僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

勲章2

2020-07-22 | Weblog
男の子の怪我が勲章であるように、ギターの傷も勲章だと思っている。
もちろん傷がないギターが嫌いな訳でもなければ価値がないと思っている訳ではないが、傷はどれだけそのギターが活躍し、音が良くなっていってるかを示すバロメーターだと思うからだ。
私は世界に一台しかないギターを持っている。誰かが特注したものを中古で手に入れたのだが、新品価格は松坂入団時の背番号×00,000という代物だ。音は太く澄んでいて、他のギターでは絶対に出せない色気を持っている。ビジュアルはシンプルなのにとんでもなく美しく、弾いてよし、眺めてよしのプレーヤーもコレクターも満足させる逸品である。
でも私はそんなギターでもライブで使いたいのでピックアップを付けたいと思い、購入した楽器店に持ち込んだら、ホントに付けてもいいんですか?なんて念を押されてしまった。こんな高級ギターは普通加工しませんよ、とのことらしい。しかも持ち込んだ時のケースが軽く薄いケースだったので、こんなのに入れて持って来はったんですか!?なんて呆れられる始末で。
でも家に飾っておいても私にとっては意味がない。とにかくライブで使いたいから付けてくれということでピックアップを取り付けてもらった。それからというもの、やはりあちこちのライブハウスで当然の如く傷が増えていく。あとは野となれ山となれ状態である。その後も自分で手を加えたりリペアマンに頼んでポジションマークを大きくしてもらったりとオリジナルとはかなり違う仕様になって傷も増えていったが、その分弾き込んでいる訳で音はどんどん良くなってくる。工芸品としての価値は下がってしまったが楽器としての価値は大きく上がった。
私の人生62年も傷だらけ。せめて人としての価値が少しでも上がっていればいいのだが。


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