【20年前に復活、河内音頭と江州音頭に乗って】
奈良で「盆踊りの踊り納め」といわれる東大寺の「十七夜盆踊り」が17日、お水取りで知られる二月堂下の広場で行われた。起源は不明だが、江戸時代末期にはすでに行われていたらしい。昭和半ばに中断したが、約20年前の1993年に復活した。この盆踊りは「関西の踊りじまい」ともいわれる。誰でも参加OKで、幾重もの輪が広場を埋め尽くし、熱い踊りが延々2時間半続いた。
毎月17日は観音様の縁日。特に旧暦8月17日は「十七夜」と呼ばれ、多くの参拝客でにぎわう。この日、大仏殿前の鏡池南の常夜灯から二月堂に至る参道は石灯籠130基余に灯が入り、二月堂本堂周辺も願い事などを書いた手作りの灯籠約300基で飾られた。ろうそくのあかりが温かい雰囲気を醸し出す。
盆踊りは本堂での法要に続いて夕方6時半にスタート。やぐらの上で音頭取りによる河内音頭が始まると、「待ってました!」とばかりにすぐに踊りの輪が動き始めた。そろいの浴衣姿の若者や手馴れた身のこなしの中高年グループ。中には浴衣がよく似合ったかわいい金髪のお嬢さんも。この他にも外国の方の姿も目立った。河内音頭に続いて江州音頭。
二月堂の舞台から下を眺めると、さほど広くない広場は人、人、人。いつの間にか踊りの輪はやぐらを挟んで2つできていた。踊りの熱気が舞台の上まで伝わってくる。その向こうに大仏殿の大屋根。さらにその奥には奈良の市街地がキラキラと輝いていた。