渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『最後の無法者』(1941)

2023年03月27日 | open
 




1941年のアメリカ映画。
カラーである。
実在のビリー・ザ・キッドが死
んだの1881年。
この作品公開時からほんの60年
前の事を映画にしている。
現代映画でいうなら、私が2才
の時の1962年を描いている事
になる。
つまり、この映画が撮影された
1940年頃はまだビリーが生きて
いた頃に生まれた人たちも生き
ていた、という事だ。
100年以上昔を描いたものでは
ないという事。
だが、本作は現代からは82年前
の誕生となる。
今、この映画を観るという事は、
この映画が撮影された時点から
実際のビリー・ザ・キッドの
時代までの60年間よりも22年
も多く時代を遡るという事だ。
映画はタイムトラベルを私たち
に体験させてくれる。
 
この映画、非常に面白い。
西部劇かくあり、という作だ。
そして、牛追いのキャトルドラ
イブや大暴走のスタンピートも
実写である。かなりの迫力。
銃は当然全部実銃だ。
空砲を使っている。音も本物の
銃声だ。
 
29才のロバート・テイラーが
21才のビリーを演じる。
もし、この時に実在したビリー
が生きていたら81才になる。


親友が間違えてビリーを狙う。


銃は5.5インチ銃身のピース
メーカーだ。


ビリーの銃も5.5インチ。






5.5インチ銃身がいかに主流で
あったかがよく判る。
なお、本物のビリーは左利きで
はない。裏焼き写真の為に見抜
けない連中がビリーを左利きだ
と広めてしまった。今でも左利
きにしたがる脳内妄想族が多く
いる。赤信号を青と思い込む口。
 
戦前の日本は映画が大流行だった。
そして、多くの映画人はアメリカ
映画を観て影響された。
その中でも、西部劇は人気だった。
戦前、戦中の映画は名作も多い。
『カサブランカ』(1942)などは
今観ても名作だと断言できるし、
今観ても面白いのが凄い。
完成されているのだ。映画として。
『駅馬車』(1939)も名作中の名作
だ。
『最後の無法者』(1941)は、西部
劇ファンだけでなく、映画好きの
方にもおすすめ。
 
ロバート・テイラーがカッコいい。
昔の俳優さんて、ハッキリと台詞
をしゃべるよね。独特の抑揚を
つけて。まるで舞台演劇のように。
本作、良作。
この映画公開の年に日本はアメ
リカに一方的に戦争を仕掛けた。
こんな映画を撮る国に。
この国に竹槍で勝とうなんて。

 
ビリー役のロバート・テイラー
は、実在しなかったハリウッド
ガンベルトの早撃ち用リグを使
っている。


だが、実物の西部開拓時代の
本物のメシキカンループも
てくる。実際の歴史ではこの
タイプのガンベルトのリグだ
った。ベルトに穴空けて通し
てホルスターを吊るすタイプ
は、ハリウッド映画用に開発
された映画用ガンベルトだ。
本物の歴史ではベルトにホル
スターを通した。


 
ズボンにもベルトループは無く、
時代考証正確。パンツの上から
日本の帯のように締めるだけが
ベルトだった。『シェーン』で
もそれは再現されていた。


このいでたちこそが、現実の
1880年代を表現している。
シャツの胸と袖から覗いてい
るアンダーウエアはズボン下
まで一体のワンピース下着だ
ろう。

 
この作品公開の1941年は映画の
舞台の1881年から60年。
この作品からこんにちまででは
82年。
現代から本作制作公開時よりも
本作品製作から西部開拓時代の
ほうがはるかに時間が近い。
そして、ビリー・ザ・キッドが
死んでから142年も経った。
1881年明治14年、日本では最後
の斬首刑が山田浅右衛門によっ
て執行された。
ビリー・ザ・キッドが射殺され
たのは7月14日、ワイアット・
アープたちがOKコラルでクラン
トン一家を射殺したのは10月
26日だ。
この年、ガーフィールド合衆国
大統領は暗殺さた。
アメリカ合衆国、まだ無法時代
は続いていた。
 
キャトルドライブは本物を撮影
している。


ビリーはモラルある人格者の牧場
主に雇われる。
だが、牧場主は乗っ取りを狙う
町の実業家に殺害されてしまう。
ごろつきを集めて手下にして町
を支配している人間にやられた。
それゆえ、ビリーは復讐の皆殺し
誓う。ようやく更生しかけ
たの
ビリー・ザ・キッドは
また人殺
の世界に戻るの
だった。
牧場主は連邦保安官に指名され
たばかりだった。ビリーは恩赦
前提で罪が解かれたばかりだっ
た。
だが、連邦保安官助手の幼馴染
の親友と共に、法執行官として
ビリーは牧場主殺害者の町の
一味の逮捕に向かうが、敵は
敵で法を盾に保安官たちと共謀
してビリーをお尋ね者として
敵対する。牧場主を殺したの
はビリーというお尋ね者を出頭
させる事に連邦保安官である
牧場主が拒否したので町の保安
官が射殺したというのだった。
ビリーたち牧童たちの大集団は
保安官たちを逮捕すべく町に
突入する。どちらも法の番人
として対峙した。
だが、果たして卑劣な町の実業
家一味と金で飼われた保安官
正義の法執行など通用す
るのか。
現実では、ビリーは無法者とし
て友人の保安官パット・ギャレ
ットに射殺された。
本作品は実話をベースにしてい
る。
そして、本作を観ていると、
『シェーン』(1951)のベースは
本作品にある事が観て判る。
『シェーン』の細かい設定や描
写が本作の中にある。
 
