渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

無段階変則の構造 ~スクーター~

2025年01月13日 | open

 



無段階変則のCVT=Continuously
Variable Transmission でのミニ
バイクに採用されているシステ
ムは、構造は簡単だ。
簡単だが、精度ある多くのパー
ツによってその駆動システムが
攻勢されている。
原理は変速機付の自転車と同じ
だ。
Vベルトを駆動の伝達で使う際
に、プーリー(円錐皿)と後方の
クラッチ側の受け皿の円盤が円
錐形になっていて、それを回転
の遠心力によって内蔵した竹輪
型のウエイトローラーと称する
オモリを円の器の中で外に移動
させる事により円錐皿を開いた
り閉じたりさせて、そこに密着
させているVベルトを皿の外側
や内側に持って行って回転の伝
達をする。

各部が重要なパーツのみで構成
されている原理は簡単、構造複
雑な駆動システムなのだが、最
初にそれを考案実用化した人物
は人類史に永遠の功績を残した
と思う。
CVTは四輪車では駆動伝達の力
の配分を電子制御での開閉皿で
行うが、低排気量のミニバイク
では、あくまでも物理的な回転
力によるオモリの移動で偏心さ
せる。

そのオモリの事をウエイトロー
ラーと呼ぶ。
竹輪上の丸い部品なので、受け
皿のプーリーの中でコロコロと
転がるようなイメージを抱き気
味になるが、実際は転がっては
いない。多少転がりはすれども
クルクル回転して移動しない。
溝枠の中をスライドして移動す
る。

そうでないと、酷使されたウエ
イトローラーの偏摩耗の形状の
説明がつかない。


なぜノーマルウエイトローラー
が丸形であるかというと、面
よりも点で接しさせて抵抗を
少なくするためだろう。
受け皿の溝はなだらかな不正
規な坂になっている。
そこに接して移動するオモリ
の物体は丸のほうが接点が少
なく円滑な移動ができる。
それゆえ、上掲画像のような
部分的変摩耗が発生する。
これが全面でコロコロと転が
っているならば、部分的な変
摩耗などは物理的におきよう
がない。ウエイトローラーは
転がると言い張る人もいるが、
酷使されたローラーの偏摩耗
状態からは一切物理的な説明
はつかない。
ウエイトローラーというオモ
リはプーリーの中でスライド
して移動する。

ならばと、最初から偏摩耗状
態の形を構成して、スライド
現象を助長するような造りの
ウエイトローラーが存在する。
それが製品名「ドクタープー
リー」というウエイトローラ
ーだ。


もうね、考えた人天才かと
思う。


多分だが、こうしたパーツは
計算値から形状が導きだされ
たのではないだろう。
原理と構造から「こうしたら
どうだろうか」というところ
から具体的な形状が作られた
に違いない。


竹輪形ローラーよりも、低速
時に重さを内部に移動させ、
さらに高回転時にはできるだ
け外側にオモリが行く事で最
高速も確保しようとする希望
を実現させる形状構造になっ
ているからだ。
これは、この形の効力を発見
して造形を最終的に絞り込ん
だ人物とスタッフの功績は非
常に大きい。
パテントを取って正解だろう。

こうした人類の発明には私は
とても驚愕と同時に敬意を持
つ。
私も父も、構造物の発明はい
くつか持つが、本当に単純な
構造で革命的な発明は人の世
の為になると感じる。
やかんの蓋の穴が上に吹かな
いように三角に屋根形に開け
るとかね。あの革命的発明は
主婦が考案したらしい。
そうして歴史に名を残さずと
も、実績を残し、それ以降長
年人々の役に立つ物を考案し
た人々には私は掛値なく敬意
を抱く。
モノヅクリはそうして進化し
て行く。
人類史と共に。

そうそう。
これも交換しちゃうよ。
クラッチくん。


 


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