ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




渋谷に住んでいた頃ですから10年位前になりますが、深夜に時々飲みに行っていたお店がありました。

行くのは、いつも決まって深夜。ってかね、深夜じゃないと開いてないのです(笑)。

最初、友人に連れて行ってもらったそのお店は、通常のバーとしての0時までの営業が終わって看板を下ろしたあと、僕の二つ年上のマスターが、「仕事、終わり!あとは仲間だけで、楽しくやろう。俺も飲むぞー。」って感じで、時折、「時間外営業」をしていたんです。「飲み物は持ちよりね。グラスと氷は店の勝手に使っていいから。」ということで、僕も焼酎のボトルなんかを持ってね、夜中にお邪魔していたわけですよ。

おつまみは、お腹が減ったら、適当にそのあたりで買ってきてました。渋谷のセンター街ですから、ちょっと店を出れば何でもありました。たこ焼きとかね、あとたこ焼きとか(笑)。

お店ではね、持ち寄ったお酒もおつまみは、皆で分け合ってたんです。マスターという共通の一人の人で繋がってるだけの、それでも多い夜だと20人くらい集まってたと思うけど、ほとんど知らない人同士。それぞれ、2~3人の友人同士とかできてて、座ってるテーブルも違うんですけど、「ありゃ、お酒無くなったなー」って言ってると、「あ、こっち、まだありますよー。どうぞー。氷はある?」なんて、隣の知らない人からボトルがまわってくるの。なんか、居るのは普通のバーだから、ちょっと不思議な感じがしましたけど(笑)、なんかいいなぁ、こういうのって、思ってました。ちょっとした助け合いね、・・・酔っ払い同士の(笑)。

家で一人で飲んでるんだったら、ここで皆でわいわいしてたほうがいいね、っていうような人たちも結構集まってたんじゃないかな。ほら、持ち寄りだから、大してお金が掛かるわけじゃないし、無くなれば誰かが分けてくれるし。もしかしたら、友達が出来るかもしれないし。皆、マスターの知り合いなんだから、どこか安心できるし。

僕は行くときはいつも何人かのミュージシャン仲間なんかと行ってましたが、行くと本当に際限なく(笑)飲んでました。居心地がいいもんだから、必ず朝までコース(笑)。しかも僕は「近いから転がって帰れる」っていう頭もあったしね(笑)。飲みすぎて眠っちゃった人とかも出始めて、明るくなったセンター街にカラスが沢山集まってきたら、「じゃーそろそろお開きにしよーかー」という感じ。なんか、不思議な時間と空間でした。

マスターは昔ドラマーとして、プロではないけど、プロを目指して随分真剣にバンドをやっていた人だったらしくてね、僕は音楽の話でも話が合いまして、突然行っても「おー、ケンちゃんだ!来たねー」って仲良くしてもらってました。そして酔うと時々、「あー、オレもまた音楽やりてーなー」って言ってた。「でも、・・・もう全然叩けなくなっちゃってるよ、きっと。」とも。一度、「あのさ、これ、オレが使ってたスティックなんだ。見て見て」って見せてくれたこともありました。楽器なんて置いてないお店だったけど、何故かスティックだけは置いていたみたいで。きっと時々お客さんに見せたりして、それで、昔の話なんかしてたんじゃないかな。・・・本当にやりたかったんだと思う。音楽が好きだったんだと思う

そして、ああして疲れてても、お店を開放して仲間を集めて飲んでたっていうのも、今思えば何かのサインだったんだろうな、って思う。

僕はそれからまもなく引っ越してしまって、そのお店には行かなくなってしまいました。

そして随分経ってから、時々一緒に行っていた友人から「お店、無くなっちゃったよ。」って聞きました。「えー?で、マスターは?」って訊くと、「うん・・・。なんか、ちょっと色々あったみたいで、田舎に帰ったらしいよ。」って。

今も渋谷に行くと、そのお店の前はよく通ります。二階にあったそのお店は、今は全然違うお店になってしまってて、懐かしい看板もでも僕はつい見上げてしまうんですよね。

なんでこんな話をしてるかって言うとですね、実は全然きっかけは違くてね。

昨日、ご飯を食べながら某国営放送のお笑い番組を見てまして(あの、色のついたゴルフボール転がすやつね。しっかし何で100人の審査員がいて、最高が545キロバトルなのか、・・・いつも謎(笑))。前に「テレビはニュースくらいしか見ません」って書きましたが、実はお笑い番組は点けてたまたまやってれば見るんですよ。お笑い、好きです(笑)。

