体と企業献金に背を向け、「ワシントン政治の変革」を訴える。
コロンビア大学とハーバード大法科大学院で学んだ。イリノイ州上院議員から連邦上院議員に転身し、1期目途中で大統領に挑戦するチャンスをつかんだ。貧困も経験し、20代の時にはシカゴの黒人街で社会活動に汗を流した。変化に富んだ経歴が、高学歴の白人と、黒人層の両方から支持を受ける理由だ。
演説の名手だが、討論にはまだ不慣れでヒラリー・クリントン上院議員にやり込められる場面もあった。政治経験不足は、最大の弱みとなりそうだ。
11月の本選挙まで5か月。ベトナム戦争の英雄である共和党候補のジョン・マケイン上院議員との対決では、政治信条を政策として肉付けし、米大統領としての信任を国民から勝ち取れるかが課題となる。(セントポール、貞広貴志)
(2008年6月4日14時31分 読売新聞)
この記者が書いているようにオバマ大統領が誕生すれば「米政府の世界と自国民と向き合う姿勢」が大きく変わるかどうかは解りませんが、そうあってほしいと心のどこかで応援しています。
オバマさんは父がケニヤからやってきた人で「奴隷の子孫」ではありませんが、どうしてもキング牧師の言葉を思い出します。声に出して読んでみたいと思います。
Rev. Martin Luther King, Jr. 1929-1968
「私には夢がある」I Have a Dream
1963年8月28日にワシントンDCのリンカーン記念公園で行われた
「ワシントン大行進」でのスピーチ
私は同胞達に伝えたい。今日の、そして明日の困難に直面してはいても、私にはなお夢がある。それはアメリカン・ドリームに深く根ざした夢なのだ。つまり将来、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等である」というこの国の信条を真実にする日が来るという夢なのだ。私には夢がある。ジョージアの赤色の丘の上で、かつての奴隷の子孫とかつての奴隷を所有した者の子孫が同胞として同じテーブルにつく日が来るという夢が。
私には夢がある。今、差別と抑圧の熱がうずまくミシシッピー州でさえ、自由と正義のオアシスに生まれ変わり得る日が来るという夢が。私には夢がある。私の四人の小さい子ども達が、肌の色ではなく内なる人格で評価される国に住める日がいつか来るという夢が。
私には今夢がある!
人種差別主義者や州知事が連邦政府の干渉排除主義を唱え、連邦法の実施を拒否しているアラバマ州にさえ、将来いつか、幼い黒人の子ども達が幼い白人の子ども達と手に手を取って兄弟姉妹となり得る日が来る夢が。
私には今夢がある!
いつの日にかすべての谷は隆起し、丘や山は低地となる。荒地は平らになり、歪んだ地もまっすぐになる日が来ると。「そして神の栄光が現れ、すべての人々が共にその栄光を見るだろう。」
これが私達の希望なのだ。この信仰をもって私は南部へ戻って行く。この信仰をもってこそ絶望の山からも希望の石を切り出すことが出来るのだ。この信仰をもってこそ私達は祖国にうずまく不協和音を人類愛のすばらしい交響曲に昇華することが出来るのだ。この信仰をもってこそ、自由がいつか来るのだということを信じながら、私達は共に働き、共に祈り、共に苦しみ、共に投獄され、共に自由のために立ちあがることが出来るのだ。そしてその日が来れば、その日が来れば神の民はみなおしなべて、新しい意味をこめて歌えるのだ。「我が祖国よ、美しい自由の国をたたえ私は歌う。父が骨を埋めた国、開拓者の誇りとする国。すべての山々から、自由よ鳴り響け」と。真にアメリカが偉大な国となるためには、これが実現しなければならない。
ニューハンプシャーの山々の偉大ないただきから自由の鐘を鳴らそう。ニューヨークの悠々しき山々からも、ペンシルヴァニアにそそり立つアレゲニーの山からも、自由の鐘を鳴らそう。雪を頂くコロラドのロッキー山脈からも、カリフォルニアのなだらかな山々からも、自由を鳴り響かせるのだ。それだけではない。ジョージアのストーンマウンテンからも、テネシーのルックアウトマウンテンからも、ミシシッピーのすべての丘やほんの小さな塚からも、「すべての山々から、自由の鐘を鳴らす」のだ。
そうすれば、私達が自由を鳴り響かせば、すべての村、すべての集落から、すべての州、すべての町から、自由の鐘を鳴らせば、すべての神の民が、黒人も白人も、ユダヤ人も、非ユダヤ人も、プロテスタントもカトリックも、すべての人々が手に手を取ってあの古い黒人霊歌を共に歌える日がより早くやって来るのだ。「やっと、やっと自由になれた。全能の神に感謝しよう。やっと自由になれたことを」と歌える日が。
出典 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Kaede/2431/mlk.html
キング牧師の肉声を聞きながら全文を読むには
http://longtailworld.blogspot.com/2006/02/i-have-dream-speech.html
異彩を放つ経歴のオバマ氏、最大の弱みは経験不足
「父さんは黒人で、母さんは白人。半分インドネシア人の妹もいる。世界中の人を集めたような家族なんだ」。オバマ氏は、選挙集会で自分の出自をこんな風に紹介すると、決まって次のように続けた。「だから、肌の色や先入観で人を判断することは、決してない」
全員が白人の歴代42人の大統領と比べ、際だって異彩を放つ経歴のオバマ氏が大統領になれば、米政府が世界と自国民に向き合う姿勢は大きく変わることになりそうだ。
「白や黒、褐色のアメリカなどない。あるのは、ひとつになったアメリカ合衆国だけ」。人種や党派を超えた融和を唱え、「分断」が代名詞となったブッシュ政治からの決別を主張する。米政治権力の基盤であるロビー団体と企業献金に背を向け、「ワシントン政治の変革」を訴える。
コロンビア大学とハーバード大法科大学院で学んだ。イリノイ州上院議員から連邦上院議員に転身し、1期目途中で大統領に挑戦するチャンスをつかんだ。貧困も経験し、20代の時にはシカゴの黒人街で社会活動に汗を流した。変化に富んだ経歴が、高学歴の白人と、黒人層の両方から支持を受ける理由だ。
演説の名手だが、討論にはまだ不慣れでヒラリー・クリントン上院議員にやり込められる場面もあった。政治経験不足は、最大の弱みとなりそうだ。
11月の本選挙まで5か月。ベトナム戦争の英雄である共和党候補のジョン・マケイン上院議員との対決では、政治信条を政策として肉付けし、米大統領としての信任を国民から勝ち取れるかが課題となる。(セントポール、貞広貴志)
(2008年6月4日14時31分 読売新聞)
この記者が書いているようにオバマ大統領が誕生すれば「米政府の世界と自国民と向き合う姿勢」が大きく変わるかどうかは解りませんが、そうあってほしいと心のどこかで応援しています。
オバマさんは父がケニヤからやってきた人で「奴隷の子孫」ではありませんが、どうしてもキング牧師の言葉を思い出します。声に出して読んでみたいと思います。
Rev. Martin Luther King, Jr. 1929-1968
「私には夢がある」I Have a Dream
1963年8月28日にワシントンDCのリンカーン記念公園で行われた
「ワシントン大行進」でのスピーチ
私は同胞達に伝えたい。今日の、そして明日の困難に直面してはいても、私にはなお夢がある。それはアメリカン・ドリームに深く根ざした夢なのだ。つまり将来、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等である」というこの国の信条を真実にする日が来るという夢なのだ。私には夢がある。ジョージアの赤色の丘の上で、かつての奴隷の子孫とかつての奴隷を所有した者の子孫が同胞として同じテーブルにつく日が来るという夢が。
私には夢がある。今、差別と抑圧の熱がうずまくミシシッピー州でさえ、自由と正義のオアシスに生まれ変わり得る日が来るという夢が。私には夢がある。私の四人の小さい子ども達が、肌の色ではなく内なる人格で評価される国に住める日がいつか来るという夢が。
私には今夢がある!
人種差別主義者や州知事が連邦政府の干渉排除主義を唱え、連邦法の実施を拒否しているアラバマ州にさえ、将来いつか、幼い黒人の子ども達が幼い白人の子ども達と手に手を取って兄弟姉妹となり得る日が来る夢が。
私には今夢がある!
いつの日にかすべての谷は隆起し、丘や山は低地となる。荒地は平らになり、歪んだ地もまっすぐになる日が来ると。「そして神の栄光が現れ、すべての人々が共にその栄光を見るだろう。」
これが私達の希望なのだ。この信仰をもって私は南部へ戻って行く。この信仰をもってこそ絶望の山からも希望の石を切り出すことが出来るのだ。この信仰をもってこそ私達は祖国にうずまく不協和音を人類愛のすばらしい交響曲に昇華することが出来るのだ。この信仰をもってこそ、自由がいつか来るのだということを信じながら、私達は共に働き、共に祈り、共に苦しみ、共に投獄され、共に自由のために立ちあがることが出来るのだ。そしてその日が来れば、その日が来れば神の民はみなおしなべて、新しい意味をこめて歌えるのだ。「我が祖国よ、美しい自由の国をたたえ私は歌う。父が骨を埋めた国、開拓者の誇りとする国。すべての山々から、自由よ鳴り響け」と。真にアメリカが偉大な国となるためには、これが実現しなければならない。
ニューハンプシャーの山々の偉大ないただきから自由の鐘を鳴らそう。ニューヨークの悠々しき山々からも、ペンシルヴァニアにそそり立つアレゲニーの山からも、自由の鐘を鳴らそう。雪を頂くコロラドのロッキー山脈からも、カリフォルニアのなだらかな山々からも、自由を鳴り響かせるのだ。それだけではない。ジョージアのストーンマウンテンからも、テネシーのルックアウトマウンテンからも、ミシシッピーのすべての丘やほんの小さな塚からも、「すべての山々から、自由の鐘を鳴らす」のだ。
そうすれば、私達が自由を鳴り響かせば、すべての村、すべての集落から、すべての州、すべての町から、自由の鐘を鳴らせば、すべての神の民が、黒人も白人も、ユダヤ人も、非ユダヤ人も、プロテスタントもカトリックも、すべての人々が手に手を取ってあの古い黒人霊歌を共に歌える日がより早くやって来るのだ。「やっと、やっと自由になれた。全能の神に感謝しよう。やっと自由になれたことを」と歌える日が。
出典 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Kaede/2431/mlk.html
キング牧師の肉声を聞きながら全文を読むには
http://longtailworld.blogspot.com/2006/02/i-have-dream-speech.html