第52話. 『Guess I'm Dumb』

2017-09-03 02:43:39 | 気になった音楽
湖畔人です。

物騒な状況がやって来る前に以前から一度やってみたかった音楽に関するブログです。

私は、無類のPOPS好きなのですが、今日は、夏の終わりを感じさせる曲の一つについてのお話です。

子供の頃は、湖畔ではなく、海辺に住んでいたのですが、周りにはビンテージのビートルやカルマンギアにサーフボードを載せて走るハイセンスなお兄様やお姉様方が沢山いらして、彼らが聴いていたのが、山下達郎さんや大瀧詠一さん、それにアメリカンオールディーズの曲を聴いていた方が多かったのですが、彼らの影響をモロに受けていたオマセな子供の自分は、同じように、達郎さんや、大瀧さん、アメリカンオールディーズの曲を夢中で聴いてた時期もございました。

特に、海水浴客が余りいなくなった8月後半から9月に掛けては、達郎さんの珠玉のアルバム『MELODIES』の『悲しみのJODY』や、『Guess I'm Dumb』を特に好んで聴いていたと思います。

両方とも、失恋に近い感じの歌詞内容なのですが、夏の終わりを悲しむ切なさと合うのかもしれません。まあ、POPSですから、基本POPSの歌詞の多くは、好いた、惚れた、別れた、悔しいと言った恋愛絡みの曲が殆どでして、あまり、そこに何かを見出そうとは思わないのですが、バックコーラスの綺麗さや、切ないメロディーライン、ストリングスなど、空間の広さや風を感じさせる曲を好んで聴いています。その意味で両曲ともそれら条件が完璧にマッチしていまして、最高に好みのタイプの曲なのですが、特に『Guess I'm Dumb』が大好きでして、夏の終わりと言えばこの曲をよく思い出しますし、実はここ1週間程、最寄りの駅と自宅の間の車通勤時には、この二曲、特に、『Guess I'm Dumb』を聴いて夏の終わりを惜しんでいたところでした。

この曲は実は山下さんご自身の曲ではなく、ビーチボーイズのブライアンウィルソンが知人のグレンキャンベルに提供した曲でして、山下さんはその曲をカバーしている訳ですが、正直、本家であるはずのキャンベルさんの曲よりも数段、ボーカルも、コーラスも、アレンジも、スケールが大きな感じに仕上がっており、達郎さんの方がずっと素晴らしいのです。

皆さんも薄々感じている通り、達郎さんの音楽センスや存在感は、それはそれはレベルが高く、もはやワールドクラスでして、正直、レノン&マッカートニーや、ポールサイモン、ビリージョエルやクインシージョーンズ、バートバカラック等、超一流のソングライター達とほぼ同格と思える存在なのです。ただ、日本人だと言うだけ世界では殆ど知られていないその事実が本当に本当に残念で仕方がないのですが、嘗てYMOが、そのセンスが超一流である事を70年台の終わりから80年台の初めに掛けて世界に知らしめたように、達郎さんや大瀧さん、松任谷さん等、日本の超一流のソングライター達の存在が世界で知られるようには成りはしまいかと、いつも残念に思っています。今、破竹の勢いのブルーノマーズは小さい頃父親から達郎さんのテープを聴かされ、好んで聴いていたと言っていたので、願わくば、彼に達郎さんの曲のカバーかサンプリングでもしてもらって、達郎さんを世界の舞台に引っ張りだしては貰えはしまいかと本気で願っています。

話はズレましたが、本格的な秋がやって来るまでの今暫くの間、『Guess I'm Dumb』等の名曲を聴きながら夏の終わりを惜しんで参りたいと思っています。それにしても曲名が変ですね。『俺って駄目なヤツかも』みないな変なタイトルです。ホント変。

所で、達郎さんの最新曲は、魂の不滅や霊的世界や輪廻を示唆する曲『REBORN』と言う曲ですね。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』という映画の主題歌のようです。以前、第16話の 『前前前世?』で、こんな輪廻を歌う曲がヒットする時代が来たのか!と驚きを示しましたが、日本のポップス界のレジェンドも霊的世界の真実について歌ってくださっていますね。ありがたい事です。同格の大瀧さんは先に日本のポップス霊界(そんな物があるのかどうか知りませんが)に帰ってしまい、多分そこで大神として崇められていると思いますが、願わくば、達郎さんには長生きをしてもらって、これからもずっと我々を楽しませていただきたい所です。

『日本には山下達郎がいる』 実を言うと、海外で戦う日本人の多くが、その事実を密かに自信やプライドの源泉にしていたのではないかと思っています。(少なくとも私はそうでした)90年台以降で達郎さんクラスのアーティストを英米の音楽シーンで見出すのは至難の技だと思っています。(コールドプレイ位?)

達郎さんには、これからも末永く元気に活動して頂きたいところです。

今度また、『REBORN』をゆっくり聴いてみたいと思います。

湖畔人