【別名「万寿菊」「孔雀草」、大型のアフリカン種・中小型のフレンチ種】
メキシコなど中米原産の1年草で、春から秋にかけて次々と長く咲く。マリーゴールドは〝聖母マリアの黄金の花〟を意味する。キリスト教の「聖母の被昇天」「聖マリアの誕生」など聖母マリアの祝日にはいつも咲いている花として、その名が付いたといわれる。キク科タゲテス属。タゲテスは美の女神タゲスに由来する。
花色は黄、橙、赤など暖色系が中心。大別すると「エレクタ」種をもとに品種改良された「アフリカン・マリーゴールド」と、「パツラ」種をもとに改良された「フレンチ・マリーゴールド」がある。アフリカン種の呼び名は17世紀にイギリス軍がアフリカ遠征の際に現地に持ち込まれ栽培されたことによるという。草丈が高く、花径も7~10cmと大型の品種が多い。別名「センジュギク(千寿菊)」。
一方、フレンチ種は最初にフランスの王宮で栽培されたことによる。草丈30~40cm、花径3~6cmほどで中小型の品種が多い。日本には江戸時代前期に渡ってきた。こちらの別名は「マンジュギク(万寿菊)」や「コウオウソウ(紅黄草)」。アフリカン種とフレンチ種を掛け合わせたものは「アフロフレンチ・マリーゴールド」と呼ばれ、花が大きく草丈が低いのが特徴。
フレンチ種には「クジャクソウ(孔雀草)」という美しい呼び名もある。ただ、同じキク科の多年草クジャクアスターや、1年草のハルシャギク(別名ジャノメソウ=蛇の目草)もクジャクソウと呼ばれることがあるので少々紛らわしい。「地下墓室(カタコンベ)出でマリーゴールド眩し」(久根美和子)。