く~にゃん雑記帳

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<日本陸上選手権> 女子10000m 吉川「A」突破でV 〝戦術〟の勝利

2012年06月09日 | スポーツ

【福士をペースメーカーに残り1000mでスパート】

 5000mが本命のはずの吉川美香が思い描いた通りのレース展開で、ロンドン五輪参加A標準(31分45秒)を上回る31分28秒71で優勝、五輪切符を手に入れた。五輪出場がかかる大一番で、昨年11月に出した自身のベスト記録を一気に26秒余りも縮める会心のレースだった。

 吉川が最初に注目を集めたのは6年前2006年のこの日本選手権。1500mで初優勝すると、2010年まで5連覇を果たした。1500mではまさに向かうところ敵なし。昨年からは距離を伸ばし、2月の香川丸亀国際ハーフマラソンでは1時間11分13秒(4位)の自己ベストを記録。昨年の日本選手権では初めて5000mに挑戦し、15分53秒19で7位入賞した。10月の新潟県選抜中長距離では10000mでも五輪B標準(32分10秒)を上回る自己ベスト31分55秒06を記録。さらに12月には5000mでA標準(15分20秒)を突破する15分15秒33を出した。

【〝本命〟の5000mでも主役に躍り出る!】 

 今年4月の兵庫リレーカーニバルの10000mでは31分58秒73で新谷仁美に次いで2位。その時、「5000mが大本命だが、去年の秋から10000mも楽しくなっている。2つとも両立できたらと思っている」と話していたという。吉川の持ち味は1500mで鍛えたスピードの切れ味。この日のレースでもその持ち味をいかんなく発揮した。小雨が降り、風が舞う悪コンディションの中で福士加代子の背後にぴったりつけ、残り1000mとなったバックストレートで一気にスパート。その時点で勝利とA標準突破を確信したのか、かすかに笑みを浮かべていた吉川の表情が印象的だった。

 福士は2位に終わったものの、積極的にレースを引っ張って31分43秒25で再びA標準を上回った。絹川愛は2人に徐々に引き離され32分20秒34で3位。昨年6月に出した自己ベストを1分以上下回るやや不本意な結果となった。ただ前回の北京五輪では上位3人がすんなり代表に選ばれており、福士、絹川の代表入りもほぼ間違いないだろう(11日追記=絹川は残念ながら代表に選出されませんでした)。5000mではこの日戦った吉川、福士、絹川に加え5000m1本に絞ってきた新谷の計4人がすでにA標準を突破ずみ。10日の5000m決勝がますますおもしろくなってきた。

【女子100m 予選トップは高校2年の土井杏南】

 女子100mの決勝進出者と予選タイムは次の通り。①土井杏南=11秒47②福島千里=11秒51③石田智子③高橋萌木子③今井沙緒里=以上11秒71⑥和田麻希=11秒72⑦佐野夢加⑦渡辺真弓=以上11秒74

 16歳土井が追い風に恵まれた面もあるが、予選タイムでは第一人者の福島を0.04秒上回った。2人は他の決勝進出者のタイムを大きく上回っており、決勝でも2人の対決が注目を集めそうだ。土井は4月29日の織田記念予選で11秒53、決勝で11秒50、5月13日の高校総体埼玉県予選で11秒43と11秒45、そしてこの日は11秒47と確実に11秒50を切っており、決勝では自己ベストのさらなる更新、できればA標準突破への期待もかかる。

 残念なのは昨年、2年ぶりに女子400mリレーで日本記録を塗り替えたメンバーが決勝進出を果たせなかったこと。その時の第1走北風沙織、アンカーの市川華菜、それにリレー代表候補の1人でもある岡部奈緒がそろって予選で敗退してしまった。陸連関係者も予想外だったのではないだろうか。ロンドン五輪でリレー選手のエントリーは最大で6人。代表の発表は少し先になりそうだが、まずは9日の決勝で福島、土井に加え、高橋、石田、渡辺らがどんな走りを見せてくれるのか注目したい。

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