チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

雌雄鑑別

2009年10月07日 11時06分35秒 | 日記
昨日はスタッフ全員で
茨城にある蚕業技術研究所で研修
まだ生きている蛹を繭から出して
雌雄の鑑別をする

その方法を農学博士に教わる
「蚕は遺伝子研究の宝庫」
と言われているように
遺伝子を研究する学者達にとって
天から頂いた研究材料である

こうやって基本の雌雄鑑別から
それぞれの種類のかけ合わせをして
色んな「種」が出来ていく

オスだけしか生まれないという
プラチナボーイの繭も
O博士が37年かかって作り上げた
先生の命名がプラチナボーイなのだそうだ

蚕の系譜を教えていただくと
チャコちゃん先生が絶対!
と惚れこんでいる「あけぼの」の糸は
やはり研究者にとっても
最も高い評価を受けていた

今ブランドの糸は
そのほとんどが「あけぼの」の系統だ

種作りの研究者がもっともいい糸と太鼓判を押しても
それを着る人の評価がわからない状態だと
研究者も満足感が無い

「私はあけぼのが一番好きです」
と言う一言で
チャコちゃん先生の株が上がったワイ

そりゃあそうだ
作った人とそれを着る人の評価が一致したら
双方ともに嬉しいものね

「いい物を作ると言うことに勇気をいただきましたよ」
と所長さん
チャコちゃん先生も
「私自身の着心地の感性に自信が持てました」
めでたしめでたし

これから純国産絹は
着る人の魂を震わすようなものが出来てくると思う
蚕がいとしい

と思う反面
もっと絹を身近に感じていただくことをしなければ
雨にけぶる膨大な桑園を眺めながら
気を引き締めるチャコちゃん先生であった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする