知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~
ベルスタッフ/ベント
ベルスタッフが好きな人はベルスタッフ
を何着も持っていたりするみたい。
英国ロッカーズも愛した英国ブランドの
ベルスタッフは、かなり前にイタリア資本
が買収した。
現在は、イタリア資本の英国ブランドと
いう形になっている。
裏地のチェック柄の生地が赤系の物が往年
の英国物で、現在、ビンテージファンの
間ではかなり価格が高騰しているようだ。
ただ、ごついからか、ライダーたちには
人気はあまりないとのことだが、好きな
人はベルスタッフを何着も求めるようだ。
AVIREX好きやカドヤ好きに似ている。
まあ、イタリア製でもいいんですけどね。
今やミニクーパーがドイツ車なんだから(笑)
国産バイクもインドネシア製とかだしさ。
んなこと言ったら、リーバイスのGジャン
とか万国博覧会だ。倉敷製が質がかなり
いいけどね。
ベルスタッフはベルスタッフ。
ライディングブーツのこの上のバックル
は、バックファスナーの金具を押さえる
役目があるのは分かるんですよ。
でも、下のカカトの部分のバックルという
のは何の為にあるのでしょうね?
あたしゃ、80年代からずっとこのヨーロ
ピアンスタイルのブーツ愛用者ですが、
最近ではこのカカト部分のバックルのみ
省略されたブーツが一般的になって来た。
てことは、無くても支障ない物という事
でしょう?
謎だっちゃ。
これを初めて見た時には感心した。
ラブレスの考案と聞く。
ナイフのハンドル固定は、それまでは刀
の目釘と同じく、ピンの打ち込みだった
からだ。
尤も、ハンドル材自体は、ナイフは日本刀
とは違いブレード材に接着する。
なので、左右腹合わせのハンドルの場合、
ピンの役目はあくまでズレ方向への外力
への対処でしかなかった。
しかし、このボルトの出現により、接着
と同時に締め付けの力で完全固定が可能
になったのである。
ハンドル材を接着後にマイナスネジ頭は
ハンドル材と共に削り落とす。
ハンドル材破損や交換の際には、ハンドル
材ともども破棄となる。
だが、最近では、このハンドルボルトが
極めて秀逸だと感じる。
本当のボルトなのだ。取り外し可能。
主として中国製ナイフがほぼすべてこれ
だ。
しかし、このボルトを使用するには条件
がある。
ブレード材の面一とハンドル材の真っ平
な加工精度が出ていないと、ボルトでハン
ドル材を締め込んだだけでは、ブレード
とハンドルの間に隙間が出てしまう事が
あるのだ。
その隙間はたとえサンダーを使用しよう
が手加工でハンドル材を削っていた時代
には必ずといっていい程に発生した。
そのため、それを解消して密着させる為
にカラーペーパーをブレードとハンドル
の間に噛ませるのがセオリーだった。
ペーパーはパッキンの役目だ。
しかし、CNCマシンの登場が、このボルト
のみでのハンドルの完全固定を可能にさせ
た。
現代の中国製のナイフが世界を席巻し、
抜群の精度を出しているのはCNCマシン
のおかげだ。
全コンピュータ制御で狂いを出さずに正確
な加工の精度を出せ、かつ、量産できる。
中国製ナイフを分解してみると、ハンドル
などは、ビシッとした完全平面とコンマ
1/100ミリとて狂いのない加工精度が出て
いるのが観察できる。
これは日本の家内製手工業的なナイフの
メーカーでは無理だ。包丁などを量産する
新潟あたりのメーカーならば可能かも知れ
ないが。
デジタル技術の導入により、中国製品の
うちナイフの部門は、世界の他の国を大
きく突き離した。
嘘かと思ったら、リアルスチールでもMtec
でも中国製のナイフを買って精査してみる
といい。
デジタル制御の削り加工の驚愕の精密さを
実見できるから。
これで、鋼材が国際基準の成分をきちんと
満たして、製鋼法も手抜きせずにちゃんと
成した鋼材を使用したとしたら、中国製の
ナイフの天下は揺るぎない。
いくら手作業の職人技があ、と言っても、
精度においては機械的工場生産物には敵わ
ないからだ。
世界的に砲丸投げ選手が日本の職人の旋盤
加工品しか使わないというのは、それは、
一品オーダー物だからできる。
多くの人が使う工業製品とはなり得ない。
実用ナイフは工業製品であるので、Aさん
の物もBさんのも同じ品質でないとならな
い。
しかし、この優れたヘキサゴンやトルクス
のナイフハンドルボルトには欠点がある。
ブレードのハンドル部分の面出しと、ハン
ドル材の面出しが、精密機械の定盤のよう
に寸分の狂い無く真っ平に加工されていな
いとこのボルトは使えないのだ。
つまり、日本の手作りカスタムナイフでは
使えない。
そうなると、性能として優れている物は、
運用限定性を鑑みると、総合的に優れた
物といえるのか、という問題が立ちはだ
かる。
短絡的には物の良し悪しは即断できない。
ただ、ナイフのハンドルがボルトを外せ
ば取り外せるというシステムは、明らか
にナイフの新時代が到来した事を物語る。
ここ10年以内の登場だ。
これは、21世紀システムなのだろう。
隠れていても獣は臭いで判りまするぞ。
無駄無駄。ハンドル変えても。
お〜ほっほっほ。