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Cue Making - Installing Points & Veneers
例えCNレースを使おうとも、
私はキューメイキングは綺麗
で緻密なハギが作れてナンボ
だと思います。
それは本ハギのフルスプライス
であろうと、フォアアーム部の
みのセミスプライスであろうと
も。
よく、ハギは1960年代中期に
フォアアームが分割されてハン
ドル部にネジ接合構造になって
からは、ハギ本来の曲がり防止
の意味は消滅してハギが装飾
のみの意味を持つようになった、
とも云われるが、私はそうは
思わない。
フォアアームのベース材に別
種類の木材を骨として埋める
のであるから、硬度やしなり
は確実に無垢一本物のプレーン
に比べると変化する。
よりスティッフになるのは当然
の現象かと思える。
プレーンのキューが黒檀などの
硬質木でない限り、ドライな打
感の中にもしなやかな動きを
するにはそれなりの物理的な
原因がある。
総じてメイプル単体のプレーン
坊主キューはしなやかだ。
キューを立ててテンションを
かけるとバットまでもがしな
る程に。TADの一本物プレーン
坊主キューなどはそうだ。
だが、ハギ物はほぼしならな
い。
それらの木材の種類による性質
や構造による特性変化を射程に
いれて、木の性質要素すべてを
熟知して設計製作するのが
キューメイキングかと思う。
私の棒などは、角材の丸棒化と
時間かけ削りだけのようなも
のであって、キュー作りなど
とは呼べない。
「玉撞き棒みたいなのができ
ました」程度だ。
ハギを隙なく緻密に正確に作る。
最近のビルダーさんたちはあま
りやらなくなったハギ作りだが、
本ハギこそ、キューメイキング
の王道であり基本であるように
感じる。
簡単じゃないし。頭をピタリと
揃えて、乱れもなく仕上げるの
は。
特にバット部がハギ材延長一本
物のフルスプライスなどは特に
難しい。
本ハギフルスプライス四剣。
これ、キュー作りの始まりであり、
終わりの奥域の奥義のように思え
る。
What does Elbow Drop mean for your pool stroke?
Pocket billiards instruction.
私がよく言う、物理的に不可能な
事をやれという嘘が多いという例
はこれ。
このトロツキーに似たインストラ
クターは、その虚実の原理を物理
的に説明している。
肘から下のみ振り子のように降れ
ば、手は円弧を描き、キューは
あおり運動になってしまい、どん
なに手の中を緩めようともキュー
は真っ直ぐ水平には出ない。
振り子振りストロークの場合。
割れない押し玉を撞く時にはあえ
てこのようなキュー出しを選択す
る事もあるが、それは高等テク
ニックに属する。
だが、一般的にはこの間違った
振り子ストロークを「基本である」
として何十年も初心者に教える事
がビリヤード界では行なわれて来た。
私は玉撞きを始めて即、これは嘘
と判別がついた。物理的にこれで
キューを水平に出す事は不可能だ
からだ。
だが、フライフィッシングの
ロッドの振り方が10時から2時の
ように振り子運動させよ、という
のと同様、ビリヤードでもず~っ
と物理的に不可能なことが指導
されている。
ビリヤードでは最近ではさらに
ひどいのになると、「キューを
出すな」という事をまことしやか
に言う者まで出て来た。
これが正しい物理的な運動に
沿ったストローク。肩の回転を
使う。キューはアオリイカのよ
うな動きにはならず、真っ直ぐ
直線的に出る。またテイクバック
で手をパーのように広げ、撞き
出しでは手の中でキューの接触
点を可変させればさらに水平度
は増す。手の内が利くので軽い
撞き出しでもキューは切れる。
しかし、最近のチョン突き転がし玉
では、キューを利かせて撞球はせず
玉転がしのため、こうした物理的な
運動現象に沿った撞き方を無視して、
チョンとキュー先を当て止めする
方法が蔓延している。
スタイルは個人の好みなのでどう
でもいいが、物理的にできない事
をやらせてそれが基本である、と
指導するのは間違っている。
ちなみにフライフィッシングの
ロッドストロークでは、10時から
2時の方向に移動させるのは合っ
ているが、ロッドはできる限り
平行移動するような動きにさせ
るのである。手を支点として
穂先を円弧運動させるのでは
ない。ヨーヨーのように引っ
張るのだ。穂先をしならせな
がらトルクをラインに乗せて。
手首を振るのではなく肩を円滑
に回転させて使うようにして。
腕を使うのはビリヤードのスト
