こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある地方商店街の小さな一歩」<その11>
「みなさん、ちょっと聞いてください」と言って本田がまた立ち上がった。
「今考えたことではなく、これも考えてきたことですが、話の方向がなんだかそっちを向いてきたようですので、私からもうひとつだけ、みなさんから猛反対は覚悟でご提案します」と言って話し始めた。
「それは、今の役員の方には全員やめていただき、新しい役員をすべて女性で行うようにしてほしいんです。そうすることでまた違った観点で商店街を見ることができると思います。今まで見えていなかった消費者のニーズも、また違った角度からよく分かるようになるんじゃないかなって期待しています。
また、できたら理事長は専任の方がいいですね。誰かこういった商店街に詳しい方かもしくは、消費生活に詳しい方を迎えて、町の活性化を常に考えてもらえる人を。以上です」
本田の言葉が終わると、また場内が総立ちになるような騒ぎになった。
「なんだと! 言わせておけばいい気になりやがって!」
「もういい、出ていけっ!」
「なんにもわからない奴が、わかったような顔で、好きなこと言いやがって。もう我慢できん!」
そんな騒がしくなった会場のどこかからゆっくりと、そしてやがては大きく拍手の音が、騒ぎ始めた人たちの声を圧するように聞こえてきた。
拍手はやがて、ひとりからふたり、そして騒ぎを鎮めていくほどに増えていった。
本田が拍手の音が聞こえるあたりに目をやると、そこには50代に見える男性と、彼よりも少し年をとったように思われる女性が、そして少し離れたところにも一人立ち上がり、拍手をしている女性がいるのが判った。
いつの間にか騒ぐ声がなくなり、拍手だけが響いていた。
「米田さん、奥さん――」
田島がその男女を見て呟いた。
「それに増野さん」
「ちょっといいですか、喋らせてもらって」
声をあげたのは、田島から米田さんと呼ばれた男女の内の女性の方だった。
「あ、どうぞ」
田島は反射的に答えた。
「今までじっと聞いていました。本田さん、ですか。
その人の言ってることは真っ当なことばかりで、何も変わったところはないと思いませんか。
それを今までとはちょっと違っていると感じるわれわれの方が、何か今までおごってたように思うところがあるんですが、違います?
本田さんの言われるように、きちんと今までお客さんの方を見て商売してきたら、こんなことにはなっていないと思うんです。
昔の商店街が栄えた頃のあの繁盛が忘れられないで、何かそのことにみんなしがみついてきたんじゃないでしょうか。
そんな夢を本田さんにゆり起こされて、まだ眠いからって怒っているだけじゃないんですか、みなさん。
もう目を覚ましても、いいんじゃない?
今、主人とも話していたんですけど、本田さんのご提案、いっそのこと全員今の役員の方に解散してもらって、新しく女の人ばかりで組織してみたいなと思いました。
そしたら何か、今までイベントばっかりに頼ってきた販促を、もっと違った見方で考えていけるんじゃない?
そう思いません?」
もう一人の女性、田島が増野さん呼んだ女性が、そのあとを引き取った。
「増野さんもそういったご意見ですか?」
田島がもう一人の女性に尋ねた。
「ええ、そう思います。今ならまだ何とか間に合うんじゃないかって」
増野さんは、うつむきながらも、はっきりした声で言った。
「ご意見ありがとうございます。それではとりあえずみなさん、もう一度座って、冷静に考えてみましょうよ。こんないい機会はもうないと思うんです」
「賛成!」
どこかからそういう声が上がった。
それに続いてあちこちから「賛成!」の声が上がった。
つづく
<12>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)
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「ある地方商店街の小さな一歩」<その11>
「みなさん、ちょっと聞いてください」と言って本田がまた立ち上がった。
「今考えたことではなく、これも考えてきたことですが、話の方向がなんだかそっちを向いてきたようですので、私からもうひとつだけ、みなさんから猛反対は覚悟でご提案します」と言って話し始めた。
「それは、今の役員の方には全員やめていただき、新しい役員をすべて女性で行うようにしてほしいんです。そうすることでまた違った観点で商店街を見ることができると思います。今まで見えていなかった消費者のニーズも、また違った角度からよく分かるようになるんじゃないかなって期待しています。
また、できたら理事長は専任の方がいいですね。誰かこういった商店街に詳しい方かもしくは、消費生活に詳しい方を迎えて、町の活性化を常に考えてもらえる人を。以上です」
本田の言葉が終わると、また場内が総立ちになるような騒ぎになった。
「なんだと! 言わせておけばいい気になりやがって!」
「もういい、出ていけっ!」
「なんにもわからない奴が、わかったような顔で、好きなこと言いやがって。もう我慢できん!」
そんな騒がしくなった会場のどこかからゆっくりと、そしてやがては大きく拍手の音が、騒ぎ始めた人たちの声を圧するように聞こえてきた。
拍手はやがて、ひとりからふたり、そして騒ぎを鎮めていくほどに増えていった。
本田が拍手の音が聞こえるあたりに目をやると、そこには50代に見える男性と、彼よりも少し年をとったように思われる女性が、そして少し離れたところにも一人立ち上がり、拍手をしている女性がいるのが判った。
いつの間にか騒ぐ声がなくなり、拍手だけが響いていた。
「米田さん、奥さん――」
田島がその男女を見て呟いた。
「それに増野さん」
「ちょっといいですか、喋らせてもらって」
声をあげたのは、田島から米田さんと呼ばれた男女の内の女性の方だった。
「あ、どうぞ」
田島は反射的に答えた。
「今までじっと聞いていました。本田さん、ですか。
その人の言ってることは真っ当なことばかりで、何も変わったところはないと思いませんか。
それを今までとはちょっと違っていると感じるわれわれの方が、何か今までおごってたように思うところがあるんですが、違います?
本田さんの言われるように、きちんと今までお客さんの方を見て商売してきたら、こんなことにはなっていないと思うんです。
昔の商店街が栄えた頃のあの繁盛が忘れられないで、何かそのことにみんなしがみついてきたんじゃないでしょうか。
そんな夢を本田さんにゆり起こされて、まだ眠いからって怒っているだけじゃないんですか、みなさん。
もう目を覚ましても、いいんじゃない?
今、主人とも話していたんですけど、本田さんのご提案、いっそのこと全員今の役員の方に解散してもらって、新しく女の人ばかりで組織してみたいなと思いました。
そしたら何か、今までイベントばっかりに頼ってきた販促を、もっと違った見方で考えていけるんじゃない?
そう思いません?」
もう一人の女性、田島が増野さん呼んだ女性が、そのあとを引き取った。
「増野さんもそういったご意見ですか?」
田島がもう一人の女性に尋ねた。
「ええ、そう思います。今ならまだ何とか間に合うんじゃないかって」
増野さんは、うつむきながらも、はっきりした声で言った。
「ご意見ありがとうございます。それではとりあえずみなさん、もう一度座って、冷静に考えてみましょうよ。こんないい機会はもうないと思うんです」
「賛成!」
どこかからそういう声が上がった。
それに続いてあちこちから「賛成!」の声が上がった。
つづく
<12>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
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