
コルトSAA(シングル・アク
ション・アーミー)である。
通称「西部を征服した銃」。
ピースメーカーとも呼ばれる。
日本では金属製トイガンのハン
ドガンの黒塗りは所持ができな
い。携帯禁止ではなく所持その
ものが1971年10月以降は禁じ
られている。(長物は金属製の
黒塗りでもOK牧場)
だが、プラスティックの質が悪
かった1970年代と異なり、現代
ではプラ製であってもこのよう
な質感の仕上げが可能だ。
専門技術は要るが。
私自身が全洋画の中で最高傑作
と思っている作品は『荒野の
決闘』だ。1946年、戦後直後に
公開された。

しても映像作品としても芸術と
しても珠玉の名作といえる。
らしい。
よどみなく、格調高い台詞を話
す。
まるで、シェークスピアの舞台
劇を観ているようだが、この気
品は時代なりのものだろう。人
の世は古ければ古いほどかしこ
まっている。
これは、フランクでくだけた北
米人の国である合衆国にあって
もそうだったことが多くの
米文学や映画から読み取れる。
るのが一番だが(古い英語)、日本
語吹き替えの声優の声の演技も
素晴らしい。
の方は是非とも「二本立て」で
ご覧になることをおすすめしたい。
邦題となったが、本作品のメイ
ンテーマは原題の「マイダーリン
クレメンタイン」にあるように、
ガンマンのドク・ホリデイの悲
廉、清く強い愛だ。
ワイアット・アープが一目惚れ
する。
ニック。
現が素晴らしい。
のトゥーム・ストーンの町外れ
の牛取引用停留所で起きた保安
官たちによる容疑者射殺事件が
ラストクライマックスとなる。
俗に呼ばれているが、史実は牧
場でも決闘でもない。
れの果てであり、町の牛止め場
で保安官一派が対立する一家を
一方的に逮捕状もなくいきなり
た事件だ。
保安官の英雄譚」としてアメ
リカでは話が創作された。
戦争は「正義の官軍と悪の幕
府軍」という図式で国民を洗
脳したように。
の権化、幕府側、東日本の武
士たちは悪の集団として国民
教育されていた。それと足利
尊氏は極悪人として。
変えたのは、子母沢寛と司馬
遼太郎の著作に負う所が多い。
子母沢は昭和初期に新選組に
関しての取材から貴重な著作
を成したが、学校教育などで
は「新選組は明治維新の志士
を弾圧した悪い人間たち」と
いう教育が為されて来た。
えてみようという試みが受け
入れられたのは戦後からだ。
は幕末の戦争は「正しい明
治新政府とそれに反抗した
構を鵜呑みにしている日本人
が多くいる。
「創られた」「勝者の歴史観」
なのだ。
半ば強大な権力の専横に諦め
を抱きながらも揶揄する意を
込めて言った。「勝てば官軍」
と。
に勝利したもののみが「正義」
となることの人類史の定理を
も示していた。
が勝っていたら北軍=ヤンキー
を正義とする概念は生まれて
いない。
ってから、南北戦争の南軍は
「悪者」ではない、という見
方が生まれ、文学や映画作品
でもそれをテーマとする作品
が作られて来た。
る人類史の非道な原理を問い
直す動きがアメリカの国民の
中から起こった事は注目すべ
きだ。
まったその流れをアメリカン・
ニューシネマが昇華させた。
ベトナム戦争激化による国
粋主義の徹底により、かつて
米国映画界に吹き荒れたレッド・
パージの再現の如くニューエ
イジのムーブメントは最後の打
ち上げ花火のように散ったが。
チュドーンで騎兵隊ヒャッハー
的な米国商業主義映画が強制
的に奔流を形成した。
人が「映画」といえば単純
で底の浅いアメリカのアク
ション映画をすぐに思い浮
かべるのはその流れに乗った
ものであり、勝者の歴史を真
実と盲信した大衆の「大衆的」
ほうが、深く人間を掘り下げ
る映画作品を作り続けた。特
にフランス、イタリア、ポー
ランド。
「OKコラール」での射殺事件
は多くの米国映画作品の題材
ろの「OK牧場の決闘」として。
はコルトSAAだ。全員が使う。
SAAは一般的になっていた。
ては、コルトSAAは本体の大
きさが「小さな銃」となる。
物理的に。
ンジ』(2003年。邦題「ワイ
ルド・レンジ 最後の銃
撃」)の中でも表現されて
いた。
コスナーのバレルカット(人殺
しの象徴)のピースメーカーを
指して「お前は軽い銃が好き
なのか」と言うくだり。
さなボディながら、当時最大
威力の.45ロングコルト弾を撃
てた。つまり、当時は最強。
一発で人間をノックアウトで
きる。頭部に被弾させたら頭
は風船破裂のように吹っ飛ぶ。
のがソリッドフレームにして
頑丈な小さなボディを与え
ョンだった。
軍に採用が決定し、1875年
に全軍配備が開始された。
れたのが1875年だ。
西部劇でコルトSAAが出て来
るのは全て時代考証無視とい
う事になる。
アープ。ヘンリー・フォンダが
演じた。
勧められたのは若き日のジョン・
ウェインだったが、この映画作
品製作の時はワイアットはこの
世を去っていた。






晩年は元女優の妻と二人でアラ
スカ旅行などし、この世に登場
した映画という物の製作にもア
ドバイザーとして関与した。
が、生涯、一度も銃弾を被弾し
た事が無かった。
ワイアットの弟のモーガン。

実物のモーガン・アープ。
かに暗殺された。それによりア
ープたちはOKコラール事件の
際の残党を皆殺しにした。
その行為は私闘であるとの批
判も多い。モーガンは弁護士
資格もあったとの米国情報も
ある。

では、名優ビクター・マチュア
が演じている。
ヘンリー・フォンダを食いまく
りだった。

が、程なく肺結核で死亡。
手といわれた。日本では、アー
プよりも人気が高い。ラテン語
を解するインテリ。

役のクレメンタインが最高だ。



クレメンタインが私には永遠の
理想だ。理想の女性。
美しい。生き方が。容姿や立ち
居振る舞いだけでなく、心が美
しい。一途で清くまっすぐな心
を持つ女性。
クレメンタインは永遠のマイ・
ダーリン・クレメンタインなの
である。
この映画こそが史上最高傑作だ
と私は思っている。
この作品、かなり、深い。
真の名作。
そして、この映画はドクが滅茶
苦茶いい。

豪華版DVDには本編ではカット
された部分も入っている。
ラッシュ試写の時、アープが
クレメンタインとの別れの時、
頬にキスするしないで波紋を
呼んだ。そのシーンのみ、別
場所で別の日に再撮影された
別バージョンとして映像資料
には残されている。それが特別
版DVDにはボーナスで収録され
ている。
DVDの発明は、映画ファンに
光明をもたらした。
My Darling Clementine (film)