喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

第8回地域教育実践交流集会に向けて  「教育の地産地消」

2016-03-10 | 地域づくり
平成27年12月5・6日に開かれた地域教育実践交流集会をふり返る。



 以前、実行委員会代表の讃岐幸治先生が、次のようなことを言われていた。

『どこの商店街も閑散としている。
八百屋やタバコ屋までも店を閉め、シャッター通りと化している。
 その代り、繁盛しているのが、全国規模のコンビニ、スーパー、大型の量販店などのチェーン店だ。
それらのチェーン店は値段も安いし、品も揃っており、
深夜営業のところもあり、便利で使い勝手がいい。

 ただ、そこの商品の多くは、地場以外のところから仕入れたものがほとんどで、
消費者は、生産者がだれかを知ることもなく、ただ買うだけ。
 また、利益はチェーン店の本部のある都市部に持っていかれ、地元にお金が落ちることは少ない。
 
 こうしたあり方に変化が起こっている。
 個人レベルでは、自分が食する野菜ぐらいは自分でつくろうと、一坪農園が盛んだし、
家のこまごました修理ぐらいは自分でやろうと、DIY(ホームセンター)がはやっている。
 アルビン・トフラーのいう「生産=消費者」の復権である。

 地域レベルでも、地域で生産したものをできるだけ地域で消費しよう。
そういう「地産地消」運動が起こっている。
 農産物直売所、道の駅、軽トラ市などがそうだ。
生産者と消費者が顔の見える関係にあり、その活動を通して、地域の存在感を高め、地域の価値を高めよう。
こういう動きが盛んになった。

「生産=消費者」や「地産地消」は、なにも経済の分野だけでなく、
教育の分野でも起こっている。
 かつては音楽会や映画館に観客として行っていたが、それだけでなく、いま合唱団に所属し、
第九を歌ったり、オペラや演劇で自ら出演する人が多くなった。
「音楽鑑賞」から「カラオケ」へ、「カラオケ」から「シンガーソングライター」へ移ってきているのである。

 学習活動にしても、地域の歴史、文化・産業について、その道の専門家から教えてもらうだけでなく、
自ら実地に出向き、生資料を発掘し、調査研究し、その成果をまとめあげていく。
 受講者(消費者)としてだけでなく、研究者(生産者)として学習活動していく傾向にある。

 また、地域の受益者から地域の担い手へと変わりつつある。
 地域レベルになると、もっとダイナミックだ。
各人が身につけた知識・技術、経験、持ち味など(生産したもの)をわが身にとどめておくのではなく(知的便秘状態)、
それらを体外に排出(消費・活用)していく。
 循環型教育といったらいいか、「知的おすそ分け文化」に満ちた地域づくりがはじまっている。

 住民一人ひとりを名人にしていく。
寄贈本を集めて図書室をつくる。
子どもの絵画をもとにまちを美術館にする。
 体験学習のための農家の民宿化、古民家を公民館ならず公民家にするなどなど。
こうした動きを「教育の地産地消」と呼んでもいいだろう。

 いま必要なのは、地域に学び、地域で育み、地域を創る教育、
いわゆる教育の地産地消の風土、しくみをつくりあげていくことである
。』






 教育の地産地消。

 現在、ふるさとの平礒では、喜久家国際ワークキャンプが開かれており、
国内外の13名の若者たちが共に地域づくりに関わってくれている。

 教育の地産地消の風土、そしてしくみづくり。
もっともっとおもしろいものになりそうだ。

           岬人(はなんちゅう)

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