【夜咲きは芳香で花粉媒介者を誘引、見頃は今月末頃まで】
大阪市立大学理学部付属植物園(大阪府交野市)で、熱帯性スイレンがあでやかな花姿を見せている。熱帯性は温帯性に比べ花色が多彩で、青や紫色は熱帯性にしかないという。温帯性スイレンは早朝に咲いて夕方しぼむが、熱帯性には昼咲きのほか、日没後に開いて翌日午前中に閉じる夜咲きがあるというのも特徴の一つ。見頃は10月末頃まで。
同植物園のスイレンは入り口すぐそばの横長の大きな水槽で、熱帯性と温帯性が別々に展示されている。入って左手が熱帯性、右手が温帯性。熱帯性スイレンは水面すれすれに浮かんだように咲く温帯性と違って、花茎を水面から20~30cmほど伸ばして咲くものが多い。熱帯性には葉の縁にノコギリ状のギザギザの切れ込みが入るという特徴もある。
夜咲きの熱帯性スイレンは開花するとともに強い芳香を放つものが多い。その芳香で花粉媒介者の夜行性動物(ガや甲虫など)を誘引し花粉を運んでもらう。同植物園では夜咲きスイレンの幻想的な開花の様子を見てもらおうと、毎年、夜間に特別開園している。今年も8月28~29日に実施し、2日間で37人が参加したそうだ。
写真のスイレンは1段目=㊧レッドフレアー㊨アズレア、2段目=㊧セントルイス・ゴールド㊨マルーン・ビューティー、3段目=㊧コロラタ㊨エミリー・グラント・ハッチング、4段目=㊧H.C.ハースティック㊨ディレクターG.T.ムーア