この映画でビリーが使う銃は
無縁火薬のバージョンながら、
黒色火薬時代のようなフルムー
ンタイプのエジェクターロッド
ノブが着いたコンバージョンだ。
ハーフムーンタイプが標準化さ
れる以前のSAA。
実銃ピースメーカーの1stジェネ
レーションレイトモデルの初期
型だろう。
空砲ブランクを使っている為、
シリンダーヘッドから弾頭は
見えない。
 
本作品、かなりの秀作だ。

もう飲めない酒

2023年03月27日 | open



世の中、もう飲めない酒は数々
あれど、これが最高だった。
バーボンの中のバーボン。
J.T.S.ブラウン。


身体用法

2023年03月27日 | open



ビリヤードもオートバイのスポー
ティーライドやレーシングライド
も、大切なのは下半身。

なお、オートバイはフロントフォ
ークに直に着いているセパレート
ハンドルのレーシーなマシンで
前傾姿勢であろうとも、一般公道
で700km以上走っても身体は何
ともない。
よく世間で耳にするのは、「腰が
痛くなる」「腕が痛くなる」「き
つい」というものだが、それは、
100%乗り方が根本的に間違って
いるからだ。正しく乗れば何とも
ない。
要するに下半身で乗らず、上体を
硬直させて背骨を真っ直ぐに腕も
突っ張っているから疲れる。
また、その硬直ではマシンの操作
など出来ないので非常に危険だ。

ビリヤードも同じで、腰が痛く
なるのは、身体用法を間違って
いるからだ。
これは確実。
下半身と腰回りの筋肉と骨の使い
方を誤っているから腰痛になる。
正しい身体用法であると、たとえ
20時間連続で玉撞きをしようと
腰は痛くはならない。
椎間板ヘルニア等に罹患してい
ない限り。
スポーツの基本は下半身だ。
特に腰回りと背骨の使い方。

アーチになっているから圧を分散
できる。



背骨と仙骨の関係も全く同じ。
前傾姿勢の時には背骨は真っ直ぐ
に背中に板を入れたようには伸ば
さない。背骨の全ての骨に荷重
を分散させて上体を脱力させる。
背骨は直線ではなく緩いアーチ
を描かせるのが前傾姿勢では正
しい。
背骨を直線にすると、物理的に
腰の一点に力がかかり、負担は
倍増する。
直線だと石橋は崩れるように、
人の背骨も同じ事になる。
崩れる前に腰が悲鳴を上げて
いる。
また、人間の背骨は、そうした
荷重を分散させる仕組みに出来
いる。
身体の仕組みを無視する事を
すると人体の想定外の負担を
生み、身体に支障が出る。
前傾姿勢での腰痛などはそれだ。
背筋真っ直ぐ伸ばしは❌。
直立不動の敬礼姿勢のまま上体
を前屈させるような身体の使い
方は、スポーツでは完全に誤り
だ。


ポケット・ビリヤード グランプリイースト第2戦

2023年03月27日 | open




土方隼斗選手、プロツアー戦2連勝。
ナインボール7ラック先取り短期戦
とはいえ、羅選手を相手に圧勝。
安定している。

映画『ボディ・ダブル』(1984)

2023年03月27日 | open



ブライアン・デ・パルマ監督が
ヒッチコックへの敬意を以て
撮りたいように撮った映画作品。
オマージュがふんだんにある。
サスペンスとしては、初見で即
犯人が分かってしまうのだが、
その関係性や動機については
物語が展開していかないと分か
らないようにしてある。
だが、設定展開はかなり無理が
あるとはいえ、とにかく映像の
遊び
がかなり自由闊達だ。特に
カメラワークが
良い。
エロティック・サスペンスだが、
トリックは複雑ではなく、犯人
が初めて登場した時点ですぐに
分かってしまう。
「そんなトントン拍子のうまい話、
世の中ある
わきゃないだろう」と
いうやつ。

ただ、主人公がしばらくの間
借りた豪邸はかなりゴージャスだ。


ここはケモスフェアハウスと呼ばれ
る建物で、1960年に建築された。
空飛ぶ円盤をモチーフにしたようだ。




室内の様子と眺望は是非映画本編
をご覧頂きたい。素晴らしいの
一言だ。
ただし、45度の傾斜地に建築され
ているので、この建物には専用の
ケーブルカーで行く。
真下からはエレベーターだろう。
家具調度品をどうやって運搬した
のか不明。
それどころか、崖の傾斜地にどう
やってこんな建物を建てたのだろ
うと思う。
室内からのロス全体の眺望は絵に
描いたようだ。
現存建築物。

実は、この建物がまた見たくて
何十年ぶりかに本映画作品を観
た、という次第(笑)。