ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




今日はね、きっとまた一段と長いですよ。昨日のこと書きますからー。

 

「川村くんさ、土曜日、来るでしょ?ライブは7時半からなんだけど、5時からリハーサルやってるから、良かったらそこからおいでよ。時間、大丈夫?」

「はぁ、大丈夫ですけども

「じゃ、5時にね。・・・絶対に来たほうがいいよ。・・・おもしろいゲストも来るから。」

「はい、じゃあ、土曜日伺います

一週間ほど前、僕の師匠でもありますキーボーディストの厚見(玲衣)さんからこんな電話がありました。

「おもしろいゲストかー。誰だろか。で、『絶対』ね・・・

そもそも、「6月14日にセッションやるからさ。」とは、大分前に聞いてましたら、カレンダーにチェックは入れていたし、行くつもりではいたんです。でもあの時は、「まぁ、軽いセッションだけど、良かったら」って言ってたのに。わざわざ念押しの電話をしてきてくれるなんて。

着いたのは、5時をちょっと廻っていました。いわゆるちゃんとしたライブハウスではなくて、飲みながら生演奏が出来たり、聴けたりするロックバー。でも、ハモンド・オルガンとレズリースピーカーがあるってことで、なかなか貴重なお店。全国にいくつもこういった演奏できるお店はありますが、結構ね、鍵盤楽器は置いて無かったりしますから(笑)。

お店の階段を下りてゆくと、ものすごいボリュームの、ご機嫌なバンドサウンドが漏れ聴こえてきました。そしてドアを開けずとも、誰が弾いてるかはっきりわかる、このオルガンの音とフレーズ。そして、ギターも、とても聞き覚えのある音。「おー、やってるやってるー」って感じでした。

そっと中に入って、幾人かのスタッフさんに目で挨拶をして、しばらく厚見さんの手元が見える位置に腰掛けて、リハの様子を見てました。目の前数メートルくらいのところで、厚見さんのプレイが見れるなんてね。今まで、幸運なことに何度も見せてもらってますが、相変わらず、カッコいい。うん、ほんと、カッコいい

そして曲の合間を見て「どーも、お疲れ様ですー。」とご挨拶をすると、「あ、川村くん。どーもー。」と。そして、リハを中断して、一人の人のところへ連れて行ってくれました。って、さっきから僕の隣に座っていた人だったんですけども。そして、「こちら、人見元基さん。で、こちら、川村ケンくん」と、紹介してくれたんです。

・・・ひとみ・・・げんき・・・さん。

って。

ひとみげんきさん、って、あの、人見元基、さん?

この間、ほんのコンマ3秒ほどでしたが、その一瞬で頭の中が沸騰するかと思いました。

「あ、どうも、人見です」

この声は、一生忘れない。本当に、人見さんだ。

「ど、どうも初めまして!僕、たぶん川村ケンといいます!」

 

・・・いや、「たぶん」は言ってない。うん、いくら冷静じゃなくなってても、言ってないはず・・・たぶん(笑)。って、変な混ぜっ返しをしちゃったな。すみません(笑)。

 

僕が大好きな、VOWWOW。高校生の時、テレビの番組で初めて見て、「な、なんだこのバンド!?」って思わせてくれて、そして「うわー、キーボードってこんなにカッコいいことができるのか!」って、思わせてくれて、僕に真剣にプロになることを意識させてくれた、僕にとって本当に大切な、憧れのバンド。当時は本当に毎日のように、家でも、通学の時もウォークマンで聴いてましたし、レコードも予約して発売日に買いに行ってたし、朝の目覚ましまでVOWWOWだったという(←時間になると、カセットがかかるようにしてました。当時は朝からハードロックで目覚めていたのです(笑))。

時は巡って・・・、そのバンドのキーボーディスト、厚見さんが目の前にいて。そして、当時「なんでこの人はこんなにギターが巧いんだろう。なんで、こんなカッコイイ曲をかけるんだろう」って思わせてくれていたギタリストの山本恭司さんが、今すぐそこのステージに立っていて、「あ、川村君、おつかれー」と笑ってくれている。そして・・・。

先ほど言った「テレビ番組」で、初めて目にしたVOWWOWは「LOVE WALKS」という曲を演奏していまいした。そして、まず何が衝撃だったかって、その曲でのボーカリストのシャウトだったんです。「すっげーーー!超カッコイイじゃん!なに、このバンド!?」

あの番組で、あの日あの時、元基さんのボーカルにガツンとやられなければ、その後、厚見さんや恭司さんや、そもそもVOWWOWとも出会えなかったかもしれない。そしたら、今僕は、きっとここにいない。もしも、あの時、不幸にもトイレに行ってしまっていたら・・・なんてね(笑)。でも、ほんと、縁って、出会いって、そのなものかもですよね

VOWWOW解散後、元基さんが近県の公立高校の英語の先生になった、というのは知っていました。音楽は趣味として、たまに、という感じなのではないでしょうか。あれ以来、それほど表立った音楽活動はされていなかったと思いますが、それでもあの大好きな声も、シャウトのスタイルも、あの頃とまったく変わっておらず・・・胸が熱くなりました。でも髪型はすっかり変わっていてね(当時は長髪だった)、すぐに気づかなかったのはそんな理由もありまして。それにしても、「まさか」という人の登場に、本当に面食らってしまいました。

