喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

ふるき良き、もう霊(モウリョウ)

2010-08-17 | ブログ
 もう霊の最後は、
写真のように、自分の歳の数だけ
まなご石を拾い、浜辺にある神様と仏様に
捧げます。

 私の場合は、42個。
父のように70歳もこえる人たちは、
拾うのがたいへんです。

 みなさん、それをお互いに笑いながら、
「武兄よ、たいがいでいいんよ。おら、手でいっぺんにすくったで。」
などと言い合い、拾っています。

 一つずつ数えながらていねいに石を拾う父を横で見ながら、
思わず涙が出そうになりました。

 ふるき伝統の中に「感謝」という
最も大切な心が宿っているようです。

                   岬人(はなんちゅう)
              

平礒のもう霊(モウリョウ)

2010-08-17 | ブログ
 もう霊は、国の無形民俗文化財。

 鉦や太鼓に合わせて円を描き歩いた後は、
写真のように、それぞれみなさんが持っていた笹を
集め束にして、海に流します。

 このような伝統行事には、
お年寄りの関わりが欠かせません。

 田舎には、それぞれの世代に応じた役割が
はっきりと残されています。

                   岬人

文化庁の選択無形民族文化財に指定される

2010-08-17 | ブログ
 佐田岬半島には、古いお盆行事がそこここで遺っていて、
受けつがれています。
 
 平礒でも、写真のような「もう霊(もうりょう)」を行います。
鉦(カネ)や太鼓に合わせ、円を描いて歩くという簡単なものです。
 カネをたたく人が、
「氏神さま、お受け取りなされ」
「氏仏さま、お受け取りなされ」
「そうたん殿、お受け取りなされ」
そして、この1年で亡くなった方がいれば
「○○殿、お受け取りなされ」
と言って、合図を出します。

 それに合わせて、周りの人が
「南無阿弥どう~」というおそらく
「南無阿弥陀仏」という言葉が変化したものを
となえながら、円を描いて歩きます。

 これら伊方町の佐田岬半島特有の
「もう霊」「モウナの人形回し」「おしょろ船」
という3つの初盆行事は、
文化庁の選択無形民族文化財に、今春選ばれました。

 すごく大切な伝統行事です。

 先祖に感謝そして供養するという
ふるき良き習慣をこれからも、まもっていきます。

                 岬人