僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

MIDI

2007-03-24 | Weblog

音楽をやったことがある人ならたぶん「MIDI」という言葉を聞いたことがあると思う。
これは、「Musical Instruments Digital Interface」 の略で、簡単に言うと、
コンピューター等の電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための規格。

実はこの規格、1983年にMIDI仕様1.0が公開されたということやから、もう25年
近くも前に出来上がっていたもの。なのに、今でもこの規格は
変わることがなく、最新
の電子機器にも25年前と(おそらく)同じMIDI規格が採用されている。

パソコンが初めて世に出たのが1970年台の後半で、普及し始めたのは1980年
代に入ってから。知っての通り、パソコンは日進月歩で進化し、25年も前の規格が
そのまま今も生きていて最新の規格と互換性を持っているなんてことは皆無や。

そやのに、このMIDI規格はずっと変わることなく、25年前の電子機器と最新の電
子機器間でのデータ転送が問題なくできる。そのおかげで、俺が20年近く前に買っ
た電子楽器もこのMIDI規格によって、最新のパソコンと接続して使うことができる
わけよ。


確か司馬遼太郎さんやったと思うけど、こんなことを言うたはった。
「たとえば都市の交通システムなんてのは、最初から練密に計画されて出来上がっ
たものよりも、後から継ぎ足したり変更したりしたもののほうが、間違いなくよく出来
たシステムになる。つまりあまり机上で考えすぎても時代の変化についていけないも
のは、ある程度のところで、「えいやっ」と始めて後から修正するというやり方のほうが
システムを構築する時には大切なのだ」
と。

MIDI規格と交通システムとでは、もちろん重要度も利用者の数でも比べもんにな
らんにしても、改めてこの話と前述のパソコンの進化の話と合わせて考えると、25
年間も規格を変更せずに現代の最新機器に対応してるこのMIDI規格というのは、
俺達凡人にはにわかには考えもつかないほど、驚異的な先見性と技術を持った天
才が可能にしたシステムということなんやね。

ところで、そういう天才も俺達凡人も同じ人間、誰にでもきっと先を見る目というの
は少なからずあるはず。

25年ほど前から自分の将来は単なるエロじじいと予想していた俺の目も意外と捨
てたもんやないかもね。