ほどなくリハが再開。

リズム隊は、元爆風スランプのベーシストの江川ほーじんさん(←爆風スランプも好きだったので、とっても嬉しかった)、そして厚見さんのお知り合いだというドラマーの土屋さん。そして、そのリズム隊の前に、僕の目の前の小さなステージにね、・・・あのVOWWOWのメンバーが、三人もいる。

厚見さん、恭司さんはモチロンですが、VOWWOWをVOWWOWにするのは、やはり元基さんの声がそこに乗ってこそ。本当に声も、声域も、現役時代と全然変わっていなかったのにはビックリしました。「あー、本当にこの人は天賦の才を持っている人なんだな」と感心していましたよ。とにかく、夢見心地で、贅沢なリハーサルを、一番前で見ることができました。

「これだったのか・・・厚見さんの『絶対来たほうがいいよ』の意味は

後で聞くと「本番になるとお客さんで一杯になっちゃうからさ、リハのほうがゆっくり見れるかな、と思って」ですって。・・・くー

約20年ほど前、最後に武道館にVOWWOWを見に行って(勿論、普通にチケットぴあで、チケット買ってね)以来、今までもこの共演は無かった。実現する可能性も、聞いてるかぎりではなさそうだった。そして、これかもまたあるかどうかも、やっぱりわからない。ほんと、貴重なワンナイト・セッション。そして、メンバーの生の声や音楽の組み立て方が伝わってくる、貴重なリハーサル。「当時もこんな風にしてコミュニケーションとってたのかな。こんな風に、あの曲たちが作られていったのかな・・・」って。メンバーが名前を呼び合う姿を見ても、「へぇ、そう呼んでるんだな」とかってね(←完璧にいちファン、ってか20年前に戻ってる(笑))。いや、ほんとうに感激でした。

本番は詰め掛けた沢山のお客さん方に席を譲り、会場で合流した斉藤光浩さんバンドのベーシストのDAISUKEさんと一緒に、後ろの方で拝見することに。すると、スタッフさんが「あ、川村さんは、こちらのお席でどうぞ。」って案内してくれました。

「予約席」って書いてありました。少し高いテーブルになっていてステージが良く見える上、しかも、ここ、・・・厚見さんの手元が見える、真正面。たまたまかもしれないですけれど。せっかくですので、ありがたく座らせて頂くことにしました。、・・・くー

もちろん、ライブは最高でしたよー。やっぱり憧れの人たちは、20年経った今でも憧れの人たち。みなさん、正真正銘の、本物のプロフェッショナル(なにせ、VOWWOWは世界に出たバンドですからね)。そして、みんな・・・とっても楽しそうで

厚見さんのプレイも、なんだかまた一層磨きがかかっているようでした。いったいどこまで上手くなるんだろう・・・全然追いつけないや(笑)。ま、もっともそれは無理なんですよね、違う人間なわけですし、そもそも僕なんかじゃ、まだまだとてもとても。・・・でも、今度いつか、昨日聴いたあのいくつかのおいしいフレーズの弾き方教えてもらおーっと(笑)。

 

昨夜の選曲は、全部60年代~70年代のロックのカバーだったんですが、一曲だけ、「YOU’RE THE ONE FOR ME」という、VOWWOW時代、厚見さんが作曲したナンバーを演奏してくれました。「VIBe」というアルバムに入っているのです素晴らしい曲なんですけどね、実は、先日の引越しブログの中でお話した「2000枚もあるCDも最初は一枚だった」という、その一枚目というのが、この「VIBe」というアルバムだったんです。

実家が新築した時に、「ふむ。じゃあこれを機に、僕もいよいよCDプレイヤーとやらを買うかなー」と(←まだCDが出始めて数年のころです)、中古で秋葉原で買ってきたプレイヤーで、毎日こればっかり聴いていたものです。

終演後、まっさきに恭司さんに「川村君、嬉しかったでしょ(笑)。」って言われました。・・・えぇ!そりゃあ、もう(笑)。

最後にご挨拶に行った時に、厚見さんにも「今日は川村くんにはどうしても見てもらわなきゃ、って思ってさ。だってVOWWOWファンとしては、これは外せないでしょ(笑)」って言われました。・・・えぇ!ほんと、ありがとうございました

家に帰ってくると・・・僕の部屋には、預かっている厚見さんのJUPITER-8が。僕にとっては、VOWWOWを象徴するキーボードである、あのJUPITER-8が、・・・ここにあるというのが、改めて不思議で、なんとも言えない気持ちになりました。

眺めながら、ぷしゅして、・・・ぷしゅして・・・ぷし

って、どんだけキーボード肴にして飲むんかーい。・・・いや、飲めるんですよ、これがほんとに(笑)。

ではー。

 

---追記。---

 

そうだ。昨夜放送になった俊くんの武道館ライブ、いかがでしたでしょうか?僕はライブに行っていて・・・ってそもそも、うちCSが入らないので、残念ながらどの道見れなかったんですけども。JUPITER-8、僕の後ろにちゃんと映ってましたでしょうか。実は武道館公演だけ、持っていったんですよ。もちろん、事前に厚見さんにOKもらってね。20年前にVOWWOWを見に行った時に、厚見さんと武道館のステージに立っていたJUPITER-8、今回、僕が一緒にステージに立てたこと、本当に嬉しかったんですよ

早く観たいなー

ではー。



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