私は、ビリヤードキューで大切な
のは芯出しだと思いますよ。
見かけ上の曲がり無しではなく、
芯が先から尻まで通っている物。
その加工精度。
有名メーカー品でも、個人キュー
ビルダー品でも、芯がずれている
製品が意外と多くあります。
バット一本物ではない連結物には
結構多い。
今はほぼ100%に近いキューがバ
ットは二分割乃至三分割構造です
が、芯が出ていない個体がある。
また、シャフトもそうです。
見かけ上は計器で計測しても真っ
直ぐなのですが(横ぶれゼロ)、
それは回転方向に対しての振れが
ない真っ直ぐなだけで、その円筒
や円錐の芯の軸線の中心位置とは
別なものを計測している。
いくら外周部が真円に近く、縦方
向に真っ直ぐでも、連結位置が
中心であるかとは別要素な訳
です。
先角などはネジ切りだろうと竹輪
だろうと、芯がずれている物もか
なりある。
芯が出ていない物は確実に撞球
性能に何らかの悪影響が発生す
ると考えられます。プレーの際
に円筒上面をどの位置にするか
で振動等が変移するから。
ただ、そうであっても、プレーに
支障が出る程の影響値ではないの
で、一般的にはその微細な差異
を感知しづらいだけなのかも。
ならば、問題とはならない程度の
極小の悪影響といえるかも知れな
い。現実的な実効性としては。
それでも、芯が出ていない物は、
たとえ微細であろうとも定格反応
は阻害されている訳で、芯がズバ
リと出ているキューのほうが精度
において優れているのは論を俟
たないと思うのです。
友人に「常に同じ面を上面にして
撞く」という人がいました。
理由は、それだと常に反応が同じ
だから、との事。
これは木製のシャフトとバットの
木目部位による硬度や反発力の違
いを見越した使用法といえるかも
知れません。
野球のバットでは常に正目部分を
打撃面として使うように。
スヌーカーなどはバットエンドに
傾斜のえぐりが存在しますが、
それは常に同じ面を同じ向きに
させて撞く為に有効機能している。
友人の言は一理あるかも。
また、別な友人は、シャフトの
面に点を記していて、その点が
いつも上を向くようにキューを
保持してプレーしていました。
理由はやはり同じ撞球特性、反応
をキューに求めているからとの
事です。
プールキューにスヌーカーの手法
を採り入れたようなもので、参考
になります。
ちなみに、私はプールキューは
構える時にも手の中でクルクル
と回して、不作為でランダムに
いろんな面を上にする。
しかし、キューによっては、同じ
撞き方でも微細な反応差異を感じ
ます。ごく僅かですが。それは、
どの部分を上にするか下にする
かでの反発力や振動具合等の違い
から来るものだといえます。
友人たちはそれを嫌うのでしょう。
常に同じ反応を示してほしい、と。
スポーツ技法論的にいろいろ考え
させられる刺激的な問題です。
カーボンのような化学素材だと、
そうした方位性については無いの
では。
ただ、カーボンは「玉が出すぎる」
ので私個人は好みではありません。
仮に撞球タッチが無垢木材と同じ
物が完成したら、それはかなりの
物になるかと思います。
それでも、半世紀以上の歴史が
あろうとも、未だにバンブーロッ
ドを超えるグラファイトや他の
化学素材のフライロッドは誕生
していないのですから、ビリ
ヤードキューにおいても、天
然素材を超える物を人類が完
成させるのは、かなり先の事
になるかと。
多分ですが、二輪のレーシング
ウェアで天然皮革を使用せずと
も代用できる化学素材が発明
される頃の未来でないと、キュー
の素材も天然木材を超える物は
出て来ないような気がします。
芯にも二つありますけどね。
樹木や象牙を想像してもらえ
ば分かりやすいかと思います
が。
連結部材の相互の位置的な
中央部と、円周に対しての
重心という意味の中心と。
(樹木の丸木の場合は年輪
の偏りが加わる)
加工製品は、重心位置と円筒
の計測中央部(距離的な中心)
が合致しているのがベストか
と。特にキューのような物は。