チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

命を終わらせる

2008年06月25日 10時01分17秒 | 日記
蚕の蛾たちは
それぞれ
合体が終わり

今は静かに
其のときを待っている
最終の花火は
スざましく
パワフルだった

昨日の朝
「あなたを求めていく千里」
と言う感じで
蚕盆から
遠く机の端まで
タマゴを撒き散らかしながら
メスの蛾

かたやオスの蛾は
和室の部屋に
どう移動したのか

鎮座ましましている
コレを見たセキド
愛のキュウピットやらで
二匹を盆に戻すと
すぐ合体

それを感じた
他のオスの蛾が
俺のだ!
と言わんばかりに
ちょっかいを出す
押しのけようと必死だが
二匹はめぐり合ったばかり
ムリじゃて

しかし
全く相手にされない
メス蛾もいて
其の子は生き生きと美しい
タマゴも生めず
お腹がパンパン

なんとかオス蛾を
くっつけてみるが
不成功

よくよく見ると
お尻にオスの分泌液をかけられ
誰とも合体できぬ
体にされたらしい

しかし
卵も産んだのにまだ命尽きるまで
合体を繰り返す蚕蛾
蛾になっても飛べない体に
誰がした
命の形をいじった人間は罪深い

せめて
ココでは死ぬまで生きて!と思う
最後の桑の葉を食べてから二週間
飲まず食わずで
ひたすら次世代を生みそして去っていく

我が祖先は
そういう蚕の姿を知って
布を捨てない着物をつくった
大事にしようね
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする