【大阪大会後の25日にも代表12人発表 大友は?栗原は?】
ロンドン五輪バレーボール女子の前哨戦、ワールドグランプリは予選ラウンドも22~24日の大阪大会(大阪市中央体育館)の3試合を残すだけ。真鍋監督はワールドGPの狙いを「五輪に出場する12人の絞り込み」とし、これまでの6試合でも控えや出場機会が少なかった選手を積極的に起用してきた。大阪大会直後には代表候補17人の中から12人が発表される予定。大阪大会は代表入りが微妙な選手にとって生き残りをかけた最後のアピールの舞台となる。
中でも注目されるのがミドルブロッカーの代表選出。五輪世界最終予選では荒木、岩坂、平井の3人が起用され、大友は右膝のけが、井上は肩の故障もあって代表から外れた。この2人は2010年世界選手権での銅メダル獲得に貢献し、経験も実績も豊富なベテラン。世界最終予選で日本は外国勢の高いスパイクとブロックにうまく対応できずに苦戦した。五輪でも高さ対策がカギを握るとみられるだけに、ミドルブロッカーの役割は極めて重要。
【真鍋監督「井上、大友とも持ち味を発揮」】
大友は第2戦のキューバ戦に先発起用された。試合は1―3で敗れたものの、得意の移動攻撃やブロックなどでチーム最多の16点を挙げ、スパイク決定率も55%と活躍した。結婚―引退―長女出産―復帰―離婚を経験し、一回り大きくなって戻ってきたという印象だ。井上も6戦中4戦でスタメン起用された。代表でのプレーは10年の世界選手権以来。第5戦のプエルトリコ戦後、真鍋監督は「井上、大友は世界最終予選には間に合わなかったが、2人とも順調に回復し持ち味を出してくれている」と評価していた。
最終予選出場組の平井、岩坂の2人も要所でブロックを決めるなど役割を果たしている。ミドルブロッカー5人のうち、代表入りが確実なのは今のところ荒木だけ。大友、井上のベテラン勢が復活をアピールする中で、誰を代表に選ぶか真鍋監督も頭が痛いところだろう。外国勢への高さ対策としてミドルブロッカーの代表を3人から4人に増やすという選択肢も考えられる。
【栗原、厳しい立場に。山口、石田、新鍋の代表入りは?】
ウイングスパイカーの世界最終予選メンバーは木村、江畑、山口、狩野、迫田、新鍋の6人だった。代表候補にはベテランの栗原や石田もいる。果たして入れ替えはあるのか? 栗原と石田は第4戦のドミニカ共和国戦にスタメン起用され、石田が12点、栗原が11点を挙げた。真鍋監督が重視するのがスパイクの効果率(決定数から失点数を引き総打数で割った数字)。監督は試合後「栗原の出来は普通。石田は効果率が高く素晴らしい活躍」と微妙に評価は分かれた。しかも栗原は16日のタイ戦で左足首を痛め途中交代。なかなか厳しい立場に追い込まれているが、岩坂とともに身長187cmというチーム一の長身スパイカーだけに代表入りが期待される。
ウイングスパイカーの中で代表選出が確実なのはエースの木村。爆発力の江畑、バックアタックが武器の迫田、第3戦の韓国戦でチーム最多の20点を挙げた狩野もほぼ間違いないだろう。変幻自在の動きで外国勢から〝忍者〟と嫌がられている山口も捨てがたい。新鍋は6戦中4戦でスタメン起用されてきた。栗原、石田が世界最終予選組の中に割って入ることができるのか? セッターは竹下とサブの中道の2人が代表入りか。守備の要リベロは第1戦から第6戦まで座安が先発起用されてきたが、本命はやはり佐野だろう。五輪への生き残り戦は大阪でいよいよ最終段階を迎える。
【ワールドGP決勝ラウンドは27日から中国・寧波で】ワールドグランプリには16カ国が参加しており、予選ラウンドで9試合を戦う。日本は控え主体の選手起用ということもあって、6試合終わったところで3勝3敗の勝ち点10。22日からの大阪大会の相手はドイツ、トルコ、韓国。決勝ラウンド(中国・寧波、27日~7月1日)には開催国中国と、中国を除く上位5カ国の計6チームが進出する。