孫が生まれて、早や2週間近く。泣いても笑っても、寝ても起きても、全ての行動が愛おしく、
その小さな命は世界中の嵐を合わせたような猛威で家族の愛情をかき集めていく。
特にひ孫を授かった俺の母や、嫁のご両親は、その顔を見るだけで元気になっていくのが目
に見えて分かるほどで、同居するという昔からの家族のあり方の素晴らしさも今ひしひしと実
感している。
先週末、千葉に行っている長女が甥との初対面を果たすために2日間だけ帰ってきた。まぁ、
当然のごとく他の皆と同じように可愛い可愛いを連発してた訳やけど、留学先で生後2ヶ月
の赤ちゃんの世話を1年間してたこともあり、抱き方なんかは子供を生んだ次女よりも上手な
くらいで感心したな。
で、そういう訳で長女が帰ってきていて、家族で色々と話をしてたら、その中にとても微笑ま
しい話があった。それはまだ姉妹が幼稚園か小学生になったばかりの頃。
当時、頭を洗うのが嫌いだった長女は頭を洗わず、次女に「今日頭洗わへんかったことお父
さんとおかあさんにはナイショやで、その代わりこのあいだの“こと”はナイショにしたげるから」
と、いい、頭を洗わずにいたことが何度もあったらしい。
そして、次女にとってのその“こと”というのは、「庭にあった芝生の一部を剥がしてしまったこ
と」らしく、その時一緒にいた長女に、「お父さんとお母さんにはナイショやで」ということで、
秘密同盟のようなものを結んでいたらしい。
もう15年くらい前の話になるんやろうけど、その話を聞いた時にはなんとも言えない愛おしさ
というか、なんといい姉妹でいてくれたんや、という感動があって、孫の誕生以上に嬉しい思
いをさせてもらった。
俺達夫婦、両親、子供達、孫、犬の優。この家族が生み出すものは、いかなるものにも勝る。
この話はナイショにしておかなくてもいいような気がした。