で、さっき話したお店には、ミュージシャンも多かったんですけど、お笑いの芸人さんも来てたんですよ。あの頃、テレビで「ボキャ天」ってのがあったんですけど、よくそれに出てた、結構有名だった芸人さんでした。

で、とにかく彼らがいるテーブルの辺りでは、ありえない位の間隔で爆発的な笑いがドッカンドッカン起こるんですよ(笑)。もうね、さすがプロ!って感じでね。僕もちょっと聞いていたことがあるんですが、あれはね、例えば仲間内では「すげー面白い奴」で通ってるような子と比べてもね、きっともうK-1ファイターと幼稚園児っていうか、・・・サバとイカくらいの差があるんだと思います。って、サバとイカじゃ、アレか、あんまりサバなイカ・・・差が無いか(笑)。

 

そうそう、そのちょっと前でしたけど、あるミュージシャンの友人の家のホームパーティーに呼ばれたことがあって、その時は30人くらい集まってたんですけど、その中に若手の芸人さんコンビが来てまして。誰かの友達だったみたいなんですが、僕はまるっきり聞いた事の無いコンビ名のお二人。これから頑張っていく、っていく二人みたいでした。程よく酔いが回ってきたころ、「じゃ、漫才やりまーす」って、二人が立ち上がって、いきなり「はいどーもー」ってお笑いライブが始まったんです。

全然知らない若手芸人さん。で、これがもうね、信じられないくらい、・・・面白いの。ありえないくらい。笑いすぎて、苦しくて「もうやめてー、いや、やっぱりやめないでー」って感じ(笑)。いつまででも聞いていたいと思いましたよ。

その時、お笑い芸人って、いわゆる「売れてない芸人」さんでもこんなに凄いんだって、実感したわけですよ。これでこんななんだから、テレビなんかで売れてる芸人さんたちって生で見たら、相当ヤバいんだろうなぁ・・・とも思いました。絶対に笑わないぞって覚悟で見に行っても、10秒でお腹の皮が捻じ切れるんだろうなぁ、って。そりゃなイカ。大げサバ・・・おおげさか(笑)。

 

で(笑)、話戻るんですけど、昨日のお笑い番組。芸人さんに戦わせるわけですよね。どれだけ笑いをとったかって。で、上位5組がオンエアーされる、というシステム。で、あの番組では「オンエアーされなかった芸人さん」たちのコメントが最後に流されるんですよね。そしてここでは、結構みんな素なコメントをする芸人さんが多くて、真剣に「あーくやしいー」とか「実力です。・・・また一から出直します」とかいうコメントが聞けるんですけど、僕、いっつもあのオンエアーされなかった人たちでも、生で見たら面白いんだろうなぁって思って見てるんです。その彼らでさえ、少しとは言え、テレビには名前が出た。そして、そのチャンスすらも掴めないでいる芸人さんは沢山いるわけですよね。

あのホームパーティで見た芸人さんの名前、あれからお笑いのテレビなんか見てると「出てくるんじゃないか。」っていつも名前を探してましたし、そのうち「おれ、生で見たことあるんだぞ」って自慢できるんじゃないか(笑)って思って、いっつも期待してたんですが、あれから・・・一度も名前は聞けませんでした。さすがに、もう13年くらい前の話ですからね、・・・どうしたかなぁ。あのお店に来ていた、当時売れていた芸人さんも、もう今ではまったく名前を聞かなくなりした。

もしかしたらまた、「仲間ウチで一番面白い奴」に戻ったのかな。でも、それもいいですよね。・・・人によっては、そのほうが良かったりもする事もあると思いますし。いや、変な意味じゃなくて、ほんと、人によっては、なんですけど。

お笑い芸人さんの世界、ほんとおそらく音楽の世界以上に流れも速いし、・・・シビアなんでしょうからね。

 

あ、ぼく、最近じゃ鳥居み○きさんが好きなんですけどねー、・・・ちょっとシュール過ぎて(笑)、お茶の間大ブレイクはしないかなぁ(笑)。いや、個人的にはして欲しいですよ。彼女が一人でパーソナリティやるような番組があったら、絶対見ます(笑)。なんか、破れかけたクマの縫ぐるみかなんか持って。・・・いや、ウソですよ。持ちませんよ(←なんか信じられても困るので(笑))。

ではー。



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