チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

変容

2008年06月23日 10時52分26秒 | 日記
それにしても
激変
と言うのはこのこと

あの従順に見えた
蚕は
繭から出てきたら
目に見えた黒い印が
方向探知機のひげになり

頭から
其の黒斑点の場所までが羽になる
だから
繭から出てくるときは
羽を折っていて
出てきた後
しばらくして羽に成長して姿が完成

オスは
体が小さく
メスはお腹がでっぷりしている

このオス
今朝は合体中の
メスに横恋慕
しばらく乗っかって
自分の存在をアッピール

しかし
なんといっても
合体中でごわすもんね
どうしようもない
種族を残すと言う懸命な努力
この姿が
本来のオスの姿か

世のご婦人たちよ
オスの浮気は
種を残すと言う本能の表れ

更に
闘争本能もそれ
花も、野菜も、植物も
もちろん
人間を初めとする動物も

みんな
種を残すために
オスは働いている
人間だけが
其の本能を
神聖なものにしていないかもしれない
あの静かな蚕が
一転して闘争者に変容

形も生きかたもかくまで変るかと驚く
今朝
3日ぶりに蚕盆を見たセキド

「凄いですね」
命を生み出すパワーに圧倒されている
生き物はすべて循環
生き残りをかけてアクセクするのは
宇宙法則に逆らうこと

蚕はひたすら循環の中で生きているのだが
私たち人間は
其の素材を利用をすることを考えた
それは知恵と言うより
欲かもしれない
だからこそ蚕の生んだ絹を
私たちは使い切ることだ

蚕から蛾も変容だが
蚕の作った糸からできた着物は
天下一の変容
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする