この動画で最後のほうで繰り
出しているブレイク後の1番玉
から2番玉へのロングドローの
ショットはジャンプドローの
シュートショットです。
手玉をラシャに接触させたまま
走らせる直引きよりも、空中を
飛行させて的玉にヒットさせる
ので、ラシャからの摩擦抵抗の
影響を受けません。
そのため、的玉にヒットして
から穴振り(ポケットの幅内で
的玉と手玉に角度の振りをつけ
る技術)によって横に一旦手玉
が飛び出した直後に手玉がラシャ
に完全に接地してUターンのよう
にバックスピンで戻らせています。
これは狙って放ったシュートです。
ヒットラインと直線の真っすぐ
引きのIターンも、今回のような
真っすぐ配置で穴振りを使って
一度横に出してから軌道をUター
ンで戻らせるシュートの場合も、
ロングドローはキューを立てて
手玉をジャンプさせてのジャンプ
ドローが極めて有効です。
これは難しそうに思えるショット
ですが、キューが切れるプレー
ヤーにとってみれば、何て事は
ないシュートショットです。
ただし、いくら玉入れプレーが
上手くとも、たとえプロであって
も転がし玉ばかりの選手はでき
ません。
このコーリー・デュエルのジャ
ンプドローも上掲の私のロング
ドローと同じ原理です。
ただ、手玉で邪魔玉を飛び越え
させる高度を飛行させてから
ドローを利かせているのが凄技
なのですが、日本のプロたちも
ごく普通にジャンプショットで
のドローはやります。ジャンプ
キューを使っていれば。
だが、コーリーはプレーキュー
でやっている。これができる人
はあまりいませんが、世の中い
るにはいます。コーリーがそう
だし(笑)。
日本のプロでも、私の上掲ショット
のようにロング引きでの演目で
エキジビションの曲玉を演じて
いるプロはいますが、コーリーは
プレーキューで手玉を高高度飛行
で飛ばして引き玉をコントロール
している。
そこが遣い手の技どころといえます。
別に気負わずに平静表情でやって
いる。これがコーリーの実力です。
他にはエフレン・レイエスが時々
こうした玉越え飛行ドローを見せ
たりしていました。
抜刀剣居相斬術と同じで、できる
人はできるし、できない人はでき
ない。
それだけの話です。
得物さばきの手技の冴えがあるか
否か。
それだけの事です。
誰でもフォローショットやドローは
できますよね?
それの少しだけ難しいバージョンで
しかありません。
正確なキューさばきができていれば
円滑にできます。
日本刀の操刀法を学ぶ人たちのうち、
正確な抜刀抜きつけ・切りつけ・
納刀ができる人は片手抜き打ち切り
がごく当たり前のようにできるの
と同じです。
咥え煙草で日本刀を振り回している
勘違い慮外者には絶対に正確な操刀
などはできませんし、できていませ
ん。そもそも刀を侮辱しているから。
撞球も同じで、キューを愛でてキュー
を知悉し、キューを作った人への
敬意を以て接すれば、使い方の道も
見えてきます。