こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある地方商店街の小さな一歩」<その12>
「どうでしょう。今の米田さんの意見を動議と見て、私の方から提案したいと思うんですが――」
一瞬場内が静かになったあと、それがいい、という声が聞こえてきた。
「じゃあそういうことで、それでは決を採りたいと思います。
まずこの役員会全員の罷免と言いますか、それじゃわれわれが何か悪いことやったみたいだな」と田島が苦笑すると、今まで難しい顔をしていた会場内のみんなの顔がいっせいにほころんだ。
「罷免じゃなくて、ですね、ええと何がいいかな。あ、そうだ自主的な退任ということで。
ええ、その、役員全員の退任について賛成の方、挙手をお願いします」
田島が言うと、しばらく躊躇していた手が、ぽつぽつと上がり始め、会場内のほとんどの手が上がった。
「それでは賛成多数ということで、われわれ役員の自主退任が決せられました。
今まで長きに渡り役員を務められてきたみなさん、私もその一員ですが、ご苦労様でした。
みなさん旧役員のみなさんに暖かい拍手をお願いします」
役員一度は立ち上がり、深々と礼をした。
「ありがとうございました」
田島が全員を代表して言った。
「はい、それでは今から、また議長を選出しなければならないんですが、時間もあまりありませんので、このまま私が議長を務めさせていただいてもよろしいでしょうか」
「賛成!」
「お願いします!」
会場からたくさんの声が上がった。
「ええ、それでは議長として、これからの組合を運営していただく役員の方を選出をしたいと思います。
お判りのように、今回の役員には男は御法度ですので、その点ご承知置きください」
田島がユーモアたっぷりに笑いながら言ったので、会場内から拍手と、笑いが響いた。
「それではどなたか役員の方を推薦してください。お願いします。
もちろんご自分で立候補されても結構です」
「米田さんがやはり適任だろ」
「そうだ!」
誰もが、やはり最初に言い出した米田さんを理事長にと推す声がたくさん上がり、それが一挙に認められそうな雰囲気になった。
「ちょっと待ってください。ちょっと! 私はとても理事長なんか務まりません。経験がないんですもん」
米田さんがまた立ち上がって、拒む姿勢を見せた。
その声に、会場内から新たな声が上がりそうになった。
「そうだよ、経験のない人になってもらったって、混乱するだけじゃないか」
小さな声が数カ所から聞こえた。
「いえ、経験がないからいいんですよ」
本田が助け舟を出した。
「みなさん、経験って何ですか。今までの経験があったら、私にはそれが邪魔になると思います。
新しい発想も、その経験が邪魔をして、これはできないだろうなんて、意識しなくても考えてしまうんです。
それよりも、何でもやってみることができる、未経験の人がチャレンジした方が簡単にうまく行くということもあります。
経験者でなければならない事務手続きやそんなことは、経験者の方がバックアップしてあげればそれで済むことじゃないですか。
この場合は経験が新しい発想を邪魔するんですよ。いいじゃないですか」
「私もそう思うな。事務手続きや役所なんかとのパイプ役は俺たちがやってあげればいいじゃないか。そんなに忙しくないんだから」
前理事長、現議長がの田島が発言した。
「ね、いいですね。私も米田さんに1票入れます。米田さんは実行力というか、何でも押し通すようなバイタリティがありますから、大丈夫ですよ。
むしろ役所なんか米田さんが交渉した方が、相手だってすぐにOKしてくれますよ、きっと」
「賛成!」
「いいね!」
「よし!」
会場からまた賛成の声がたくさん上がった。
「それではもう決を採らなくても賛成多数ということでよろしいですね、米田さんで。
もし異議があるなら、今の内におっしゃってください」
すかさず「異議なし!」の声が一人から上がり、その声に和して、方々から「賛成!」の声がこだました。
「それでは、賛成多数により、米田さんに次の理事長を引き受けていただくことになりました。
米田さん、こちらに来ていただいて、ひと言ごあいさつをお願いします」
「ええ、困ったなあ」
米田さんはしょうがなさそうに立ち上がり、前の方にやってきた。
つづく
<13>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
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群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)
