フクロウの生息する高原・清里より

八ヶ岳と周辺の生き物を紹介

サンコウチョウ(黒短雄)の営巣

2022-07-30 16:46:27 | Birds
サンコウチョウのオスには3つのタイプがあり、いずれも繁殖能力があるという。 
長雄: 背が黒褐色で尾羽がとても長い(一般的にみられるオス)
黒短雄: 背が黒褐色で尾羽が短い
茶短雄: 背が茶色で尾羽が短い
今までに何回か「長雄」の営巣を観察したが、今年は「黒短雄」の営巣を見ることができた。
(巣立ち5日前)黒短雄。尾羽が短いのは残念だが、オスに特有のコバルトブルーの眼瞼輪が神々しい。
嘴の両側に長い立派なヒゲがある。イケメンだねぇ。
雛は4羽。左の雛は、もらったばかりのアブのような虫を食べている。

巣は斜めに伸びるツルに作られて、表面にはウメノキゴケが貼られている。
ほんの6~7m離れた場所にヒヨドリの巣があり、ほぼ同じペースで雛が育っていたが、ヒヨドリの雛のほうが1~2日早く巣立ったようだ。
https://blog.goo.ne.jp/kiyosato_001/e/5b9470a8bfec17b760da73d5dfb2da8e
サンコウチョウの巣に近づくと、ヒヨドリがキーキーと警戒の鳴き声をあげた。
近くで営巣すると共同で監視できるので、お互いにメリットがありそうだが、意図的にそうしているのかは分からない。
給餌に来たメス。小さな虫をくわえている。
給餌を終えたメスは、オスが戻るまで巣の横に止まって待っていた。
オスが巣の近くまで来てホイホイホイ!と囀ると、メスと雛たちが一斉にオスの声の方向を向いた。
「パパ来た~」と思っているみたい。雛はまだ目が開いていないが、親鳥の声は分かるのかな?
(巣立ち2日前)オスが黄色い蛾を持ってきた。
雛が尻を突き出して糞を出すところ。
親鳥は糞を取って、遠くに捨てる(雛が小さいうちは、親鳥が糞を飲み込んでしまい、そのまま抱雛することもあるようだ)。
(巣立ち前日)セミのような胴体の太い昆虫をオスが給餌中。
給餌後のメス。右端の雛は、トンボを食べている。

産卵は7月初旬ころ。梅雨末期のような雨の中で抱卵していたので心配していたが、無事に卵は孵り雛はすくすくと育った。
巣立ちは7月28日。私が今までに観察した中では最も遅い。

「長雄」は、営巣を終えた後に長い尾羽を落とすとされる。
今回観察したオスは、「長雄」が早めに尾羽を落としたという可能性も除外できない。
念のため、雛の巣立ち後に周辺を捜索してみたが、長い尾羽は見つからなかった。

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