ロークと同じだ。
これは真剣日本刀の使い方も同
じで、肘から先と手首のスナップ
だけでは一切切れない。
肩の円滑な回転と腕の伸びと手
首の適正角度と送り込みと指の
軽い締めをすべて同調させて円
滑な一撃でスパッと切るのである。
すべての筋肉はしなやかに使う。
硬直させない。
グーグルの画面に黒田清輝が出て
いるなぁと思ったら、きょうは
生誕150年なのだという。
1866年8月9日(慶應2年6月29日)
生、1924年(大正13年)7月15日
歿。
鹿児島県士族、後に伯父の名跡を
継ぎ貴族院議員子爵。
日本人で初めての洋画家としての
帝室技芸員でもあった。
日本絵画の歴史に多大なる足跡を
残した人。
単に学問にのみ秀でた大学の先生
ではない。
人類の歴史、ときどき彼のような
「才」を備えた人が現れる。
天賦の才であり、余人が努力して
も真似しようとしても同じ領域に
は届かない。
黒田清輝の家は東京紀尾井町に
あった。
江戸東京散歩は面白い。
東京は大江戸期から各地に歴史
名所あり。歴史散策では大いに
楽しめる。
William's Full Splice
Building a Pool Cue From Scratch
(No Talking, Just Woodworking)
めちゃくちゃ良い。この一作。
コンバージョンではなく、フル
スクラッチビルドでの本ハギ
キュー作り。
いわゆるスニーキー・ピート風
のキューだ。
スニーキーとは「狡猾で卑劣な」
という意味。そういうピート君
が人を騙して素人を装ってハッ
スルかまして賭け玉ビリヤード
で小銭をむしる時に使うキュー、
という意味。
一見安物のハウスキューだが、
実は自分の持ちキューカスタム
だったりする。ケースなどには
入れずに、無造作に裸で持ち
歩いたりする。(車の中に戻っ
てからケースに収める)
名が売れたら相手がいなくなる
ため目立たないようにする。
それと、プールシャーク(場荒ら
しの流れ賭け玉師)は全米でも
出入り禁止で、時によっては
指を折られたり殺されたりする。
これはビリヤードだけでなく
ポーカーでも。
映画『リバーランズスルーイット』
の原作である実話『マクリーンの
川』はシカゴ大の教授が書いた作
だが、弟は酒場のポーカーでの
揉め事でピストルのグリップで
脳天を叩き割られて死亡した。
フライフィッシングの天才だった
という。
日本でも江戸期から賭場荒らし
などはヤクザ者に擦巻にされて
川に沈められたりする。現実に。
「ハスラー」というゴト師は、
日本でもアメリカでも下手し
たら殺される。そんなもんだ。
ちなみに、日本人には非常に
誤認が多いが、「ハスラー」と
は詐欺師、ゴト師の事である。
撞球者の事ではない。
よく解っていないから四輪車
や二輪車の商品名に「ハスラー」
などとつける。
当然欧米の英語圏ではその商品
名は使えない。日本語でも「詐
欺師」という名称の車だったら
売れる筈もない。ファミリーカー
で「詐欺師」。あり得ない。
日本人の若いギャルが「イエロー
キャブ」というロゴの入った
Tシャツを着てハワイを闊歩
するのと同じようなものだ。
(イエローキャブはタクシー
の事。誰でも乗せる。つまり
「誰でもどうぞ」ちゃんの
英語の隠語である)
この動画の職人さんが作る
キューは、フルスプライス
本ハギの本格構造のキューだ。
この動画のキューは非常に垢
抜けていて良い。
欲しいと思わせる。
残念ながらシャフトのみは
メッズ三木の既製品を装着
させているが、バットはすべて
一からの手作りだ。
かつて、1960年代初期までは
キューはこのように作られて
いた。
当時はコンピュータ制御の
旋盤などはないので、すべて
手作業による加工だ。
これはメーカーキューも、1960
年前後にようやく登場しはじ
めた個人ビルダーもそのよう
に作っていた。
この私の1950'sキューもそう
やって作られた。
販売ブランドディーラーはNYの
会社だが、製造はまずブランズ
ウィック社で間違いないだろう。
このヴィンテージ・キューは
驚くことに今でも曲がって
いない。
そして、撞球性能が現役バリ
バリで通じる良質性を保有し
ている。
しっかりした仕事で作られた
物というのは、半世紀を超え
てさらに70年を超えても通用
する驚異の不朽性を持っている。
とか言ったら、日本の刃物とか
もそうなんですけどね(笑)。
鎌倉時代の刀どころか平安時代
源平の頃の太刀は今でも現役
なのだから。
包丁もそう。
これは80年程前から使っていた
祖父の包丁。魚をさばく時用。
ヘロヘロ状態で父の実家で
発見されたが、私が再生
復活させた。