第393話.近況と世情 5月31日 悲しみの香港

2020-05-31 18:56:03 | ★改善・変更の要る仕組み 仕来り 風潮 法律
湖畔人です。

先日、28日に全人代で、国家安全法の導入が正式に採択されましたね。
この法は、昨年デモで揉めた要因となった逃亡犯条例改正案よりも、もっと直接的に香港の自由を制限し、一国二制度を無効にする凄まじい毒法です。

中国共産党への批判や意見をすると、国家の分裂や転覆を狙うテロ行為とみなされる為、今後この法が正式に施行されるようになると、
例えば、
香港人や香港を訪れた我々外国人やメディア達が、
"中国は民主化すべきだ”とか、”複数の政党が存在すべきだ"とか、"信教、思想信条の自由を保障しろ"とか、"普通選挙を実施出来るようにしろ"とか、"ツイッターやSNSで自由に意見が出来るようにすべきだ"とか、"国政に問題があれば批判したり、意見をできるようにすべきだ"とか、"ウィグル人への強制収容や臓器売買の対象にするのをやめろ!"とか、"チベットを開放しろ!"とか、そうした至極真っ当な意見を述べたり投稿したりすると、
"お前は国家を転覆しようとしているテロリストであろう?"と難癖をつけられ、中共が香港に常設させると言う公安当局者達に連行され、本土に送られ、投獄され、拷問や粛清の対象になります。

なので、今後だれも中国共産党政権への意見が出来なくなり、民主化のデモへの参加は全て犯罪と見做され、取り締まりの対象となってしまうのです。

要は、今回のこの国家安全法の制定は、香港の自由の死を意味し、香港らしさの完全なる損失、をも意味しているのです。本当に香港人には受け入れ難い、辛く悲しい事態に今、香港は直面しているのです。

中国当局が米国等西側からの批判を承知で、こうした法の制定を強引に急いだ理由も、9月に実施が予定されている立法会議員選挙で民主派が圧勝し多くの議席を獲得すると見られており、そうなると、ますます香港議会運営が難しくなり、中国共産党政府の意向に沿わなくなっていくことが懸念され、この法律を急ぎ制定する事で、民主派の議員の立候補自体を出来なくしてやろう、と言う魂胆があったから、急いで可決したようなのです。

昨年、香港デモ隊を武力で抑えつけられなかった共産党政権の対応を弱腰と言う国内批判も多く、コロナ、不景気、と爆発寸前の中国国内の不満をもう抑え切れられないし、このまま香港を野放しにしていたなら更に状況は当局にとって難しくなるし、必ず将来に禍根を残す事になるので、今手を打たねばならない、と中国政府は判断をし、国際社会から受ける批判が分かっていても、国内の不満対応を優先し、香港の抑え込みにかかった、と言う事のようなのです。

アメリカは早速、香港における一国二制度は終ったと認識し、香港人権・民主主義法に基づき、香港を優遇して来た貿易面での特別措置の撤廃を示唆していますね。こうなると経済的には大混乱が起きそうですね。

さて、日本政府はどうするのでしょうかね。憂慮するとは言っていますが、米国を取るのか中国を取るのか、自由をとるのか共産主義をとるのか、神を肯定する側に付くのか神を否定する側に付くのか(即ち悪魔の側に付くのか)の選択を明確に迫られる時がもう直ぐやって来る事でしょうね。その時、安部自民はどうするのでしょうね。早く、"私に任せなさい、人権を軽視する中国共産党政権には改善の確認が出来るまで断交をするけど、その代わり、中国からの工場の移転、国内回帰を容易にする為の優遇税制措置を施すし、中国からの嫌がらせによる撤退に伴う損失への補填も約束する、だから安心して国内回帰し、台湾みたいに景気回復しよう!"とかスカッと明言しリーダーシップを発揮してパラダイムシフトを鮮やかに実施できるような骨のある政治家が出て来ると良いのですがね。早くそうした骨太の政治家の出現に期待をしたい所です。

また、こうした煮え切らない政権の態度と、的外れなマスコミの言論の背景には、彼等にとっての票とお金の供給源である所の、経団連や経済同友会等、日本財界の主要プレーヤー達が親中な為、政界やマスコミが財界におもねる事で、今のような人命軽視、神仏軽視、人権蹂躙、嘘だらけの中国共産党にハッキリと間違いを指摘できないとても情けない状況が起きて来ているのでしょうね。まぁようは、彼ら経済界の主役達の存在こそが、今の日本の最大の問題、本当の意味でのガンになっているのでしょうね。きっとね。彼等には早めにご改心いただき、超高速で脱中国を実施頂くか、早めにマーケットからご退場頂くか、していただくしかないのではないか?と思われるのです。でないと、何時までたっても日本の抱える問題の本質、経済的中国依存体質も改まらない訳です。ですから、今の財界の主役達も、もしかすると総トッカエの対象になってもらう必要が出て来るのかもしれません。中国と関係の近い国や地域がコロナ感染で苦しんだように、親中の企業にも何らかのメッセージが現れて来るのかもしれませんね。今後、良い商品やサービスの提供は当然するけど、自分達の商売の為に誰かが(例えばウィグル人達)が犠牲にならないといけないとしたら、そんな非人道国家を相手に商売等するか!と啖呵を切れるような、そんな新しい誠のある、未来の人道的企業群の多数の出現に期待をしたい所ですね。そうすればメディアも政治も変るでしょう。と言うか、メディアも政治家も自分達の意思で本来そうすべきなのですがね。ポピュリスト達ばかりだから困るのです。トランプ氏を見習えと言う事です。トランプ氏はよくポピュリストと言われるけど、彼がポピュリストなら大企業とべったりの中国と喧嘩をする訳がないでしょう?子供でも分かる事です。

それにしても、国家安全法が施行になるまで、あと数ヶ月、その間に何かが起きて流れが変わればよいのですが、このまま時が過ぎれば、あの香港が終わってしまう事になりますね…。日式と言って日本の商品をまんま街のコンビニで買えてしまう半分日本みたいな親日の街、香港。色んな文化が混ざり合いその混沌が魅力で自由と多様性の街、香港。毎年、1、2回は会合で訪れ、チムサーチョイには定宿もある勝手知ったる愛してやまない香港が、もう終わってしまうとしたなら、それは本当にショックな事ですし、絶対に見たくない現実なのです。何か奇跡でも起きないのでしょうかね?やはりトランプさんに頼るしか手がないのでしょうか?国際社会が協力して何かやれることは一つも無いのでしょうかね?延期になると言うG7で出来る事はないのでしょうか?香港が香港でなくなる、何て言う事態は絶対見たくないのです。何か良い手立ては何もないんでしょうかね。本当に心配だし、何も出来ないこの非力さが一番シンドく感じるのです。

湖畔人