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「ある地方商店街の小さな一歩」<その12>
「どうでしょう。今の米田さんの意見を動議と見て、私の方から提案したいと思うんですが――」
一瞬場内が静かになったあと、それがいい、という声が聞こえてきた。
「じゃあそういうことで、それでは決を採りたいと思います。
まずこの役員会全員の罷免と言いますか、それじゃわれわれが何か悪いことやったみたいだな」と田島が苦笑すると、今まで難しい顔をしていた会場内のみんなの顔がいっせいにほころんだ。
「罷免じゃなくて、ですね、ええと何がいいかな。あ、そうだ自主的な退任ということで。
ええ、その、役員全員の退任について賛成の方、挙手をお願いします」
田島が言うと、しばらく躊躇していた手が、ぽつぽつと上がり始め、会場内のほとんどの手が上がった。
「それでは賛成多数ということで、われわれ役員の自主退任が決せられました。
今まで長きに渡り役員を務められてきたみなさん、私もその一員ですが、ご苦労様でした。
みなさん旧役員のみなさんに暖かい拍手をお願いします」
役員一度は立ち上がり、深々と礼をした。
「ありがとうございました」
田島が全員を代表して言った。
「はい、それでは今から、また議長を選出しなければならないんですが、時間もあまりありませんので、このまま私が議長を務めさせていただいてもよろしいでしょうか」
「賛成!」
「お願いします!」
会場からたくさんの声が上がった。
「ええ、それでは議長として、これからの組合を運営していただく役員の方を選出をしたいと思います。
お判りのように、今回の役員には男は御法度ですので、その点ご承知置きください」
田島がユーモアたっぷりに笑いながら言ったので、会場内から拍手と、笑いが響いた。
「それではどなたか役員の方を推薦してください。お願いします。
もちろんご自分で立候補されても結構です」
「米田さんがやはり適任だろ」
「そうだ!」
誰もが、やはり最初に言い出した米田さんを理事長にと推す声がたくさん上がり、それが一挙に認められそうな雰囲気になった。
「ちょっと待ってください。ちょっと! 私はとても理事長なんか務まりません。経験がないんですもん」
米田さんがまた立ち上がって、拒む姿勢を見せた。
その声に、会場内から新たな声が上がりそうになった。
「そうだよ、経験のない人になってもらったって、混乱するだけじゃないか」
小さな声が数カ所から聞こえた。
「いえ、経験がないからいいんですよ」
本田が助け舟を出した。
「みなさん、経験って何ですか。今までの経験があったら、私にはそれが邪魔になると思います。
新しい発想も、その経験が邪魔をして、これはできないだろうなんて、意識しなくても考えてしまうんです。
それよりも、何でもやってみることができる、未経験の人がチャレンジした方が簡単にうまく行くということもあります。
経験者でなければならない事務手続きやそんなことは、経験者の方がバックアップしてあげればそれで済むことじゃないですか。
この場合は経験が新しい発想を邪魔するんですよ。いいじゃないですか」
「私もそう思うな。事務手続きや役所なんかとのパイプ役は俺たちがやってあげればいいじゃないか。そんなに忙しくないんだから」
前理事長、現議長がの田島が発言した。
「ね、いいですね。私も米田さんに1票入れます。米田さんは実行力というか、何でも押し通すようなバイタリティがありますから、大丈夫ですよ。
むしろ役所なんか米田さんが交渉した方が、相手だってすぐにOKしてくれますよ、きっと」
「賛成!」
「いいね!」
「よし!」
会場からまた賛成の声がたくさん上がった。
「それではもう決を採らなくても賛成多数ということでよろしいですね、米田さんで。
もし異議があるなら、今の内におっしゃってください」
すかさず「異議なし!」の声が一人から上がり、その声に和して、方々から「賛成!」の声がこだました。
「それでは、賛成多数により、米田さんに次の理事長を引き受けていただくことになりました。
米田さん、こちらに来ていただいて、ひと言ごあいさつをお願いします」
「ええ、困ったなあ」
米田さんはしょうがなさそうに立ち上がり、前の方にやってきた。
つづく
<13>へつづく。
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